2025/3/17
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
いま、子どもから大人まで“食物アレルギー”が急増しています。
アレルギー自体が増加していることはわかっていましたが、それにしても食物アレルギーの増加割合が大きいのはなぜだろう。そんな不思議さを一緒に探っていきましょう。
■ アレルギーと寄生虫
1970年頃から清潔志向が強くなり、細菌・ウィルス感染、特に寄生虫の感染率が大幅に低下しました。
一方で、アトピーやアレルギーのような疾患が増加しています。1963年、スギ花粉症が日光市にて初めて見つかったのは、回虫感染率が5%に低下した時期だったそうです。

自動車や工場による大気汚染も要因とされていましたが、汚染が改善されても減ることはなく増え続けています。
特に食物アレルギーは、増加率が最も高いですね。また、頻度として小さいですが、アナフィラキシー(急激な状態悪化)も大きく増加しています。

平成26年(2014年)のデータですが、現在ではもっと増加していることが予想できます。

治療として食物経口負荷試験というものがあります。
点数化もされており、保険医療として成り立っています。役割としては正しいのですが、これは生き物として本当に自然な姿なのだろうか…

かといって、寄生虫を飼うのもちょっと気が引けますよね…。
ただ、アレルギーが増えた要因はそれだけはないこともわかってきています。あまりにリスクを回避することが逆に良くないという例を紹介していきます。
■ とある論文が話題に
2015年、the New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載された研究報告です。
タイトル:ピーナッツアレルギーのリスクを有する乳児におけるピーナッツ摂取の無作為化試験
結論は、アレルゲン(ピーナッツ)を避けた方がアレルギー発症率が上がったというものでした。
(背景)
西洋諸国では、小児におけるピーナッツアレルギーの有病率が過去 10 年で倍増。
(方法)
重症湿疹,卵アレルギー,またはその両方を有する乳児 640 例(生後 60 ヵ月まで)
➡ピーナッツを摂取する群
➡摂取を回避する群
無作為に分ける。
(結果)
ピーナッツアレルギー有病率
事前のアレルギーテスト:陰性530例
摂取群:1.9%
回避群:13.7%
事前のアレルギーテスト:陽性98例
摂取群:10.6%
回避群:35.3%
重篤な有害事象の発現率に群間で有意差なし。
摂取群では、ピーナッツ特異的 IgG4 抗体価が上昇。
回避群では、ピーナッツ特異的 IgE 抗体価の上昇。
IgG4は免疫を抑制する(=アレルギー反応を起こさない)方向に動くとされます。
この結果から言えることは、過剰な回避行為はアレルギー発症に逆効果ということです。最近はアレルギー検査も簡単に、かつ詳細わかるようなRAST検査があります。これ自体は良いのですが、アレルギーだからとすぐに回避してしまうことは逆効果なのです。
それは検査する側も伝えているようですが・・・。
検査などせず、知らなければ食べていた可能性もありますね。結果的に、それが自然であり正解でした。食べて調子悪くなるものは、おのずから少ししか食べることをしなかったと思われます。でも、”少しでも口にする”ということがとても大切でした。
■ 生活習慣がアレルギーを悪化させる
Daily Lifestyle and Inflammatory Skin Diseases(2021年)という論文があります。
過剰なエネルギー摂取、喫煙、飲酒による肥満が炎症性皮膚疾患の発症に寄与していることはあまり注目されていない。グルテンや小麦タンパク質、喫煙や飲酒、睡眠障害、肥満はヘルパーT(Th)1/Th2/Th17免疫応答を促進し、食物繊維やオメガ3脂肪酸は炎症性サイトカイン産生を負に制御する。
つまり、日常生活がアトピー性皮膚炎に影響していることを論じています。こどもにとっては、飲酒や喫煙は関係ありませんから、避けられるべきは小麦やグルテン、過剰なエネルギー摂取ということになります。こういった所見によって、パンなどの小麦製品はアレルギーにとってあまり良くないのではないかと言われています。
■ 抗生剤の影響
加えて、腸内細菌の減少もあります。
こちら論文(リンク)では、アレルギー性疾患が増え続けている一方で、腸内細菌の数は半分以下に減っているとされています。この根拠は見つけられなかったのですが、抗生剤処方の増加(2013年以前のデータがない)、肉食中心の食生活への変化が腸内細菌に影響しているそうです。
特に、抗生剤は、本当に気軽に処方されていると実感します。少しの喉の痛みで処方されることもあります。最近は、耐性菌の問題もあって適正使用を求めるアクションがなされてはいますが…。
データ上、効果なく、そこまでの減少はありません。ただし、小児だけのデータを見つけられませんでした。

論文によれば、生まれて1年以内に、より多様な細菌を取り込むことが大切とのこと。
しかも善玉菌(ビフィズス菌など)だけではダメようです。かと言って病原性になるものも良くない。つまりチョイ悪い菌でないと免疫が活性・発達しないとのこと。”チョイ悪おやじ”が流行したのも必然だったのか・・・
それが土壌菌。つまり土に触れることが大切だそうです。
これは学術的にも言われており、2019年の論文には、以下の記載がありました。
(参照:wired記事)
学術誌「Psychopharmacology」で発表された論文によると、土壌に生息する腐生性細菌(Mycobacterium vaccae)には、抗炎症、免疫調節、およびストレス耐性の性質があることがわかった。
このような細菌に幼いころから触れることは重要なようです。
これらを踏まえると、幼児期から自然なところで遊ばせる保育園や幼稚園に一定の理があることがわかります。一般的に3歳までに腸内細菌の種類が大方決まると言われ、その後の食事でも変化するようですが大きくは変わらないようです。
■ 腸内細菌とアレルギー
腸内細菌とアレルギーの関係は、長い間研究はされていると思われます。しかし、最近のアレルギー回避の給食などを見ていると、それとは正反対な方向に、社会が動いているようにも感じます。
こうした結果、貧弱な腸内細菌のグループ(腸内フローラとも呼びます)になってしまうと、小腸にスキマのようなものができてしまい、異物が容易に体内に入りやすくなります。それが食物アレルギーのような全身性の反応を引き起こしている、いわゆるリーキーガット症候群とも呼ばれていますね。腸内フローラの貧弱さと、精神症状(うつ傾向など)に関わっているとも言われています。
人間の体はまだまだ未知なことだらけってことです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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