2025/3/11
昨日に続いて2月定例議会の一般質問と答弁です。「内申点への正しい知識の普及と学校間格差の是正について」です。これも長いですが、省略せずに全文掲載します。
【依田】
中学校の調査書についての区民の不安についてお尋ねします。我が区は都内でも特に中学受験が盛んな区として知られています。教育熱心なご家庭が多く、子供に中高一貫校で6年間一貫した教育を受けさせたいというのが最大の理由と思います。ただ近年の中学受験の過熱に関しては区立中学や高校受験への漠然とした不安感があることも否めません。その中心的なものが調査書、すなわち内申点への不安です。
都立高校の一般入試は内申点が約3割となっています。この内申点の採点基準への不信が、子供の実力が入試にしっかりと反映されないのではないかという保護者の不安につながっています。かねて英数国社理以外の実技科目である音楽・美術・技術家庭・保健体育の4科目の内申点が2倍に換算されることなどへの批判はあり、私が所属する都民ファーストの会も都議会において内申点の比率の引き下げや、不登校生徒への配慮などを求めてまいりました。そうした入試改革は都政に委ねますが、区としても根拠のない内申点への不安解消に努めていくことは、区内の児童・生徒のより良い学びにつながると考えます。
保護者の内申点への不安は、自分の子は素直なタイプではないので点数が付きづらいのではないかという思いや、先生の主観によって点数が変わってしまうのではないかといったものがあります。ただそもそも内申点は絶対評価になってからかなりの年月が経ちます。本来はクラスメイトとの競争ではないわけです。その証拠に東京都の調査によると文京区の中学生の内申点は他の自治体と比べて高くなっています。例えば2023年末時点の中学3年生の数学を見ると、調査対象が40人未満で調査から外れた2校を除く8校のうち7校では内申点5を取った生徒の割合が15%以上いました。それに対して足立区は33校中5校です。いかに文京区の中学生が優秀で、それが点数に表れているかわかると思います。
また各校では生徒に対して定期的に内申点の評価方法について説明をしており、日ごろの授業への取り組みや小テスト、提出物や定期テスト、実技試験などを教科ごとの評価基準に基づいてしているということを伝えています。それらの達成率が何%であれば内申点が何になるかということも明らかにしています。
ただしこうした情報は基本的には区立中学生とその保護者にしか明らかにされていません。共通の評価基準を前提としつつも、学校間で教科別にある程度独自性のある評価ポイントを作って点数をつけているという実情もあります。しかし外部からみて文京区における内申点のつけかたについてわかりやすい資料がないことは問題だと考えます。区として各学校が作っている説明資料を一般公開するお考えはありませんか。各学校ごとの資料の公開が難しいというなら、区として共通する考え方や実情について一般向けの資料をつくって公開するのはどうでしょうか。それにより少しでも内申点への理解が深まり、偏見が是正されるならば、中学受験一本やりではない各自のより良い学びにつながるのではないでしょうか。区の考えを教えてください。
さて、ここまで内申点への偏見を正すと言ってきて若干矛盾するのですが、区立中学の生徒や保護者からは内申点の取りやすさの「学校間格差」についての不満が聞かれます。絶対評価ですから、提出物やテストなどを合わせて達成率が80%なら内申点が4になるのは共通なのですが、その80%を達成する難易度が学校によって違うというのです。
具体的には定期テストの難易度の違いです。同じ学年、学期の同じ科目のテストでも難易度には結構な差があります。質問のリアリティを重視するため、あえて具体名を出しますが、音羽中学校の場合、距離的には近隣にある豊島区立の中学校や文京区の第一中学校と英語の定期テストを比較すると、音羽中学校の方が明らかに難易度が高いという現象が起きています。これは長年中学生を指導してきた地元の塾の先生が言うことですから信憑性があります。またこの件は直近のテストに限らないということを付け加えておきます。他の科目でも音羽中の問題はひとひねりあってやはり点は取りにくいと聞きます。
確かに音羽中学は難関都立高校への進学実績では第六中学校などと並び都内で5本の指に入ると言われております。それだけ優秀な生徒が集まり、習熟度別クラスの上位ではかなり難易度の高い授業が行われています。音羽中で頑張れば高校の授業が楽に感じるという意味で先生方は「音羽貯金」という表現も使うそうです。
ただ優秀な生徒に合わせようとするためかテストも難しくしがち。結果的に学区内に住む「普通」の子どもが音羽中に入学すると内申点で苦労するということになってしまいます。「内申点が取りにくい学校」への不満はこの場にいる区議の皆さんなら誰もが聞いたことはあるのではないでしょうか。そんなことないよと言いたいところですが、現実を見せつけられるとこの思いが揺らいできます。いくら優秀な子が多いと言っても、区立中学は義務教育ですから「上に合わせる」教育もほどほどにしないといけません。高校教育の無償化により私立高校の人気が高まる中、普通の子にとって内申点の重要性は増しているのですからなおさらです。
先ほど出した例はあくまで一例で、このような学校間格差は他の中学校にもある可能性があります。区はこのような生徒、保護者の不満を把握していますか。確かに区は全体として内申点の分布に極端な差が出ていないかのチェックはしていると思いますが、それは統計的な分析にとどまるのではないでしょうか。具体的にテストの中身までをチェックしてはいないと思います。実際に明確な格差があれば、内申制度への信頼も揺らぎます。こうしたテストの難易度の違いについて調査していただき、大きな差があるならば是正すべきだと考えますが、区の考えをお聞かせください。
【教育長】
調査書点についてのお尋ねですが、都内の高等学校入学者選抜において使われる「調査書点」については、都教育委員会が作成したパンフレットや資料等を生徒と保護者に配付するとともに公開しております。また、区立中学校では、生徒及び保護者に対し、進路説明会を開催し、調査書点を含む学習評価について丁寧に説明をしております。そのため、新たに区として一律の資料を作成する予定はございません。
次に、定期考査の内容の違いについてのお尋ねですが、学習指導要領に示された目標を達成するための年間指導計画や単元計画に各学校の特色があり、定期考査の内容には違いがあります。このことについては課題としてとらえておりません。また、学習内容や学習評価・評定、定期考査に関する保護者からの問い合わせに関しては、各学校において丁寧に説明しています。生徒・保護者、地域を含めた学校関係者のご意見は、公開授業後のアンケートや学校関係者評価等から把握しております。
【感想】
答弁が全くかみ合っていません。内申点について、すでに区立中学に通っているor通うことを決めた家庭についての説明は十分足りているのは知っています。その前段階で、内申点を不安に思う家庭について広く制度を周知しろと言っているのです。こんなにわかりやすく書いたのになぜこの答弁になるのやら。ちなみに東京都が内申制度全般についてパンフレットを作っているというのは全くの虚偽なので、この点は折を見て追及していきます。内申点がどのように入試に使われる仕組みなのかについての解説しかありません。
学校ごとのテストの難易度の違いは問題視しない、調査しないとはっきり述べました。事例として音羽中を出しましたが、他のいくつかの学校も含めて生徒や保護者から不満が大きいところです。この質問が少しでも現場の「行きすぎ」へのけん制になればいいのですが。
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