2026/1/15
1月14日、文部科学省は、全国都道府県と政令指定都市の教育長らによるいじめ防止に関するオンライン会議を開いた。栃木県立高校におけるいじめ案件がネットで拡散され、これに呼応して全国の中学や高校でのいじめの動画が続々と拡散されたことに対応したもののようだ。
文部科学省からは「見過ごされている暴力行為やいじめ」がないかどうかを今学期中にアンケートを実施するよう要請、必要に応じて警察との連携を呼びかけた。また、ネットでの拡散が人権侵害につながると指摘し、情報モラル教育の実施を求めたとのことだ。
最後の「情報モラル教育の実施」については、若干気になる。栃木県立高校のいじめの動画が、どのような意図のもとでSNSにアップしたのかはわからない。いじめを面白がってアップしたのか、見逃されたいじめがあることを告発するためにアップしたのか。
今回、いじめの動画が拡散し、加害生徒の個人情報等が特定され攻撃されるなどの事象が起きた。その一方で、このネットによる告発?がなければ、このいじめは「見逃され続けた」のではないか。情報モラル教育ということが、告発を封じることにならないようにしなければならない。
栃木県立高校のいじめの動画は、私自身も確認した。気分が悪くなるものだった。「ふざけて」ではなく、いじめだと思う。この高校は、いじめに対するガイドラインをもっている。しかし、このような事案が対処されていなかったとしたら、ガイドラインは何の意味もない。
学校とはどのような場なのか?
彼らは高校生。卒業後は、働く生徒もいるだろうし、進学する生徒もいるだろう。しかし、社会で生きていくための準備として、「人をバカにする」「人に暴力を振るう」「人と協力できない」「平気で嘘をつく」「善悪の区別がついていない」「目の前で起きている問題行動に異議をいえない」状態では、社会人にはなれない。つまり、この学校で、社会で通用するような真っ当な人間が育てられていないということでもある。もちろん、それは学校だけの責任ではない。家庭の責任も重要だ。
いじめが起きたことを「学校の責任」だけにするのではなく、学校と家庭、必要ならば心理、警察等の様々な専門家とともに、加害の児童生徒に、自身でしっかり「考えさせる」ことが必要だ。必要ならば、社会奉仕をさせてもいいだろう。そうなると、担任に任せるのではなく、きちんとした専門スタッフを配置し、その連携・協力が不可欠だと思う。
「学校だけの責任」にすると、隠蔽されて、事実が表に出なくなる可能性があるのではないだろうか。栃木県立高校の事案も、先生たちが、この加害生徒によるいじめを把握していなかったとは思えない。
もう一つ、教唆という言葉。この言葉は、中学生の時か?性暴力を扱ったアメリカ映画を見た時に知った言葉だ。「教唆」とは、「他人をそそのかして犯罪を実行させる行為」を指す。犯罪を決意させたり、助長したり、自殺を決意させることも含まれる。
今回の栃木県立高校のいじめでも、周りで囃し立てて、いじめを止めるのではなく、盛り上げていた生徒たち。彼らの行動は、れっきとした教唆であると指摘したい。
被害者の生徒の様子を見ていて、囃し立てるだけで、いじめを止められない男子生徒たちは、いかに幼稚で卑怯者かということを本人たちに理解させる必要がある。
流山市でも、いじめの重大事態の発生状況は、深刻なものがある。
2023年度、2024年度、ともに9件の発生。2025年度は、今のところ5件となっている。全国平均よりかなり多い。しかし、このようにきちんと公表されることは評価したい。何度もいうが、これは学校だけの責任ではない。しかし、学校の責任でもある。
流山市は、いじめ相談室を設置している。いじめ重大事態の報告書は、非公表になっていて、今の私の立場では、その一つ一つの案件を確認し、分析することはできない。
いじめ対策調査会での調査の結果とそこからの分析結果については、個人を特定しない形で、きちんと流山市長および教育長が発表し、家庭、地域とともに、どのような対策が必要なのかを検討し、共有し、実行することが必要だと考える。
流山市は、過去に、いじめ重大事態の案件の取り扱いについて、専門家から相当に厳しく、勉強不足と不適切な対応について批判を受けている。そのことを忘れないで、しっかりと事態を把握し、被害者の児童生徒の安心・安全の確保、加害児童生徒の更生を丁寧に行なっていく必要がある。
今回の一連のいじめの告発等を受けて、流山市でもきちんとアンケートを実施するなど、「見過ごされたいじめや暴力」がないよう対応を求めたい。
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