2022/11/30
ここ数日、富山県の予定している大型施設整備について盛んに報道されています。
円安・物価高による資材価格高騰の影響を受け、整備費の大幅な増加が見込まれており、特に、高岡テクノドーム別館の施設整備費が26億円から46億円と約2倍に増加することがわかり、議論に拍車がかかりました。
今後どのような大型施設整備が見込まれているのか?また、それぞれの整備費はどの程度見込まれているのか?見ていきたいと思います。
【富山県武道館の建設の議論から派生した3つの大型施設整備】
以上から、3つの施設で、現状でも153億円が見込まれています。富山県武道館が仮に1.5倍としても87億円→130億円、新川子どもレクリエーション施設20億円→30億円。高岡の46億円を足すと206億円となります。
別記事(富山県武道館建設の経緯を振り返るhttps://go2senkyo.com/seijika/76768/posts/489651)をご参照いただくとわかりますが、武道館建設に至る議論においては、アリーナ建設を断念しており、その理由は財政上の理由が大きかったのですが、当時のアリーナ建設経費は100億~170億円としており、200億円を超える投資が現実的なのか、また県民の理解が得られるのか、そして投資に見合う効果が得られるのか県議会の責任会派である自民党議員会としては、十分な議論が必要と感じています。
また、これらと同時に、他にも大きな施設整備、とりわけ安全安心に関わるものや人材育成など県民にとって欠かすことのできない施設整備もあり、県政全体として、どの施設整備を優先するのか全体としての議論も重要であると考えます。
【自民党議員会が代表質問で方針を質す】
そんな中、本日行われた代表質問において、自民党議員会の山本徹総務会長は、
「今定例会に債務負担行為が上程された高岡テクノドーム別館整備については、令和6年度中に仕上がるように進めるように要請したうえで、その他の大型施設整備については、物価高騰の現状を認識した上で取り組むべき、物価高騰や市町村との役割分担を踏まえた整備着手の判断が重要である。」と指摘しました。
【新田知事は、予定通り進めると答弁】
知事は山本議員の質問に対し、富山県武道館については、建設費の増加の積算を現状では行えていないが、建設費増は避けられない。一方で、基本設計は維持しつつコスト縮減を進め、(予定どおり)2月議会に債務負担行為の設定を提案する。富山市総合体育館の改修計画や中規模ホール整備の予定は承知しているが、こうした事情を踏まえて武道館は計画されており、差別化はできている。
として富山県武道館については計画通り進める方針を示した。
一方で、新川子どもレクリエーション施設については、今年度中に最適な整備手法は精査するとしつつ、(類似する)市町村施設との連携など含めて対応していきたい。として、計画の見直しにも含みを持たせました。
【県民の理解がえられるように十分な議論が必要です】
武道館について経費の大幅な上昇を予測しながら、整備費の精査をすることなく判断をくだしてしまうことには疑問を感じます。また議会答弁としても、現時点で計画通り進めることを断言することは、今後の自らの判断のフリーハンドを奪うことになり、賢明とはいえないのではないかとの印象を抱いたというのが正直な感想です。
私は、何も武道館建設に反対というのではないですが、上述のとおり、今後も多くの施設整備が予定されており、財政上の懸念や過去の検討の経緯を踏まえつつ、知事のおっしゃるウェルビーイング先進地域をつくるために、どこへの投資を優先させるべきか、この機会に一度立ち止まって考えることも重要であると思います。
その上で、武道館については、まずは、早急に、整備費の見通しを示すことが重要であり、計画しているフルスペックでの施設整備が本当に必要なのかについて改めて議論が必要と考えます。
こうしたステップを踏まずして施設整備を進めることが、県民の理解を得られるとは思えません。
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ナガモリ ナオト/48歳/男
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