2023/7/4
続・免許のない教育者たち2023 第42話 都心回帰大作戦(1)
登場人物:
高松克己(かつての塾講師理科主任→大学教員兼会社社長)
高松菜々子(高松の歳の離れた妻)
ーーーーー
続・免許のない教育者たち2023 第42話 都心回帰大作戦(1)
令和3年(2023)1月。柏の葉キャンパス・某レンタルオフィス。
コロナも足掛け4年を超えた。我が社も2020・2021・2022と順調に業績が下がっていった。持続給化付金でなんとか生きながらえていたが、もはや企業の体をなしてはいなかった。いや、僕と妻が生きるお金だけなら十分であったが、従業員を支えることはもはや不可能だった。この時ばかりは、収入が少なくても講師業を続けていて良かったと思った。それは収入という側面よりは、時間を持て余して精神的に鬱になるのを防げたという「精神的側面」の方が大きい。
昔の妻が、時間を持て余した時、パチンコで100万円近くの現金を使い込んだ。この現金は、毎月少しずつポケットの現金を貯金してはお札に変えていったものだった。僕の父もこうやって「いざという時のための現金」の貯金を行っていた。まあ、きっかけは父が留守の平日昼間に、反社会的集団の構成員が母に5000円で「ホテイさん」の貯金箱を押し売りしたことがきっかけだったが。確か、僕か妹がこのホテイさんを誤って割ってしまい、家族4人で数えたら27万円ほどあり、「チリも積もれば山になったなあ」ということで、父はその後も別の貯金箱を購入して僕が実家を出るまで継続的に小銭貯金をやっていた。
こういう、日常決済の雑損から生じる余剰金は案外いろんな用途で使用可能なので、実は親の会社が傾きかけた時に、最後に役に立ったのはこの親父の貯金だったそうだ。その貯金を使い込まれてしまった。
本人は、やることがなくて、とはいうのだが、暇な時間をきちんと使いこなして自分を高められる人はかなり少数派だ。精神力がないとうまくいかない。時間的圧迫が通常のモチベーションになる。だから、コロナで鬱々している精神状態で暇な時間があると、儲けるパワーと同じ速度とパワーで消費をしてしまう。非常に危険だ。単価が安くとも、仕事をしてそれに集中するのがこういう局面では正解だ。
そして、コロナもだんだん落ち着いてきて、勉強もまあまあ結果になりそうだった。
また、2022年年末からの円安である。細々と続けてきたメキシコからの発注が一気に増えた。8月ごろから「勉強・先生などしてる場合か?」という程度の収益が出始めた。ただ、こんなに拡大する予定は全くなかったので、メキシコ国内の法人にしてしまっていた。メキシコで納税もせねばだし、口座もメキシコにしかない。結構面倒なことになった。
そこで、ぼちぼちまたオフィスを構えて、この不愉快な柏の葉から出ようと画策していた。
コロナの影響、テレワーク推進で、賃料の高い東京から安い地方へ人が流出していた。だから、昭和に建てられた程度に古い中古の賃貸物件は、賃料がびっくりするほど安い。僕の会社も、最終的には床面積65㎡で敷金1ヶ月、礼金2ヶ月の賃料8万円という物件を借りられた。
しかし、探していた当時、なぜか僕が契約の主体になると、契約が拒否される。
僕の年齢的なものかな?と思って、副社長である菜々子がうちの法人名義で契約しようとしたが 結果は同じだった。25歳で獣医師なのに?
僕は現在、海外法人を除けば国内に法人を3つ保有している。いずれも資本金1,000万以下のミジンコ零細企業だが、一応昔の有限会社の基準はどれも満たしている。この時は、メインの会社の資本金が300万しかないので、じゃあ、新法人の資本金を1,000万円に増資してみたらどうかを試し、そして取締役の社員が契約主体で申し込みをした。
すると電話が1回かかってきただけで、すんなり契約ができた。
この時は、そういうものかと思っていた。
しかし、よくみたら断られた部屋の仲介は同じMであった。
「ホント、インビジブルに何か審査するシステムは不明瞭すぎるなあ。」
僕はこのことを調査してみることにした。
(第43話に続く)
この記事をシェアする
マツウラ カツユキ/57歳/男
ホーム>政党・政治家>松浦 克行 (マツウラ カツユキ)>続・免許のない教育者たち2023 第42話 都心回帰大作戦(1)