2022/11/30
世界的な物価高や円安の影響を受け、富山県が予定している大型施設整備についての経費が急増していることが問題となりつつあります。
そこで、改めて、大型施設整備の発端である富山県武道館建設の経緯を振り返ってみたいと思います。
【発端は石井県政時代の全天候型体育文化施設(アリーナ)構想】
県政においてアリーナ構想が最初に出たのは富山県経済文化長期ビジョンでの議論でありました。
スポーツの成長産業化が進展する中、アリーナの集客力が地域活性化に貢献するとされていること、また、上述の経済文化長期ビジョンにおける検討の過程で、若い方々からコンサート等を催せる施設整備を求める根強い声があり、平成30年3月に策定された富山県総合計画においても、アリーナ構想の機運が高まり、平成30年8月にはアリーナ建設を議論する有識者会議「健康・スポーツ環境充実検討会」が立ち上がりました。
県議会自民党議員会としても、アリーナの設置を知事に要請してきただけに、議論を歓迎し、構想を後押ししてきたというのが現状です。
【急激にしぼむアリーナ構想】
しかし、アリーナ設置に向けて、一気に進むのかと期待された中、途中から議論が急速に萎み始めます。
その主な理由は、財政上の理由でした。整備費が100億円〜170億円に及ぶこと、また経済効果は32億円と思ったほど高くないことから、県民の理解を得られないのではないかとの結論となったわけです。
そして、結果的には、①富山・高岡の両武道館が老朽化していること、②武道関係者から武道館新設の要望が寄せられていることから、武道館を新設することにする。ただ、せっかく武道館をつくるならば、他のスポーツにも利用できる、そしてコンサートなども開催できる施設にすればよいのではないか。
ということになりました。
最終的には、県議会としてもこの提案を受け入れているのですが、当時は県議会において様々な議論がありました。
以下は、私の令和元年9月議会での質疑の内容です。
【当時の議論を改めて振り返りつつ、県民理解を求める必要があるのでは】
現状、富山県武道館の議論から派生して、高岡テクノドーム別館の建設や新川子どもレクリエーション施設の建設と3つの建設について議論が進められています。
富山県武道館の議論に先立って、アリーナの構想があり、しかしその構想は多額の整備費(100億円〜170億円)が必要となり県民の理解が得られないとして、断念した経緯がある。
他方で、現在の資材高騰により施設整備費が増嵩し、3施設合計で現状で150億円を超え、武道館の建設費用の増加幅次第では200億円近い整備費が必要となりそうです。
今であれば施設整備が県民の理解が得られるのか、県民に対しても県議会に対しても丁寧な説明が求められていると思います。
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ナガモリ ナオト/48歳/男
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