2026/6/14
日銀は利上げ継続を。対応の遅れ、過度な円安招く=中尾元財務官:財務省の最大の権限は、税と予算を通じて他省庁・政治・国民を統制する力にあります。ところが金融緩和が長期化し、低金利と緩やかなインフレが続く環境では、名目GDPと税収が自然増収によって伸びていきます。実際、アベノミクス以降の日本では税収が過去最高を更新し続けてきました。これは一見すると財務省にとって望ましいことのように見えますが、組織の論理から言えば必ずしもそうではありません。なぜなら、税収が自然増で潤沢になれば、増税の必要性を主張する根拠が弱まり、財政再建を錦の御旗として振りかざす財務省の政治的影響力が相対的に低下するからです。
財務省の伝統的な世界観では、「財政は常に危機にある」「だから増税と歳出抑制が必要だ」というナラティブ(物語り)こそが組織の存在意義を支えてきました。金融緩和によって経済が拡張的に推移し、デフレから脱却し、自然増収が続く状況は、この物語を根本から揺るがします。逆に利上げを行えば、景気は減速し、税収の伸びは鈍化し、財政は再び厳しくなる。そうなれば「だから増税が必要だ」「だから歳出を切り詰めるべきだ」という主張に説得力が戻ってくる。財政均衡主義を標榜する組織が、経済の好調による税収増を歓迎しないという状況が生まれます。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>金子 洋一 (カネコ ヨウイチ)>日銀は利上げ継続を。