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おおさわ あつし ブログ

エストニアの電子国家から、日本の地方行政が学べること

2026/4/8

エストニアという国を知っていますか。

バルト海に面した、人口約130万人の小さな国です。北欧とロシアの間に位置する、日本ではあまり知られていない国——でも今、世界中から注目を集めています。

理由は一つ。世界最先端の「電子国家」を実現したからです。

このエストニアから、日本の地方行政——そして加須市が学べることがあります。今日は正直に、深く考えてみます。

 

エストニアとはどんな国か

エストニアは1991年、旧ソビエト連邦から独立しました。

独立当時、インフラも経済も整っていなかった。でもだからこそ——「ゼロから作るなら、最先端のシステムを作ろう」という発想が生まれました。

過去のしがらみがなかったからこそ、大胆な変革ができた——これが、エストニアが世界最先端の電子国家になれた最大の理由です。

 

エストニアが実現したこと

エストニアが実現したことは、驚くべきものです。

①行政手続きの99%がオンラインで完結

住民票の取得、確定申告、会社設立、投票——ほぼ全ての行政手続きが、インターネットで完結します。

確定申告は平均3分で完了。会社設立は18分で完了——日本の行政手続きにかかる時間と比べると、信じられない効率です。

②電子IDカード一枚で全てが完結

エストニア国民は、電子IDカード一枚を持っています。このカードがあれば、行政手続き、医療記録の確認、銀行取引、投票——全てができます。

日本でいえば、マイナンバーカードが完全に機能している状態——それどころか、それをはるかに超えたレベルです。

③医療記録の完全デジタル化

全国民の医療記録がデジタル化されていて、どの病院に行っても、医師が過去の診療履歴を瞬時に確認できます。

「前の病院の診断書を持ってきてください」——そんな手間が、エストニアには存在しません。

④電子投票の実現

エストニアでは、インターネットで投票できます。スマートフォンから、世界中どこにいても投票できる——。

日本の地方選挙の投票率が低い問題——エストニアの電子投票が実現すれば、大きく改善できるかもしれません。

⑤行政コストの劇的な削減

行政手続きがデジタル化されることで、窓口対応のための人件費が大幅に削減されました。

エストニアは、電子政府への投資によって、GDPの約2%に相当するコスト削減を実現したと言われています。

 

なぜ日本はエストニアに遅れているのか

エストニアの話を聞いて、こう思う方もいるかもしれません。

「なぜ日本はこんなに遅れているのか」——。

理由はいくつかあります。

①既存のシステムへの依存
日本の行政は、長年かけて構築してきた「紙とハンコ」のシステムに依存しています。変えるためには、莫大なコストと時間が必要——そう思われてきました。

②しがらみと縦割り行政
国・都道府県・市町村がバラバラにシステムを持っていて、連携できていない。省庁間の縦割りが、デジタル化の妨げになっています。

③「失敗を恐れる文化」
新しいことを試みて失敗すれば、責任を問われる。だから誰も動かない——この文化が、日本のデジタル化を遅らせてきました。

エストニアが大胆に変革できたのは——過去のしがらみがなく、失敗を恐れずに新しいことに挑戦できる文化があったからです。

 

加須市が学べること

エストニアの電子国家から、加須市が学べることがあります。

①行政手続きのデジタル化

住民票の取得、各種申請、相談窓口——これらをオンラインで完結できるようにする。

「市役所に行かなければならない」という市民の負担を減らす。特に車を持たない高齢者、子育て中のお母さん——移動が難しい市民にとって、行政手続きのオンライン化は生活を大きく改善します。

②医療・介護のデジタル化

加須市内の医療機関が、患者の情報をデジタルで共有できるようにする。「どの病院に行っても、過去の診療履歴がわかる」——これは高齢者が多い加須市において、特に重要です。

③議会のデジタル化

議会の資料をペーパーレス化する。市民が議会の議論をリアルタイムで確認できるようにする。議員と市民がデジタルで直接つながれる仕組みを作る——。

「議会は遠い存在」という市民の感覚を、デジタルで変えられます。

④投票のデジタル化

地方選挙の投票率が低い——これはエストニアの電子投票で解決できる問題です。

スマートフォンから投票できれば、「投票所まで行くのが面倒」という理由で棄権する市民が減ります。補欠選挙の低投票率問題も、電子投票が実現すれば大きく改善できるかもしれません。

 

「エストニアは小国だから」という反論に答える

「エストニアは人口130万人の小国だからできた。日本の地方都市では難しい」——そういう声もあります。

でも——逆に考えてください。

人口130万人の小さな国でできたことが、人口11万人の加須市でできない理由はありません。むしろ規模が小さいからこそ、大胆な変革がしやすいはずです。

エストニアが独立当時、「過去のしがらみがなかったからこそ変革できた」——加須市でも、新しい議員が入って「過去のしがらみ」を断ち切ることで、大胆なデジタル化が実現できます。

 

加須市のデジタル化

行政手続きのオンライン化。議会のペーパーレス化。医療情報のデジタル共有——一つ一つは小さな一歩でも、積み重ねれば加須市は変わります。

エストニアが「ゼロから作るなら最先端を」という発想で変革したように——加須市も「変えるなら最先端を」という発想で動きたいと思っています。

 

おわりに

エストニアの電子国家から、日本の地方行政——そして加須市が学べること。

それは——「過去のしがらみを断ち切り、大胆に変革する勇気」です。

紙とハンコの行政から、デジタルで完結する行政へ。市役所に行かなければならない不便さから、スマートフォン一つで全てが完結する便利さへ。議会が遠い存在から、市民と直接つながる議会へ——。

エストニアは130万人の小国で実現しました。加須市の11万人で、できないはずがありません。

エストニアが世界を驚かせたように——加須市が埼玉を驚かせる日を、一緒に作りましょう。

 

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著者

おおさわ あつし

おおさわ あつし

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肩書 一般社団法人日本外国人材振興機構 代表理事/JFRアカデミー(ネパール)校長
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