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【多摩市】人口は5年間で5,715人減。国勢調査速報から考える、これからのまちづくり

2026/6/26

多摩市政に挑戦予定の保坂ゆうまです。

5月29日、総務省統計局は令和7年国勢調査の人口速報集計を公表し、東京都も都内の人口及び世帯数の速報を公表しました。国勢調査は5年に一度、日本に住む人と世帯の実態を把握する国の重要な統計調査です。

医療、福祉、子育て、交通、防災、都市計画、公共施設など、これからの多摩市政を考える上での重要な基礎資料になります。

今回の記事では、令和7年国勢調査の人口速報値と、令和2年国勢調査の確定値を比較します。いずれも10月1日現在の常住人口です。なお、今回公表された令和7年の数値は速報値です。東京都の速報値は区市町村から提出された要計表を東京都が集計したものです。

人口・世帯数の確定値を含む「人口等基本集計」は令和8年9月までに、就業状況などを含む「就業状態等基本集計」は令和9年3月までに、総務省統計局から順次公表される予定です。

東京都全体は増加。一方で市部は初の人口減少

東京都全体の人口は、令和2年から令和7年にかけて増加しました。

しかし、内訳を見ると、23区では人口が増える一方、東京都市部では今回初めて人口が減少しました。

地域令和2年令和7年速報増減数増減率
東京都全体14,047,594人14,246,219人+198,625人+1.41%
23区9,733,276人9,953,160人+219,884人+2.26%
東京都市部4,234,381人4,217,852人△16,529人△0.39%
多摩市146,951人141,236人△5,715人△3.89%

出典:東京都総務局統計部「令和7年国勢調査 人口及び世帯数(速報)」

東京都全体が増えているからといって、東京都市部も同じように人口を維持・増加できているわけではありません。

多摩市は5年間で5,715人減少し、減少率は東京都市部で最も大きい結果となりました。減少数で見ても、町田市に次いで市部で2番目に大きい減少です。

この数字だけで、すべてを悲観する必要はありません。しかし、人口減少や世帯構成の変化を前提に、これからの市政を考える必要があることは明らかです。

周辺自治体との比較で見えてくること

多摩市周辺の主な自治体を見ると、人口動向には差があります。

自治体令和2年令和7年速報増減数増減率
多摩市146,951人141,236人△5,715人△3.89%
八王子市579,355人574,087人△5,268人△0.91%
町田市431,079人420,962人△10,117人△2.35%
府中市262,790人263,172人+382人+0.15%
調布市242,614人245,536人+2,922人+1.20%

出典:東京都総務局統計部「令和7年国勢調査 人口及び世帯数(速報)」

八王子市、町田市、多摩市では人口が減少する一方、府中市や調布市では増加しています。人口の動きは、住宅供給、駅へのアクセス、都心との距離、子育て環境、医療、買い物、働く場、転出入など多くの要因が重なって生まれます。

今回公表された速報値だけで、その理由を断定することはできません。ただし、同じ東京都市部でも結果に差が出ていることは、率直に受け止める必要があります。

人口が減っても、行政需要は単純には減らない

重要なのは、人口だけではありません。東京都市部では、人口が0.39%減少する一方、世帯数は2.96%増加しました。

1世帯当たりの人員も、令和2年の2.14人から、令和7年には2.07人へ減少しています。

人口が減っても世帯数は増え、世帯規模は小さくなっています。医療、介護、見守り、子育て、地域交通、防災など、行政に求められる役割が単純に減るわけではありません。むしろ一人ひとり、一世帯ごとの事情に応じた、きめ細かな支援や地域の仕組みが求められていきます。

人口減少を理由に一律にサービスを縮小するのではなく、これからの人口・世帯構成に合わせて、必要なところへ重点的に投資する発想が必要です。

多摩市が重視すべき4つの視点

私は、これからの多摩市に必要なのは、次の4つだと考えます。

1.駅周辺を暮らしの拠点として再構築する

永山、多摩センター、聖蹟桜ヶ丘、唐木田などの駅周辺に、医療、買い物、行政、子育て、交流などの機能を集めること。駅を単なる通過点ではなく、日常生活を支える拠点として再構築していく必要があります。特に永山駅周辺は、日本医科大学多摩永山病院、商業施設、公共施設、住宅地、バス交通など、多摩市の暮らしを支える重要な機能が集まる地域です。

2.交通と医療へのアクセスを一体で考える

高齢化が進む中でバス路線の維持、運転手不足、坂道の多い地域での移動、病院や買い物先へのアクセスはより大きな課題になります。

「駅は近いのに、駅までが遠い」「病院はあるのに、通う手段が不安」

こうした課題を減らすため既存の公共交通を守りながら、ラストワンマイル対策や自動運転バスなども含め、新しい地域交通を検討する必要があります。

3.若い世代と現役世代に選ばれるまちにする

人口減少時代に必要なのは、単に人口を増やすことだけではありません。若い世代、子育て世代、働く世代に、

「多摩市に住み続けたい」
「多摩市で子育てしたい」
「多摩市で働きながら暮らしたい」

と思っていただける環境をつくることです。子育て、教育、医療、交通、住環境に加え、働く場所を増やすことも重要です。

南多摩尾根幹線道路沿道などを活かした企業誘致、職住近接、地域経済の活性化を進め、多摩市で働き、多摩市で暮らせる循環をつくるべきです。

4.公共施設とインフラを人口構造に合わせて更新する

人口構造が変われば、必要な公共施設、道路、橋、上下水道、公園、学校、福祉施設のあり方も変わります。今あるものをただ維持するのではなく、これからの人口・世帯構成に合わせて、更新、複合化、長寿命化、再配置を進める必要があります。

限られた財源を、市民生活に本当に必要な分野へ重点的に配分する。

それが、人口減少時代の自治体経営に求められる姿勢だと考えます。

数字を、次の一手につなげる

国勢調査の結果は、まちの未来を映す鏡です。人口を増やすことだけが目的ではありません。

今住んでいる皆さまが安心して暮らし続けられること。

若い世代や子育て世代に、多摩市を選びたいと思っていただけること。

そして、人口構造の変化に耐えられる都市基盤を整えること。

その積み重ねが、多摩市の未来をつくると考えます。国勢調査の速報を、単なる数字の報告で終わらせない。数字を市民生活の言葉に翻訳し、具体的な政策へつなげる。

私はこれからも、現実を直視しながら、多摩市の未来に必要な提案を続けてまいります。

もっとまあるく、温かくて豊かな多摩市へ!

【参考資料】

総務省統計局「令和7年国勢調査 調査の結果」

総務省統計局「令和7年国勢調査の集計体系及び結果の公表・提供等一覧」

東京都総務局統計部「令和7年国勢調査 人口及び世帯数(速報)」

東京都総務局統計部「令和7年国勢調査 人口及び世帯数(速報) 公表概要」

東京都総務局統計部「令和7年国勢調査 人口及び世帯数(速報) 調査結果の概説」

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