2026/6/27

今年、成田市が進めてきたJR成田駅西口の再整備事業について延期が発表され、事業の今後は大きな転換点を迎えました。
市は当初、駅前の土地を有効活用し、利用者の利便性を高めるとともに、駅周辺に新たなにぎわいを生み出すことを目指して、民間事業者と連携した再整備を進めてきました。バリアフリー化や魅力ある施設整備を通じて、成田の玄関口をより使いやすく、活気のある空間にする構想でした。
計画が本格的に動き出したのは2020年10月です。成田市はJR成田駅西口の再整備に向けて公募型プロポーザルを実施し、優先交渉権者を選定しました。その後、事業の基本ルールを定める協定の締結や設計、土地の長期利用に関する協議を進める方針を示しました。
市は早期の具体化を目指していましたが、事業者選定後の協議は思うように進まず、基本協定の締結は2022年9月9日までずれ込みました。市と事業者の調整が難航した結果、当初の予定より約2年遅れることになりました。
その後、市は再整備のスケジュールとして、2024年に建物の解体工事、2025年から2026年に整備工事、2027年の供用開始を予定していました。しかし、現地調査や関係者との調整が必要であることが明らかになり、計画はさらに遅れる見通しとなりました。
2025年3月の市議会では、供用開始が2029年以降になる可能性が示され、駐輪場部分だけでも18億円から19億円程度の費用が必要になるとの試算が公表されました。
さらに2026年3月の議会では、当初予定されていた2026年の実施設計着手を見送る方針が明らかになりました。駐輪場部分の事業費が当初の想定を上回り、事業の実現が困難になったと判断されたためです。市はその根拠として、駐輪場部分の事業費が23億円に上るという試算を挙げました。
遅れの背景には、計画を進める中で解決すべき課題が次々と明らかになったことがあります。もともとJR成田駅西口の再整備は、2025年に基本設計、2026年に実施設計へ進む予定でした。しかし、基本設計を進める過程で、当初の想定と現実の条件にずれがあることが分かってきました。
たとえば、工事期間中に駅前ロータリー内の路線バスのバス停をどこへ移すのか、JR敷地と接する崖をどう扱うのか、そして資材価格や人件費の高騰によって事業費がどこまで増えるのかといった課題です。これらは、事業全体の規模やその実現可能性を見直す要因となりました。
今年、これらの状況を踏まえ、成田市は今後の方向性を再検討することを決めました。市の担当者は、事業費の規模や実施方法を含め、JR成田駅西口の再整備計画全体を見直すと述べました。
これは事実上、計画の延期または中止に近い判断といえます。
とりわけ問題なのは、計画開始からおよそ6年が経過するなかで、成田市が進捗状況を市民に十分伝えてこなかった点です。事業の遅れや見直しの理由が明確に示されないまま計画が見直されるのであれば、行政としての説明責任を果たしているとは言えません。
市民には、事業の内容だけでなく、なぜ進まないのか、どのような課題があるのかを知る権利があります。進捗や課題を十分に説明しないまま事業を中断した事実は、市が市民への説明責任を果たしていないことのあらわれです。
成田市は市民の知る権利を保障するために、公共事業の進捗状況について市民がアクセスできる制度づくりを進めていく必要があります。
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シミズ ヒロキ/29歳/男
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