2026/6/11
釧路市議会議員の木村はやとです。
昨日(2026年6月10日)、千葉県鴨川市のメガソーラー問題に関する続報が報じられました。
違法な森林伐採が発覚してから約8カ月。一部で植林が進む一方、工事再開には「年単位の時間がかかる」と行政が明言したというニュースです。
「植樹をする」
釧路湿原のメガソーラー問題でも、事業者は同じようなことを言いました。木を植えれば、元に戻る。そういう話のように聞こえます。
でも、本当にそうでしょうか。鴨川の最新の動きが、その答えを示しています。
鴨川では、植林を認めた7カ所でコナラやヤブツバキなど約550本が植えられました。しかし県は、それをもって「復旧完了」とは言いませんでした。
「今後、順調に生育し定着するかを見守る」
この一言に、すべてが込められています。
木を植えることはスタートラインに過ぎない。その木が根を張り、森として機能し始めて、はじめて復旧と呼べる。そう県は判断したのです。工事再開の見通しについて担当者は「年単位の時間がかかる」と明言しました。
考えてみれば、当たり前のことです。
樹齢何十年もの木々が伐採された場所に、苗木を植えても、翌日から同じ森になるわけではありません。土壌が回復するのに時間がかかります。木陰ができるまで時間がかかります。そこに虫が戻り、鳥が戻り、生態系が再び動き始めるまで、さらに時間がかかります。
鴨川でさえ、急峻な地形の残り6カ所は「植林が簡単ではない」として、早くても秋以降にしか植林に入れないとされています。植えることすら、まだできていない場所があるのです。
釧路の問題は、鴨川よりはるかに深刻です。
伐採されたのは、タンチョウ・オジロワシ・チュウヒが生息する釧路湿原です。これらは天然記念物であり、絶滅危惧種です。その生息環境が失われたとき、「木を植えれば元に戻る」という論理は通用しません。
タンチョウが巣をつくれる環境、オジロワシが餌を探せる湿地、チュウヒが繁殖できる葦原。それぞれに必要な条件があります。苗木を100本植えても、明日からそこに戻ってくるわけではない。
だからこそ私は問いたいのです。
北海道・釧路市は、「何をもって復旧完了とするのか」を、明確に示しているでしょうか。
事業者は投資回収のために、一日でも早く工事を再開したい。その気持ちはわかります。しかし基準が曖昧なままでは、「植林しました」という既成事実だけが積み上がり、気づけば工事が再開されていた、ということになりかねません。
鴨川の千葉県が昨日改めて示したのは、そうさせない姿勢でした。
この三点が揃って初めて、行政が自然環境を本気で守る気があると市民は信頼できます。
釧路市議会議員として、私は北海道・釧路市に対してこの点を強く求めていきます。
「植林完了=復旧完了」ではないという基準を、明文化してほしい。
具体的には、希少生物の生息が回復したことを専門家が確認するまで、工事再開を認めない。その基準を、行政が責任を持って対外的に示す。
釧路湿原は、一度壊せば取り返しのつかない場所です。苗木が育つよりも、タンチョウが戻るよりも、失われた信頼を取り戻す方がずっと難しい。
鴨川の教訓は、昨日のニュースとして今も更新され続けています。「木を植えました」の一言で幕引きにさせない。それが、今私たちにできる最低限のことだと思っています。
参考:千葉日報「鴨川メガソーラー問題、違反伐採地の一部で植林実施」(2026年6月10日)/HTB北海道テレビ「釧路湿原"メガソーラー問題"」(2025年9月17日)

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キムラ ハヤト/44歳/男
ホーム>政党・政治家>木村 はやと (キムラ ハヤト)>「木を植えました」では終わらない―鴨川の基準が示すこと