2023/2/26
阪神淡路大震災の被災者を対象に貸し付けられた「災害援護資金」について、芦屋市を含む兵庫県内の9市が、総額約4億2,500万円の返済を肩代わりすることで債権を放棄、同事業を廃止することが今定例会中に全市で議決される見通しです。
災害援護資金は1995年、国と兵庫県が出資して、1世帯あたり最大350万円(全壊、半壊など被災状況により上限が異なる)、総額1,300億円が各市町が窓口となって貸し付けられました。その後、債務者からの返済が進まないことから期限の延長を繰り返しましたが、芦屋市など県内9市で約500件、計6億円余りが返済されていません。
兵庫県では、既に出資した約2億1,200万円の返済を免除することを決定しましたが、国からは返済免除が認められず、各市が国の出資した約4億2,500万円に独自財源を充てるなどして弁済を免除する方針です。また、神戸市も2021年9月に同様の方針を決め、約11億円超の債権を放棄しました。
芦屋市の「災害援護資金」の実績は2,797件で、総額66億9,410万円が貸し付けられました。うち、全額償還に至ったのは2,565件(91.7%)、約65億8千万円(94.5%)。債務者および保証人の死亡等により免除されたのは178件(6.3%)、約3億円(4.4%)。
今定例会で審議された債権放棄の対象となる未償還は54件(1.9%)、総額7,439万円(1.1%)です。このうち、国が貸し付けをした2/3相当の約5,000万円を、芦屋市が20年をかけて兵庫県から国に償還する予定です。
債務者の中には、つい最近までなけなしの年金生活から返済を続けた方もおられ、ここに来て返済免除とすることに不平等感は否めません。しかしながら、震災から28年が経ち、債務者の高齢化により全額返済の目途が見通せない現状では、やむを得ない行政判断であると捉えています。仮に返済期限を延長して事務事業を継続しても返済見込みは少額で、行政内部の便益/事務量(コストパフォーマンス)の効率が著しく悪いため、私は債権の放棄に賛成しました。
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