2026/7/4
このブログでは、困難な問題を抱える女性たちの問題、その支援の必要性についてお伝えしてきた。また東京都の賛育病院がベビーバスケットを開始したことについてもお伝えしてきた。また、内密出産や出自を知る権利については、フランスの例なども、お伝えしてきた。そのリンクについて、また後日、まとめたい。
7月3日NHK首都圏ネタドリ!で、2025年3月に賛育病院がベビーバスケットを開始してからの1年間についてのドキュメンタリーを放送していた。NHK+が視聴できる方は、ぜひそちらを!
以下は、私のメモとしてまとめたものを皆さんと共有したい。
まずは、25年3月以来、ベビーバスケットを運営してこられた賛育病院のスタッフの皆さんに心から感謝したい。ただでさえ忙しい周産期という通常の仕事をしながら、これらの支援をすることがどれだけ大変なのか。もう感謝しかない。また、この問題を追い続けているNHKのスタッフの皆さんにもエールを送りたい。NHKでは、この問題について質の高い発信を続けている。今後の報道にも期待している。
●賛育病院ベビーバスケットの利用状況
開設以来の利用数:20名(5名の赤ちゃんは健康、15名は医療的処置が必要だった)
保護者の居住地:東京3名、関東4名、中部1名、近畿1名、その他11名
相談の結果、自分で育てる決意をした母親:2名
未成年者のケース:5件
内密出産:7件(うち1度も検診なく出産した「とびこみ出産」3件)
●赤ちゃんが置かれた状況(日本)
2014年〜2023年 生後1か月以内の乳児の遺棄事件131名(件)
進まない里親による養育:
国は、里親の元での養育を奨励しているが、里親に育てられるケースは、国の目標75%に対して、全国で29.4%、東京都16.2%と圧倒的に進んでいない。
●ベビーバスケットを利用した理由
・経済的な問題(最も多かった)
・妊娠したらパートナーとの連絡が途絶え、一人で育てられない
・中絶を考えたが、決断できなかった
●姜恩和教授(目白大学)からのコメント
・実家との関係が難しいといった困難な問題が、妊娠を機に一気に押し寄せてきている。
・女性だけでは妊娠できないのに、男性は責任を逃げられるが、女性は身体的、精神的負担が大きい。
・相談や支援が重要。現状では、病院のリスクが大きい。国としてどうするべきか、検討が必要。
・病院だけに支援させるのではなく、外部の機関との連携する必要がある。
・性教育がとても大切。
・出自を知る権利についての規定が必要。
・なぜ、女性たちが、この問題を背負って、抱えて、相談できない状況が生まれているか、社会のあり方を問うことでもある。
・「自分にとって当たり前が必ずしも他の人にとって当たり前ではないかもしれない」という観点をもって、この問題に関心をもってほしい。
●今後の課題
◯法整備の遅れ
ー内密出産について国がガイドラインを示しているが、未成年者についての提示がない。未成年者の手術等については、親権者の同意が強く求められているため、未成年者の妊婦自身が内密出産を希望しても、親権者の同意が得られない・得たくない場合、医療機関は親権者から訴えられる可能性があり、現状では、そのリスクを医療現場が抱えている。よって、法的な措置が必要。
ー出自を知る権利について、内密出産だけでなく里親制度においても整備されていない。子どものアイデンティティの形成にとっても必要であり、法的な整備が求められる。
◯乳児を抱える、すべての親への支援を
保護された赤ちゃんは、普通なら1週間程度で退院し、児童相談所を経て、児童養護施設または里親の元で育てられることになる。しかし、現在、東京都内の乳児院は、児童虐待の一時保護のため満床状態となっている。そのため、保護された赤ちゃんの行き場がなく、病院で保護され続けている状況が発生している。
ベビーバスケットで保護された乳児のみならず、乳児期の赤ちゃんを養育する保護者への支援をもっと手厚くする必要がある。
◯相談・支援体制の強化
内密出産を希望した7名のうち、事前の相談や診察がないまま出産した「とびこみ出産」は3名だった。相談することがもっと早く、安心してできる体制が必要。
このようなとびこみ出産は、妊婦の出産に関するリスクを診断できない中で処置を行わざるを得ないため、医療関係者が最も恐れるケースである。
「相談を受ける」「受診する」ことへのハードルを避け、そのようなリスクを回避できる環境、孤立しての出産を避けられるような環境を整える必要がある。
◯性教育の実施
これまで、東京都などでも学校現場での性教育に対して、議員らによる過度なバッシングがあった。しかし、性教育をしっかりと行い、自分の体について知り、妊娠、避妊、出産について、男子も女性もしっかりとした知識をもつこと、責任をもつことが大切。
◯支援の質の担保
大阪の泉佐野市が、自治体として、内密出産を行う体制を準備している。泉佐野市市長の英断に敬意を表したい。このような自治体が広がるとともに、一定の制度を整備し、「質」を担保する必要がある。
◯医療現場だけに頼らない体制の構築
現在では、医療現場だけに責任や支援が課されている。しかし、外部機関との連携によって、相談、支援、養育する環境を整えていく必要がある。
→だからこそ「みんなのサポートセンター」が必要!!!
◯里親制度への理解を高める
里親制度の利用が進まない現状がある。その課題について分析するとともに、里親制度についての広報や支援が必要。
一方で、里親による虐待事件もあるのも事実。しっかりとした里親制度で養育される子どもたちへの支援、里親への支援についての体制づくりが急がれる。
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