長田 たくや ブログ

長崎大学のBSL4研究施設 【エボラウイルス】

2025/1/28

こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
先日、長崎大学にエボラウイルスを研究できるBSL4施設への「ウイルス持ち込み許可」が厚労省から承認された、というニュースがありました。この件について深堀します。


ニュースはこちら

目次
・前置き:全体と議会の動き
・BSLとは
・エボラウイルスとは
・大学と住民との説明会の様子


■ コロナ禍の傷が癒えぬまま
不作為なコロナ対応により、政府への信頼度は今も低空飛行を続けています。そんな時、「こんな研究施設を市内に建てるなんて!」と嫌な気持ちになりますね。せっかくであれば離島や過疎地域に建設すれば、地域振興や安全保障の観点でも意義があるのではないでしょうか。

むしろ最先端の研究ができることに喜びを見出しているような純粋な研究者であれば、交通の便など気にせずに没頭してほしい。
とはいえ、どのような経緯だったのか、と少し調べてみました。

■ 長崎市議会の判断
そもそも、この構想は突然出てきたものではなく、2006年から検討が始まり、2010年から地域住民への説明が行われてきました。地域の方にとっては「地元に危険な施設が来る」という話ですから、反対の声が出るのは当然でしょう。

後半に、その説明会の様子を紹介します(地域連絡協議会令和2年)(長崎大学の説明資料)。

大学ホームページとgoogle mapより

一方で、市議会の議事録を見ると「研究室ができることで製薬会社の誘致が進む」「研究者や関係者が長崎に訪れる」「最先端の研究拠点と誇れる」といったウェルカム!万歳の声が多く見られます(➡おいおい)

もちろん当初は反対の声もありましたが、令和2年頃には前向きな意見が目立ちました。
だって市民の請願を蹴るぐらいですからね。

平成26年11月定例会の議決結果 長崎市

■ BSLとは
Biosafety Level(生物学的安全性レベル)は、細菌・ウイルスなどを取り扱う実験施設の安全基準を示すもので、レベルが1~4に区分されます。BSL4施設とは、もっとも高いレベルの安全基準や安全管理体制が取られ、エボラウイルスや、ラッサ熱ウイルスなどの高病原体を扱うことが可能です。

■ 国内2番目のBSL4施設
長崎BSL4施設は国内で2番目の施設で、もう1つは東京の武蔵村山市にある国立感染症研究所の村山庁舎になります。
こちらは1981年にBSL4対応施設として建設されましたが、住民反対により長らくBSL3レベルで運用されてきました。

しかし、世界的なニーズを受け、2015年にBSL4研究を開始しました。

引用:武蔵村山市長「稼働やむなしと判断」 レベル4施設、国と合意

やはり国からの補助金が交付されていますね…
武蔵村山市では「施設周辺安全対策等事業費補助金(約2億円)」が国から交付されています。

■ 補助金の使い道
約2億円の補助金は、村山庁舎周辺の安全対策や災害・事故対策及び避難対応の更なる強化や周辺住民の生活環境に配慮した環境整備を図るため国から交付されるものです。

まぁ、名目は立派ですが実態は次のような使われ方をしていますね。
➡これやるからさぁ、まぁええやろ?ってことか。

引用:武蔵村山市のホームページより

一方、茨城県つくば市の理研施設もBSL4対応ですが、住民反対や政治調整がつかず稼働していません。

■ エボラウイルスについて
知っている人は読み飛ばしてくださいね。

1976年に発見され、コンゴ民主共和国を流れる「エボラ川」から名付けられました。感染経路は接触感染で、血液等の体液が創傷のある皮膚や粘膜に触れることで感染します。

引用:雑誌ウイルスより

凶悪な形ですね…増幅メカニズムは未だに不明だそうです。

2019年に「Ervebo」というワクチンがFDAやEMAに認可されました。当初、開発しても興味を示されなかったようです(結局お金なの)。ドイツの研究者がエボラウイルスの実験中に針刺し事故で運ばれ、実験中(猿までの研究段階)のワクチン接種をして快方に至ったそうです。
参照:世界で初めて認可されたエボラ出血熱ワクチン「rVSV-ZEBOV」開発秘話

■ 大学と住民の説明会
令和2年2月7日の住民説明会の資料を読みました。(参照:地域連絡協議会令和2年
住民の方もとても勉強していると感じました。本説明会の時点で、「工事は着工、市議会・県議会・市長の同意を得ている」状況。

地元自治会では、大学側の説明文を添付しアンケートを実施。反対署名も18,000を超えているが、すでに施設建設が始まっている。大学は、地域住民協議会での”合意”は必須としていないが、合意を求める為の説明はしていく、という謎スタンスと語っています。

新日本科学の研究所で、サル由来Bウイルスの事故感染がありました。このような報道が直近にあると住民の不安感が強まりますよね。市議会は何してるの?

引用:サルから感染する「Bウイルス病」、2例目確認 : 読売新聞

質問)国が提案し、大学が了承したのか?
回答)ちがう
2006~08年、専門家でBSL4施設の必要性が話し合われた。
2010年、長崎大の学長が設置計画に手をあげた。
2016年、内閣で検討され、国策として予算化。

質問)ウイルスが漏れることが心配だ
回答)基本的に漏れない(キリ!)↜ぶ、武漢は…?
エボラウイルスは空気感染せず、非常に不安定なので空気中で分解される。

自治会代表や市議などが、大学随行でドイツの施設を視察したそうです。なぜ「坂本キャンパス」という市内に建設されることが争点になっていました。

大学)上下水道のインフラが整っており、災害マップからも外れている。海外でも市街地に研究所があるため問題ないと認識。
住民)大切な住民の意識という観点がない。他の候補地10か所は場所等も含めて公開すると言ったのに!
大学)当該地域の悪口となるため県との話合いで非公開に。

WHOの提言の解釈違いがありました。これは重要なポイントの一つです。

住民)WHOによると、BSL施設は住民から離れたところ、離島などで作るようにとされている。勝手に進めているが、日本学術会議からも住民の合意を取るように言っている。
大学)WHOの提言にそれはない。実際には、研究室(ラボラトリー)は、人の往来が少ないところに設置すべきという文言が正しい。おそらく研究「室」の解釈が研究「所」として独り歩きした。WHOにもメールにて確認したところ、そのような提言はない。

学術会議は無視されていましたね。ただ、それ以降の回答はちょっと苦しいな。

住民)信用できないから、メール文面開示せよ!
大学)先進国のほとんどのBSL4の研究所は市街地。長崎は離島が多いからそこにつくれと言われるが、感染症とは時間との戦い。天候が悪ければ行けないなんてことがあってはいけない。

➡コロナでは時間を無駄にしてたけどなぁ…中国人観光客を春節でバンバンいれてたやろ?結局、政治的な動きでどうこうなるんじゃないの!?とワイやったらツッコミ入れたなぁ…

住民)地価の問題がある。我々の土地の価値が減る!
大学)気になって調査しているが、現在、価値は下がっていない
住民)まだ稼働していないからだ!(正論)
大学)村山市も同様の確認しているし、他国の施設でもそのような話は聞かない

確かに武蔵村山市の地価をしらべてみたけど、急な変動はありませんでした。
今年に動物実験のニュースが出たので、どれくらい影響があるかですね。

住民)合意は?
大学)市議会、県議会、市長に合意を得ている
住民)住民の信頼と理解が得られた上でという条件がついていた
大学) ・・・

大学の回答はなかったが、市議会などにはおそらく付帯決議などで多くの会派を説き伏せたものと思われます。ある意味、大学側に対応を丸投げしたとも言えますね。政治的な動きと言えばそうですが。

■ 犯罪やテロへの認識
国立感染症研究所の犯罪やテロに対する認識は以下の通りです。
平成27年にて、質問に対する回答という資料がありました。
参照:国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト

意識低いなぁ…原発と同様に機関銃をもつ警備員を配備するくらいのことをすべきではないかと思います。
移民も増えているんですから。

テロ・犯罪対策については、かなり意識が低いと思われるのが、第2回長崎大学高度安全実験(BSL-4)施設設置に関する有識者会議(平成27年4月1日)の議事録で感じたことです。 

引用:第2回長崎大学高度安全実験(BSL-4)施設設置に関する有識者会議

身辺調査、めちゃくちゃ大事でしょ。

通名がまかり通っている外国籍の人もいますよ。プライバシーと安全保障などを天秤にかけること自体がおかしい。日本人はそれすらも忘れてしまっているのではないか…

地域住民が一番気になっているのは市街地への建設。感染研は以下のようなスタンスをもっている。

最先端の研究者ならば、別にアクセスなんて気にせずに研究に没頭できるような人間が理想ですけどね…


この構想は思った以上に長い経緯がありましたが、コロナ禍を経てもなお議会は表面しか見てないなぁと感じます。地域住民は不安を抱えていますが、地域外の人からしたら補助金や地域振興への期待もあり、全体での反対運動に結びつきにくい状況です。

個人的には、テロ対策やスパイ防止法など安全保障面の認識が甘すぎます。研究自体は否定しませんが、こうした環境を整備しないまま最先端のウイルス研究を進めるのは危険だと考えます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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著者

長田 たくや

長田 たくや

選挙 川西市議会議員選挙 (2022/10/16) [当選] 1,680 票
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肩書 薬剤師で市議会議員
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