2026/7/23
マイナス金利は「失敗」でも「やって良かった」日銀当事者が語る教訓:中央銀行は、誰のために存在するのか。物価と雇用という使命を、金融業界という一業界の都合の前に決して譲ってはならない。記事中の白井氏の批判の重心は、「銀行業界との信頼関係を崩した」という一点に置かれている。しかし、本来、日銀が考慮すべきは、自らの天下り先である銀行業界だけであってはならない。物価の安定であり、その先にある国民の雇用である。
マイナス金利を含む一連の金融緩和は何をもたらしたか。完全失業率は2012年の4%台から2%台半ばへと低下し、有効求人倍率は0.8倍から1.6倍へと跳ね上がった。行き過ぎた円高は是正され、輸出企業は採算を取り戻し、雇用の裾野が広がった。職を得た数百万人と、輸出の現場で働く人々にとって、これは紛れもない前進であった。
金融機関の利ざやが圧迫されたことは事実である。だが、それは特定業界の収益分配の問題にすぎない。低金利では立ち行かぬ収益構造は、金融政策の失敗ではなく、経営の課題である。

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