2023/2/1
東大の基本構想に関しては余談があります。実は当初東大はキャンパス内にホテルを作ろうとしていたのです。それも単なるホテルではなく外資系の5つ★級の高級ホテルです。なぜそんなことを考えたのでしょうか。
昔東大の事務の偉い人から聞いた話です。東京で学会をやる場合に東大の先生方は多くかかわるわけですが、東大のキャンパスに誰も来てくれないことが悩みだといいます。学会はホールなどを備えた大型のホテルで開かれますが、そういったホテルは文京区にはほぼありません。地理的に距離があるとどうしても東大まで足を運んでくれる人が減ってしまうそうです。世界各国がホテル、展示場、カジノなどを組み合わせて近距離でいろいろと体験できる施設(MICE)を作っているのはそういうわけがあるんですね。
そんなわけで東大としてはキャンパスの土地を提供する代わりにホテルを誘致することを計画していました。①で書いた規制緩和の一つに盛り込もうとしていたようです。ホテルですから学会で来た人以外も当然泊まれます。椿山荘がフォーシーズンズを返上してしまったいま、外資系高級ホテルは一軒もありません。貴重な区内の高級外資系ホテルになったかもしれません。
しかし、よく考えると文京区にホテルが少ないのには理由があります。そしてそれには東大自身が深くかかわっているのです。もともと区内には、特に本郷には旅館が多数ありました。

しかし、旅館業もいまは残りが少なくなりました。これは都市計画によって新規の建設ができない場所が多いからです。特に東大本郷キャンパスの周辺は「文教地区」に指定されています。文教地区にはホテル・旅館は建てられません。
東大があるからホテル・旅館が建てられないのに、東大がホテルを欲しがるとは矛盾している。こういう指摘があったようです。結果的に東大はこの構想をひっこめたようで、基本構想にも載りませんでした。
地下鉄の駅ごとにアパホテルがあるような区もある半面、文京区は宿泊施設が少なくて不便だなあと思うこともあります。しかしそれには理由があったんですね。
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