2025/3/13
中学校の英語教育については混乱の状態にあると思います。国の方針を忠実に守っていたら(時間数を大幅にふやさない限り)まともな英語教育はできないのではないでしょうか。ギリギリのラインでいい解決策がないかなと思っていますが、現実はなかなか難しい。教育長の答弁もかみ合っていません。
【依田】
中学校の英語教育についてお聞きします。小学校で英語が教科となるなど英語教育の早期化が進んでいます。結果的に中学校の英語も大幅に難化しています。従来1200語程度だった必須単語数は1600~1800語となりました。しかも小学校で600~700語を学んだ前提でです。リスニングやスピーキングといった音声でのコミュニケーションも大幅に強化されてきました。グローバル化が進む中、従来の読み書き中心からコミュニケーション中心の英語へと国の方針は勇ましい限りです。
しかし実際は国の目指す英語教育と現場のギャップは広がるばかりです。例えば学習指導要領上は、小学校で600~700語の単語を覚え、英文法も最低限のものは学んでから中学に上がる前提となっています。しかし現実には小学校の英語は高学年でも週2時間で読み書きもあまりなく、「遊びのようなもの」ととらえる児童がほとんど。中学での本格的な英語教育への橋渡しの役割を果たせているとはいいがたい状況です。
中学のカリキュラムは、その現実を踏まえず、最初からかなり高度な英語教育がスタートします。たとえば我が区が採用した光村図書の英語教科書「Here We Go!」をみると、パート1からbe動詞と一般動詞の両方が混じった会話文が出てきます。パート3では「できる」の意味のcanを使った文章が出てくるなど一昔前からは信じられないほど進みが早いことに気づきます。また必ずリスニングやスピーキングのコーナーが設けられているなど読む書く聞く話すの4技能を伸ばすという方針に従った教科書のつくりとなっています。半面、文法の説明は最小限となっています。同教科書では27種類の人称代名詞の説明も、8種類の疑問詞の説明もそれぞれ1ページ未満にまとめられています。過去形の説明はbe動詞と一般動詞を合わせて1ページです。そもそも170ページ以上ある中一の教科書の中で文法のページは7ページしかありません。聞いたり話したりも大事ですが、文法や単語の習得なくして応用はままなりません。同じ出版社が出している紙の教科書準拠のデジタル教科書もありますが、主にリスニングやスピーキング方面の学習を拡張するものにとどまっています。
こうした状況下で、学生はどのように英語を身につけていけるのでしょうか。大変不安を感じます。教科書を見ている限りでは体系だった英語の学習が可能なようにはとてもみえないからです。高校入試では結局は長文を読みこなせなければ点数は取れないのに、このような学習で大丈夫なのでしょうか。文京区の学生は全体としては優秀ですから、塾なども含めたトータルの学習でつじつまを合わせている学生が多いと思います。しかし普通の学力の子が学校中心の学習をしている限り、何から手を付けていいのかわからず英語に苦手意識を持ってしまうのではないでしょうか。
こうした国の英語教育の「理想」と「現実」の乖離は教育現場からも多くの批判が出ています。私も何人もの先生から聞いております。 教育長は海外勤務もされるなど英語の重要性についてはよく認識されていると存じておりますが、高い理想に対して現実が追い付いていない状況についてどのようにお考えでしょうか。そしてどのような方法を使えば真に英語力を高めていくことができるとお考えでしょうか。現場の先生方もご苦労されていることと思います。各自が独自に教材を作り、文法学習の不足を補っているという話も聞きます。ただそれを各先生方に丸投げしてしまっていいのか疑問もあります。例えば文法や単語などを中心にした区独自の副教材やワークシートを作ってみたらどうでしょうか。そうすれば各校が授業でも活用できますし、誰でも安価に自学自習を進めることもできます。取り組みが話題になれば国の英語教育の在り方に一石を投じることもできるかもしれません。これはあるベテランの先生がおっしゃっていたことでもあります。区のお考えをお聞かせください。
【丹羽教育長】
中学校英語教育についてのお尋ねですが、学習指導要領では、「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の4技能の総合的な指導を通して、これらを活用できるコミュニケーション能力を育むことが重要とされております。本区においては、外国人英語指導員の長時間配置により、生徒が実際に英語を使う機会を増やすとともに、実用英語技能検定受検料の補助等を通して、学習意欲と英語力の向上に努めております。また、副教材やワークシートについては、区で一律に作成するのではなく、各学校が生徒の実態や習熟度に合わせて選択・作成しております。今後も児童・生徒の学習意欲と英語力の向上に努め、グローバル社会で必要とされる能力の育成を図ってまいります。
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