2026/3/12
財務省は2026年度の国民負担率、つまり私たちの所得のうち税金と社会保険料が占める割合が45.7%に下がったと発表した。しかし、この数字をそのまま「負担が軽くなった」と受け取るのは早計である。負担率が下がった理由は、経済成長や賃上げで所得が伸びたことだけではない。もう一つの大きな原因は、病院に支払われる診療報酬や介護の報酬が、物価の上昇に長年追いつかないまま抑え込まれてきたことにある。医療や介護の値段は国が決める公定価格であり、物が値上がりしても自動的には上がらない。つまり、医療・介護現場の経営を犠牲にすることで、見かけ上の負担率が低く抑えられていたのである。
そのツケの清算が今まさに始まっている。2026年度の診療報酬は30年ぶりの大幅引き上げとなり、介護報酬も異例の臨時改定が実施される。これらは当然、社会保険料の上昇や窓口負担の増加として私たちの財布に跳ね返ってくる。
また記事はOECD諸国との比較で日本が35カ国中26番目と紹介しているが、これも負担の側面だけを見た話である。欧州の高負担国では、その代わりに大学教育の無償化や手厚い育児支援などが提供されている。日本は負担率こそ低いが、教育費や介護の自己負担は重い。負担と、その見返りに何を受け取れるかを合わせて見なければ、公正な比較とは言えない。

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