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初代財務長官アレクサンダー・ハミルトン

2026/5/9

米国超大国の原点、そして日本のルーツ 〜ハミルトン『製造業に関する報告書』の衝撃〜

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

アダム・スミスが『国富論』で自由貿易を説いていた頃、建国間もないアメリカで「国家が経済を主導し、産業を育てるべきだ」と喝破した政治家がいました。初代財務長官アレクサンダー・ハミルトンです。彼の遺した『製造業に関する報告書』は、後のアメリカを世界覇権国へと押し上げ、さらには明治日本の「殖産興業」の決定的なモデルとなりました。


1. 農業国家からの脱却:ハミルトンの国家戦略

当時のアメリカは、イギリスから工業製品を輸入し、農産物を輸出する典型的な農業国でした。ハミルトンは、この依存関係を「国家の脆弱性」と見なしました。国防を強化し、国家を真に自立させるためには、自前で物を作る「製造業」の育成が不可欠だと確信したのです。

対立したトマス・ジェファーソンが「清らかな農民による理想国家」を夢見たのに対し、ハミルトンは「工業化による強い国家」を描きました。この「農業vs工業」の論争が、アメリカの運命を決定づけました。

2. 現代にも通じる「産業政策」のパッケージ

ハミルトンが提案した政策は、驚くほど現代的です。彼は単に自由を説くのではなく、国家が明確な意思を持って市場に介入することを求めました。

  • 保護関税:海外の安価な製品から、未熟な自国産業を守る。
  • 補助金:戦略的な分野に対し、政府が直接資金を支援する。
  • 特許と移民:技術者の発明を守り、海外から高度な人材を呼び込む。
  • インフラ整備:道路や運河を整え、国内市場を繋ぐ。

これこそが、国を豊かにするための「産業政策」の原点です。

3. 実は「ハミルトン型」だった明治日本

ハミルトンの思想はドイツの経済学者フリードリヒ・リストへと受け継がれ、そして明治維新後の日本へと辿り着きます。 明治政府が掲げた「殖産興業」、富岡製糸場に代表される「官営工場」、そして「関税自主権の回復」。これらは、アダム・スミス流の自由放任ではなく、まさにハミルトン流の「国家主導の工業化」そのものでした。

思想の系譜 主な人物 特徴
イギリス流(自由主義) アダム・スミス 自由貿易、小さな政府、市場に任せる
ハミルトン流(国民経済) ハミルトン、リスト 産業育成、保護関税、政府が主導
明治日本 大久保利通など 殖産興業、官営模範工場の設立

4. まとめ:自立した日本を創るための知恵

現代の日本は、「自由貿易」という看板の下で、製造業の空洞化やエネルギー・食料の海外依存という、建国当時のアメリカが抱えていたのと同じリスクに直面しています。

「国家がどの産業を守り、どの技術を育てるのか」という意志。
ハミルトンが示したこの問いは、グローバル資本主義の荒波の中で日本がどう生き残るかを考える上で、避けては通れないものです。私たちはスミスの「見えざる手」を信じる一方で、ハミルトンの「国家を創る意志」を思い出すべき時ではないでしょうか。高槻の地、そしてこの国全体の「稼ぐ力」を再定義するために、私は歴史に学んだ力強い産業政策を追求してまいります。

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

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