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山口 花 ブログ

はじめての本会議一般質問 「頑張る人が報われる、頑張れない人が救われる東京へ」

2026/6/17

6月17日、東京都議会第二定例会本会議一般質問に登壇しました。

当選後初の本会議登壇。国民民主党東京都議団を代表し、8つのテーマについて質問しました。常任委員会での質疑とは異なり、本会議の一般質問は知事や教育長をはじめ執行機関の長が直接答弁に立つ場です。頑張る人が報われ、頑張れない人が救われる東京をつくる、という視点から13分間質問を行いました。以下、やり取りの要旨です。

 

はじめに

練馬区選出、国民民主党東京都議団の山口花です。

私は18歳の時、鹿児島県から単身、東京に出てまいりました。閉ざされていた自分の世界に、新しい可能性を教えてくれたのが、この東京という都市でした。さまざまな絶望や困難の中にありながらも、たくさんの素晴らしい人や機会に出会い、そのおかげで今、こうしてこの場に立たせていただいております。

今この国には、社会的に明確に弱者とされずとも、頑張っても報われず苦しいと感じている人、みんなと同じように頑張りたくても叶わず、政治や行政にアクセスする方法すら分からないまま苦しんでいる人が、まだまだ多くいらっしゃいます。

「頑張る人が報われる、頑張れない人が救われる東京をつくる」という視点から、8つのテーマにわたって質問を致します。

 

① 国と都の協議会について

先般、「国と東京都の協議会」が設置され、本年4月 10 日、高市総理と小池知事のもとで初会合が開かれました。さらに4月 20 日には、片山財務大臣自らが都庁を訪れ、小池知事と直接会談する場も設けられました。財務大臣の都庁訪問は極めて異例のことであり、これまで「東京対地方」という対立構造で語られがちであった国と都の関係を、政策効果検証と再配分の議論を通じて、建設的な対話の場へと進化させる契機になるものと受け止めております。そもそも、地方への再配分が、地方の自立や成長にどの程度つながっているのか。その効果検証なくして、偏在是正ありきの議論は本質を見失います。

「東京を強くすること」と「日本全体を強くすること」を対立させることなく、東京発の政策モデルを、シームレスに全国へ実装していく。そうした視点こそが、求められているのではないでしょうか。行政府と立法府のトップ同士が、日本全体の成長戦略を直接議論できる場が設置された意義は、極めて大きいと考えます。

東京都として、今後この協議会を通じて東京・日本の成長にどのようにつなげていくのか、知事のご見解を伺います。

【知事答弁】
・我が国の成長のためには、首都東京がポテンシャルを最大限発揮していくことが不可欠
・国と東京都が協力し、グローバル都市「東京」の更なる発展に資する施策を展開していくことを目指し、協議会をキックオフ
・第一回の会合で国と都の戦略を整合させていくことについて共通認識を得た
・今後も、日本全体の持続的な成長に向け、協議会を通じた建設的な議論を進めていく

 

 

② 東京アプリについて

昨年2月リリースされた東京アプリですが、「東京アプリ生活応援事業」を契機として、これまでに640万を超えるダウンロード数を記録しており、「東京アプリ」というものの存在が、広く都民に周知がされ始めていることの証左であると受け止めています。

しかし、インストールされてもその利便性が十分に実感できなければ、利用が一時的なものにとどまり、アプリが継続的に活用されなくなってしまいます。現状も私の元にはPayPayへの通貨変換がいつできるのか、これは一体何をするためのアプリなのかといった意見が寄せられています。日常生活の中でアプリを「使う意味」を感じられる価値を提供していかなければ、この640万を超えるダウンロードも実態のない数字に変わってしまいます。都民が継続して使い続けたいと思えるサービスを提供するアプリへと進化させていくことが重要だと考えますが、都は今後この東京アプリの進化についてどのように取り組むのか見解を伺います。

【デジタルサービス局長答弁】
・都民がアプリを通じて便利になったと実感いただけるよう、サービスの機能拡充に取り組むことは重要
・まずは、スマホ1つで都立等の施設に入場できるデジタル都民証機能や、プッシュ型で情報配信できる機能を提供
・アプリを通じて利便性を享受いただけるよう、今後のサービス展開で示した取組を迅速かつ着実に推進

 

さらに、支援情報等を利用者に応じて最適に提供するプッシュ型支援実現のためには、アプリの利便性を高める基盤としてデータの整備が不可欠であると国民民主党都議団はこれまでも重ねて主張してきました。東京アプリを本格的に機能させるには、単なるポイントアプリとならないよう、Tokyo支援ナビのデータベースと連携させていくことが重要です。将来的には、都の情報だけでなく、区市町村も含めた支援情報を1つのデータベース上に取りまとめ、都民に必要な支援を確実に届けられるようにすべきであると考えます。都民サービスの基盤となるデータの整備・活用にどう取り組んでいくのか都の見解を伺います。

【デジタルサービス局長答弁】
・都民とのタッチポイントとなる東京アプリを通じ、一人ひとりのニーズに応じたサービスを届けるために、データの整備・活用を推進していくことが重要
・今年度は、各局と連携し、オンライン申請につながる支援情報等のデータベースの整備・充実を図る
・区市町村とも連携を図り、組織の垣根を越えたデータの共通利用を目指していく
・東京アプリのサービスを支えるデータ整備を着実に進めることで、必要な行政サービスが適切に届く都政の実現につなげていく

 

 

③ 東京都における「若者政策」

東京都はライフステージに応じた支援の枠組みを整えており、とりわけ子ども・子育て分野の政策は、今後子どもを生み育てる可能性がある世代の一人として希望が持てるものであると評価します。しかしながら現実では結婚や出産を望むことができる若者は減っており、その背景には様々な困難が存在しています。若者を取り巻くあらゆる困難は既存の「子ども・若者」施策の枠組みでは十分に捉えきれない性質のものです。

少子化対策が叫ばれる中、若者への投資は未来への投資です。国においても「こどもまんなか実行計画」のもと、困難が顕在化する前段階からの予防的・包括的支援の重要性が示されています。人口規模においても財政力においても、東京都だからこそ先駆けてできる「若者政策」の枠組みをつくることを提案します。

生活、医療、福祉、教育、就労、居場所といった多様な分野にまたがる若者の困難に対し、都はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

【都民安全本部長答弁】
・若者を取り巻く課題は多岐にわたることから、個々の状況に応じたきめ細かな対応が重要
・都は、「東京都子供・若者計画」を策定するとともに、関係局において様々な施策を展開
・区市町村や関係機関、民間団体がそれぞれの特性を生かしながら支援
・今後とも、社会経済状況や若者のニーズの変化を踏まえ、各主体が連携しながら、切れ目のない支援の充実に努める

 

 

④ コロナ禍を踏まえた教育現場での対応

2020年感染が広がり始めた春、私の大学の卒業式は中止になりました。感染者数は瞬く間に積み上がり、社会全体が手探りの対応を強いられました。当時、私は国会で働いていました。行政がいかに前例のない事態に翻弄されたか、その混乱の一端を間近で見ていたつもりです。そんな有事の中での子どもたちは無抵抗に機会や経験を奪われました。

大人は子どもに教育を受けさせる義務があり、子どもたちは教育を受ける権利を有しています。政治はあの子どもたちの機会損失の重さを「仕方ない」で片付けず、正面から受け止め、次なる有事に備える責任があります。

次なる有事の時、子どもたちはまた同じように犠牲になるのか。コロナ禍から何を学び、何を備えとして残せたのか。それを問うことが、あの時の子どもたちが奪われた時間を無駄にしないということだと考えています。

コロナ禍を経て、その教訓を公立学校においてどのように生かしているのか、都教育委員会の所見を伺います。

【教育長答弁】
・公立学校では臨時休業を契機にオンライン学習を進め、一人1台端末の導入を実現。様々なデジタル化を効果的に実施
・現在、学校では生成AIを使う学習やデジタル教材の活用が進展
・保護者への連絡のデジタル化が広がり、災害時にはリモートによる授業も実施

 

 

⑤ 内密出産について

現在、内密出産は、熊本・慈恵病院、そして都内では墨田区の賛育会病院など、一部医療機関の強い使命感と努力に依存しております。もちろん、法改正を要する論点もありますが、行政としての位置づけや支援が十分整理されているとは言い難い現状にあります。制度そのものの賛否を超えて、「生まれてくるすべての命を社会が歓迎する」という視点こそが、持続可能な社会の出発点であります。

児童虐待や乳児遺棄といった、最も避けねばならない事態を未然に防ぐ「予防的福祉」として、すべての母子を守る仕組みを構築することは、東京都の責務の一つではないでしょうか。すでに東京都が賛育会病院の事例について検証部会を設置されたことは大きな前進です。

その検証結果を踏まえ、国の制度化を待つだけではなく、東京都独自の支援モデルを構築すべきと考えますが、検証の進捗状況と本件についての都の見解を伺います。

※内密出産が都議会本会議で議題に上がったのは初

【福祉局長答弁】
・昨年三月、都内病院で内密出産等の取組が開始された
・現在も法令上の定めがなく、都は法体系の早期の明示を国に要望している
・母子の安全面の確保等を目的とした検証チームを設置しており、件数等の統計情報は今年度上半期に公表予定

 

 

⑥ 外国人材の定着について

都内の外国人労働者数は65万人を超え、10年前と比較し2倍以上となるなど、東京の都市機能は、すでに多くの外国人材によって支えられている現実があります。一方で、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れる「特定技能」1号の在留調査によると、5年間の在留期間経過後に7割程度の方が帰国しています。

企業からは、「スキルアップし、ようやくコミュニケーションが取れるようになってきたタイミングで帰国され、人が入れ替わってしまうのは困る」といった切実な声も届いています。専門技能を有する外国人材の職場定着に向けた支援について、都としてどのように取り組んでいるのか、見解を伺います。

【産業労働局長答弁】
・都内中小企業が外国人材の雇用継続を希望する場合に、人材の専門家による職場定着に向けた伴走支援を実施
・今年度は職場内での円滑なコミュニケーション手法を学ぶセミナーを実施するほか、特定技能2号への移行を希望する人材を有する企業へのコンサルティング支援の規模を拡充
・専門外国人材の職場定着と中小企業の事業継続を支えていく

また、地域の治安や安心のためにも、数を増やすことや新規入国ありきではなく、すでに東京にいる外国人が日本の文化や言語を理解し、地域社会の一員として長く共生できるよう体制を整えていくことが重要です。全ての人が地域で安心して暮らせるためには、日本語の教育など共生のための適切な支援を行うことが必要だと思いますが、都の見解を伺います。

【生活文化局長答弁】
・生活に必要なルールの周知や「やさしい日本語」の普及啓発など取組を展開。今年度は区市町村とも連携し、情報を届ける仕組みを構築、日本語教育を充実
・これらの取組を通じて、共生社会の実現につなげていく

 

 

⑦ 持続可能な都市農業について

都市農業は、高コスト構造や農地の狭小性といった構造的な制約のもと、収益性の確保が難しい経営環境に置かれており、常に都市化の圧力にさらされています。私の地元練馬区でも、こうした厳しい状況の中で営農を継続している農業者がいますが、農業所得のみで生計を維持することは難しく、営農面積の縮小や、相続を契機とした農地の売却を余儀なくされる可能性があるとの切実な声を耳にする機会が多いです。

このような現場の実情を踏まえ、どのように都市農業を守り、振興を図っていくのか、都の見解を伺います。

【産業労働局長答弁】
・東京の農地は新鮮な農産物の供給のみならず、環境や防災などの機能を持つ、貴重な財産
・農地を将来に引き継いでいくには農業を営む方々の経営を支えることが必要
・栽培施設への支援、普及指導員による経営改善の助言等を実施

 

その一方で、都の支援策を効果的に活用し、経営の高度化や販路の多角化等に取り組むことで、収益性の向上といった顕著な成果を上げている農業者も存在します。こうした先駆的な取組を広く発信することは、同様の悩みや課題を抱える農業者にとって有益な示唆となり、経営改善のチャンスとなり得るものと考えます。

厳しい経営環境の中にあっても、農業者が将来に希望を持ち、意欲的に営農を継続できるよう後押しすべきと考えますが、都の見解を伺います。

【産業労働局長答弁】
・農産物のブランド化や加工品の開発等を行った事例を普及指導や研修等の機会を通じて農業者に発信し、販売意欲を向上
・今年度から農業者がクラウドファンディングを活用する事例を紹介し、新たな取組をサポート
・これらにより、農業者の経営力を強化していく

 

 

⑧ 重度心身障がい児・者が地域で暮らすために

練馬区が独自の取り組みとして関係団体と進めていた三原台の重度心身障害者の地域生活支援拠点の整備について、昨今の建設費の高騰や人材確保の困難さなどにより、実施時期の見直しが行われていると聞いています。

この拠点整備の背景には、どんなに障害が重くても住み慣れた地域で暮らし続けたいと考える当事者の声が多く存在し、環境の整備が求められています。都は計画において、「障害の種別にかかわらず、また、どんなに障害が重くても、必要とするサービスを利用しながら、障害者本人が希望する地域で安心して暮らせる社会の実現を目指す」としているが、今後どのように取り組んでいくのか見解を伺います。

【福祉局長答弁】
・重症心身障害児者が地域で安心して生活するには、在宅支援サービスなどの充実を図ることが必要
・生活介護など日中活動の場である通所施設の整備を促進するとともに、医療型短期入所の拡充に向けて人員配置や医療機器の整備に対する支援を実施
・次期障害者・障害児施策推進計画の策定にあたり、区市町村や当事者団体等の意見も聴きながら、必要な施策を検討

医療的ケア児支援法により、児童期の支援は整備されつつありますが、18歳以上の成人期における医療的ケアを必要とする障害者の支援については、法律上の言及はあるものの実態として制度の空白が生じており、十分な体制が整っていません。東京都福祉計画の中でも、医療的ケアを必要とする方への切れ目のないサービスの提供や、入所施設の必要性を明記していただくことを要望します。

 

 

さいごに

東京都は、国をもリードする財政力と機動力を持つ都市です。だからこそ、先頭に立って取り組まなければならないことがある。日本全体を牽引する都市として、まだまだできることがあると信じております。

頑張る人が報われ、頑張ることがかなわない人もまた救われる。

すべての人が、明日も生きていきたいと思える社会をつくるために、引き続き全力で取り組むことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。

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著者

山口 花

山口 花

選挙 東京都議会議員選挙 (2025/06/22) [当選] 29,810 票
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