2026/6/29
「議会で質問して終わり」ではなく、都民の皆さんの暮らしが少しでも前に進むこと。それが政治に携わる者として何より大切だと考えています。
先日、東京都立病院機構から、都立大塚病院に新たな「生殖医療外来」を開設し、令和8年8月6日から診療を開始するとの発表がありました。一般不妊治療に加え、体外受精や顕微授精といった生殖補助医療(ART)にも対応し、さらに糖尿病や高血圧などの内科疾患、子宮筋腫や子宮内膜症など婦人科疾患を抱え、地域の医療機関では対応が難しい方も受け入れる体制が整備されます。総合周産期母子医療センターとして培ってきた知見を生かし、不妊治療から妊娠、出産まで切れ目なく支えることを目指すものです。
この発表を受けて、昨年私が厚生委員会で行った質疑を思い返しました。
「これから」の都立病院は何を担うべきか
私は昨年の厚生委員会で、「地域に応じた『これから』の都立病院の在り方」をテーマに質疑を行いました。
少子高齢化が進み、医療ニーズも大きく変化する中で、都立病院には民間病院では担い切れない行政的医療だけでなく、社会課題を先取りする役割が求められるのではないか。そうした問題意識から、これからの都立病院は「未来を支える医療」にも力を入れていくべきではないかと提案しました。
その一つとして取り上げたのが、生殖医療です。
東京都では晩婚化・晩産化が進み、不妊治療を受ける方は年々増えています。一方で、年齢だけでなく基礎疾患や合併症があることから受け入れ先が限られ、十分な治療につながれないケースもあります。
だからこそ、都立病院が公的医療機関としてその役割を果たす意義は非常に大きいと考えていました。
もちろん、今回の外来開設が私の質問だけによって実現したものではありません。しかし、議会で提起してきた方向性と今回の整備は重なる部分が多く、「都立病院が社会の変化に合わせて役割を進化させていく」という流れが具体的な形になったことを大変心強く感じています。
都立病院だからこそできる医療
今回開設される生殖医療外来の特徴は、単に体外受精を実施する施設が一つ増えるということではありません。
総合病院だからこそ、糖尿病や高血圧などの内科疾患、婦人科疾患を抱える患者さんに対しても院内で各診療科が連携し、安全な妊娠・出産まで一貫してサポートできる点に大きな価値があります。
また、大塚病院は総合周産期母子医療センターでもあります。
「妊娠すること」だけではなく、「無事に出産し、その先の子育てまで見据えた医療」を提供できることは、公立病院ならではの強みと言えるでしょう。
採算だけでは測れない医療を支えること。
それこそが都立病院の存在意義だと私は考えています。
東京都が進める不妊治療支援
東京都では、医療体制の整備だけではなく、不妊治療を受ける方への様々な支援も進めています。
例えば、
・不妊・不育症に関する相談体制の整備
・保険診療と併用される先進医療への費用助成
・東京都独自の卵子凍結支援事業
・生殖医療提供体制の充実
・妊娠・出産・子育てまで切れ目のない支援体制の構築
など、多面的な取組が進められています。
不妊治療は身体的な負担だけでなく、精神的な負担や経済的な負担も非常に大きいものです。
だからこそ、医療機関を整備するだけでは十分ではありません。
相談できる場所があること、必要な情報が届くこと、費用負担を少しでも軽減できること、そのすべてが安心につながります。
東京都には全国をリードする自治体として、これからも先進的な取組を進めていくことを期待しています。
「産みたい」を諦めなくていい東京へ
私はこれまで議会で、内密出産、未受診妊婦への支援、周産期医療、若者支援など、「命を守る政策」を一貫して取り上げてきました。
子どもを望む方が安心して妊娠できること。
安心して出産できること。
そして、生まれてきた子どもが安心して育つこと。
これらは決して別々の政策ではなく、一つの流れの中にあるものです。
少子化対策というと、「出生数を増やす」という数字だけに目が向きがちです。しかし本当に必要なのは、「子どもが欲しい」と思った人が、その希望を経済的な事情や医療へのアクセスによって諦めなくて済む社会をつくることではないでしょうか。
政治にできることは、その選択肢を増やすことです。
誰かの人生を決めることではなく、「選べる社会」をつくること。
私はそのために、医療・福祉・子育て支援を一つひとつ前に進めていきたいと考えています。
今回の都立大塚病院の生殖医療外来開設は、その歩みの一つです。
これからも現場の声を丁寧に伺いながら、「頑張る人が報われる、頑張れない人が救われる東京へ」という思いのもと、都民の皆さんの暮らしにつながる政策を、東京都議会で着実に実現してまいります。
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ヤマグチ ハナ/29歳/女
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