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武雄アジア大学と学校法人旭学園、武雄市役所に共通するガバナンス(統治能力)欠如の懸念。

2026/6/4

武雄アジア大学と学校法人旭学園、武雄市役所に共通するガバナンス(統治能力)欠如の懸念。

5月30日、武雄アジア大学のミニオープンキャンパスに足を運んだ。

きっかけは、武雄市が発行する武雄市報5月号である。市報には、5月9日から7月5日まで毎週のようにミニオープンキャンパスを開催すると掲載されていた。高校生や保護者だけでなく、市民も参加可能。しかも「高校生以外は当日会場で受け付けされます」と明記されていた。

ところが、5月30日の午前10時前に現地へ行くと、キャンパスには誰もいなかった。受付もない。案内もない。参加者らしき人もいない。校舎の中も薄暗い。

ちょうど出勤してきたとみられる女性教員に「今日はオープンキャンパスの日ですよね」と尋ねると、返ってきた言葉はこうだった。

「高校総体もありますし、今日は無いですよ」

その後、事務職員の方から、講師の体調不良で急きょ中止となり、7月に振替で開催すると説明があった。もちろん、講師の体調不良を責める話ではない。内田信子前理事長も体調不良で退任されたばかりだ。問題は、中止そのものではなく、中止をどう知らせたのかである。

しかも、公表されていたスケジュールを見ると、当日は学長挨拶、大学説明、入試説明、模擬授業、個別相談、先輩学生との交流、キャンパスツアーまで予定されていた。模擬授業の講師1人だけで完結するイベントではない。

にもかかわらず、現地で見た限り、学長もいない。学生もいない。受付もない。案内もない。本当に当日の急な中止だったのか。もっと前から開催しないことが決まっていたのか。あるいは、開催可否の判断が現場に共有されていなかったのか。疑問は今も残っている。

そして、中止になったプログラムの代替日程の告知もいまだにウェブサイトには掲載されていない。

ミニオープンキャンパス以外にも違和感を感じる部分は数多くある。

例えば、Googleマップで「武雄アジア大学」と検索しても、なぜか武雄市のキャンパスではなく佐賀市内へ案内される状態が続いている。開学から2か月が過ぎた今も、大学を訪れる人の基本導線すら整っていない。

さらに、地元の自治会費、いわゆる区費についても、今なお支払われたという情報は私のところには届いていない。

こうした一連の出来事について、大学経営に詳しい有識者はこう指摘する。

「入試広報、現場判断、法人本部との連携、地域対応のすべてにほころびが出ている。これは単なる担当者レベルのミスではなく、大学と法人のガバナンスの欠如と見るべきだ」

さらに、こうも話す。

「武雄アジア大学は、定員140人に対して一期生37人という大幅な定員割れでスタートした。本来であれば、来年度の学生募集に向けて、学校法人旭学園は相当な危機感を持たなければならない局面だ。ところが、ライトアップのような見栄えのする取組みは行う一方で、受験生、市民、地域の人が大学に安心して関われるための基本的な整備がまったく追いついていない。学校法人本部は佐賀市にあり、大学は武雄市にある。その距離が問題なのか、現場に判断権限がないのか、法人本部と大学現場の連携が弱いのか、外からは断定できない。ただ、迅速に判断し、発信し、来訪者を迎え、地域と連携を深めるような組織にはなっていないことだけは確かだ。その状態で、なぜ来年は200人の入学者を迎えると言えるのか。数字を掲げる前に、大学としての基本動作を整えるべき」

そして、もう一つ見過ごせないのが武雄アジア大学を積極的に誘致した武雄市役所の姿勢である。

こうした状況にある大学に対し、本来であれば、武雄市は厳しく状況を確認し、必要な指導・助言を行ない、説明を求める立場にあるはずだ。武雄市と佐賀県で19.5億円にも上る多額の公費を投入して誘致した大学である。開学後の運営、学生募集、地域対応、情報発信がどうなっているのか、行政として見過ごしてよい話ではない。

ところが、武雄市は過日、公式Facebookページのトップ画像を「大学を活かしたまちづくり」と銘打った画像に変更し、まるで武雄アジア大学の広告のように大々的にPRしている。

一学校法人が運営する一私大である。飲食店でも、ホテルでも、病院でも、民間事業者であれば、行政がここまで前面に出て特定事業者を持ち上げることには慎重になるはずだ。なぜ武雄アジア大学だけは、ここまで特別扱いされるのか。武雄市役所内部の判断も相当にズレている。

武雄アジア大学と学校法人旭学園のガバナンスは危うい。そして、その危うさを正すどころか、公式広報で前のめりに支える武雄市も危うい。

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著者

こんどう けんじ

こんどう けんじ

選挙 網走市議会議員選挙 (2019/04/21) [当選] 1,142 票
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肩書 人材開発株式会社CEO/DXコンサルタント/公共交通アドバイザー
党派・会派 自由民主党
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