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【ブログ】成年後見制度の「知られざる問題」──預金額で報酬が決まる仕組みが生む逆インセンティブ

2026/3/7

認知症などで判断力が低下した人を守るために作られた「成年後見制度」。

本来は本人の生活を支えるための制度ですが、実際には制度そのものが本人の自由を奪い、後見人側の利益が優先されてしまうケースが少なくありません。

特に深刻なのが、後見人の報酬が「本人の預金額に比例する」という仕組みです。この構造が、制度の目的と真逆のインセンティブを生み出しています。この記事では、制度の概要から問題点、そして改善の方向性まで、わかりやすく整理してお伝えします。

成年後見制度とは?

成年後見制度は、認知症・知的障害・精神障害などで判断能力が不十分になった人のために、家庭裁判所が後見人を選び、財産管理や契約行為を代わりに行う制度です。

後見人には次の2種類があります。

• 親族後見人
• 専門職後見人(弁護士・司法書士・社会福祉士など)

制度は3つの類型に分かれます。

類型 判断能力 内容
後見 ほぼない 財産管理・契約行為を全面的に代行
保佐 著しく不十分 重要な契約に同意が必要
補助 一部不十分 本人の希望に応じて支援

本来の目的は、「不利益な契約を避ける」「財産を適切に管理する」「本人の生活を守る」ことです。

制度の背景──「禁治産制度」からの転換

成年後見制度は2000年に導入されました。

それ以前は「禁治産・準禁治産制度」があり、障害のある人の権利を大きく制限するものでした。国際的な潮流に合わせて、「本人の尊厳を尊重する制度」として成年後見制度が作られたはずでした。

しかし実際には、

• 財産管理が中心になりすぎた
• 法曹界が旧制度の「管理する発想」を引きずっている

という問題が残り、本人の意思や生活の質が後回しになってしまっています。

なぜ専門職後見人が多いのか?

多くの人が疑問に思うのが、「なぜ後見人は弁護士や司法書士が多いのか?」その理由は制度の構造にあります。

① 法定後見が圧倒的に多い

判断能力が低下してから制度を利用する人がほとんどで、その場合は家庭裁判所が後見人を選任します。
このとき、専門職が選ばれやすいのです。家族が後見人を選ぶことはできません。

② 任意後見の利用が少ない

判断能力があるうちに「この人に任せたい」と契約しておく任意後見制度もありますが、利用者は非常に少ないのが現状です。本来は、

• 信頼できる人を任意後見人に指定する
• 財産管理だけなら家族信託を使う

といった選択肢もありますが、制度の認知度が低いため、結果として専門職後見人が圧倒的に多くなっています。

現在の問題点──ここが制度の「核心」

① 報酬が「預金額に比例する」という構造的欠陥

東京家庭裁判所の運用例では、後見人の報酬は次のように決まります。

• 1,000万円以下:月2万円
• 1,000万〜5,000万円:月3〜4万円
• 5,000万円超:月5〜6万円

つまり、「本人にお金を使わせない方が後見人の報酬が増える」という逆インセンティブが働きます。

実際に起きているのは、

• 本人が希望する支出を「浪費」として拒否
• 旅行・趣味・家の修繕・介護サービスの追加が止められる
• 預金の引き出し自体を拒否される

本来は「本人の生活を守る制度」なのに、預金を守るために本人の生活が削られるという本末転倒が起きています。

② 専門職後見人の既得権化

一度選ばれると、本人が亡くなるまで続くケースが多く、年間報酬は数十万〜100万円以上。事実上の「安定収入源」になっています。

③ 本人の意思が軽視される

制度の理念は「本人の意思の尊重」ですが、実際には「財産を減らさないこと」が優先されがちです。

④ 監督機能が弱い

家庭裁判所のチェックは書類中心で、実態を把握しきれません。後見人による着服事件も毎年発生しています。

制度をどう改善すべきか

① 報酬体系の見直し

預金額ではなく、

• 業務量
• 本人の生活改善への貢献   を基準にすべきです。

② 本人の意思決定支援を中心に

国連の障害者権利条約でも強調されているポイントです。

③ 親族後見人への支援

研修・相談窓口・監督サポートを充実させ、専門職偏重を是正する。

④ 第三者監査の導入

家庭裁判所だけに任せず、独立した監査機関が必要です。

⑤ 後見人の「更新制」

2〜3年ごとに審査し、本人の生活の質が向上しているかを評価する仕組みが必要です。

早めの準備が何より大切

私は独身で、以前は「もしもの時に後見制度が必要」と考えていました。

しかし制度の実態を知ると、判断能力が低下してから後見人を選ぶのはリスクが大きいと感じています。人生は何が起きるかわかりません。だからこそ、

• 信頼できる人を任意後見人に指定する
• 家族信託で資産管理を整えておく

といった「早めの準備」が重要です。

まとめ

成年後見制度は、本来は本人を守るための制度です。

しかし現状では、構造的に本人の生活を制限しやすい仕組みになっています。特に、

• 預金額連動の報酬体系
• 専門職偏重
• 監査機能の弱さ

は、制度の目的と矛盾しています。制度を立て直すには、

• 報酬体系の改革
• 本人の意思の尊重
• 監査機能の強化

この3つが不可欠です。本人の人生を守る制度に戻すために、社会全体で議論を深めていく必要があります。

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著者

きど かおり

きど かおり

選挙 第27回参議院議員選挙 2025年 (2025/07/20)
選挙区

比例代表

肩書 創薬分野事業開発スペシャリスト
党派・会派 国民民主党
その他

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