2026/7/5
ポイントを配らないと使われない「たけおPay」。
「デジタル地域通貨」と称して佐賀県武雄市で運用されている「たけおPay」。
現実は、ペイペイや楽天ペイなどいった大手プラットフォームに太刀打ちできるわけもなく、ポイントが配られた時だけ住民がポイント分だけ使う、という仕組みになりつつある。しかも、利用店舗側からも「使い勝手が悪い。現金化までに時間がかかりすぎ」なとの批判もあり、利用可能店舗数も頭打ちで、「残念なご当地ペイ」の一例になりつつある。
しかし、一度作ってしまったシステムは維持する必要に迫られる。システムを維持するためは、手数料収入の原資として、まとまった額の顧客の決済が必要となる。しかし、顧客の側は「使いづらいシステム」として見てしまっており、自らチャージして「たけおPay」を使うことはほぼない。結果、何が起きるかというと、武雄市が「たけおPay」の利用拡大のために、ポイントを住民に流し込み続けなければならない状況に陥っているのだ。ポイントの財源は言わずもがな税金である。
その結果、起きているのがあらゆるイベントで「参加すれば◯◯ポイント進呈」という文言が目につくようになった。
この動きに違和感と怒りを覚える住民は多い。
一つは税金の使い方としておかしい。という納税者としての疑問である。もっと効果が見通せる別のことに税金を使え、という声だ。
そして、もう一つは、住民のまちづくりへの参画意識の向上や行動変容を、「たけおPayのポイント」という「カネで釣る」形で進めているように見える問題だ。
アンケートに答えたら、会議に参加したら、物販イベントに立ち寄ったら、公園の遊具で遊んだら、テントサウナを利用したら、すべてポイント配布の対象となっている事業である。
「小銭を配れば住民は動くだろう」と武雄市幹部や担当者が考えているのであれば、その認識はおかしいし、すぐに改めるべきだ。
地域に対する住民の思いや行動というのは、金銭ではないところから始まっている。むしろ、愛郷心、地域に対する無償の愛だ。
道端で自主的にゴミ拾いをされている方々、児童生徒の通学を横断歩道で毎朝見守ってくれている方々、SNSで武雄市政に対して疑問や意見を投げかけてくれる方々等、いずれも「たけおPayのポイントが欲しくて」やっているわけではないのだ。
皆さん、武雄の街と住民の今と未来を思い、行動を起こされている方々だ。
その人たちが武雄を愛してくれている理由は何か、行動を起こしてくれている理由は何か、そこを掘り下げるところからもう一度、武雄のまちづくりのやり方を積み上げ直したい。
子どもたちにシビックプライドを語る前に、まず武雄に暮らす大人たちが言うべきことを言い、質すべきことを質せているか、かっこいい背中を見せられているか、そこから始めた方が良い。
申し訳ないが、住民の愛郷心は、たけおPayのポイント配布で高まるわけではない。

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