2024/9/6

続きまして大項目2 学校のICT教育について
教員のICT活用指導力向上のための取組 についてお伺いいたします。
岡崎版GIGAスクール構想が発表され数年経ち、小中学校でのタブレット端末配布や、電子黒板の設置など、教育現場でICTを活用する機会が日常となりました。
また、Z世代の次の世代となる、2010年以降に生まれたアルファ世代という言葉も一般的になり、アルファ世代である現在の小学生の保護者たちもデジタル世代という時代となりました。
昨年、岡崎北中学校で開催された研究発表会に来賓として参加させていただき、あらゆる授業で先生たちが積極的にICT活用をしている様子を見学させていただきました。
授業終了後、参加されていた各学校の先生たちと授業担当の先生との意見交換会にも参加させていただき、ファシリテーターを担当する先生が場を回し、教科担当ならではの視点の共有や学び合いの様子を目の当たりにしました。
また、授業終了間際になると、子どもたちが自らタブレットの機能を開いて、授業の振り返りや次の授業に向けたゴール設定を入力している姿に驚きました。
これまでの一般質問でも教員向けの研修などに触れられていますが、今回は教員のICTを活用した指導力の向上について特化した内容について、触れていたきたいと思います。
それではまず初めに、本市の教員のICT活用指導力向上にむけた研修の実施状況についてお伺いいたします。
1 教員のICT活用指導力の向上に向けた研修の実施状況は
教員のICT活用指導力の向上に向けては、初任者研修を始め、キャリアステージに応じて行う研修、さらに管理職・役職者が参加する職務研修等、様々な研修を実施している。
まず、初任者研修では、本市が長年続けている動画教材作成のノウハウを生かし、iPadで動画編集を行う実習を取り入れ、iPadの基本的な使い方を習得するとともに、基礎的な教材作りについて学ぶような研修を行っている
次に、夏季休業中に実施する「授業力・教師力アップセミナー」では、基礎編、専門編、推進編、ブラッシュアップ研修を、それぞれレベルを変えて設定し、各教員が経験年数やICT活用指導力に合わせて主体的に選択できるようにしている。ここでは、iPadや電子黒板などICT機器の効果的な活用法や、主体的で対話的な学びにつながる教育用アプリケーション利用法を学び、授業作りの力を着実に身に付けていくことを目標としている。
また、管理職・役職者を対象とした「組織マネジメント研修」では、授業支援アプリ「スクールタクト」の活用状況を分析して、学校におけるICTの活用促進について意見交換を行うことで組織作りについて学び、管理職・役職者として必要なICT活用指導力が身に付けられるようにしている。
このように、一人一人の教員がそれぞれの立場やキャリアステージに応じて、着実にICT活用指導力を身に付けていけるように、計画的な研修を行っている。
さらに、こうした教育委員会が実施する研修に加え、各学校の学習情報主任で組織する学習情報部会では、現場の先生の声を生かして必用感の高い研修を年に数回企画するなど、教員による主体的な研修も積極的に実施されている。
続きまして、市内小中学校に設置された電子黒板について、導入後の活用促進に向けた取り組みについてお伺いいたします。
2 電子黒板の導入後の活用促進に向けた取組は
電子黒板の導入に際しては、教育委員会が機器の操作や効果的な活用方法など、
希望する学校を対象に訪問支援を実施してきた。
こうした取組みにより、ここまで電子黒板の整備が完了している中学校や小学校の上学年では、教材の提示や児童生徒によるプレゼンテーション等、授業のあらゆる場面で電子黒板が利用されおり、昨年度中学校の教員を対象に行ったアンケートでは、「電子黒板の整備で授業に良い影響があったか」という質問に対して、91%の教員が「あった」と回答している。
本年度は小学校2・3年生の教室に電子黒板を新しく整備したが、現在、32校の小学校から訪問支援の依頼を受付けており、希望した学校には2学期当初に訪問し、授業等での電子黒板の活用を促進していく予定である。
また、電子黒板の具体的な操作方法については、40本程度の動画コンテンツを作成し、教職員ポータルサイトで視聴できるようにしている。この動画では「iPadの画面を電子黒板に投影する方法」や「オンライン授業の行い方」などの操作方法をそれぞれ2~3分の長さで解説しており、現場の教員で組織するICT教育推進委員会が作成した。この動画を視聴することで、先生方が主体的に電子黒板の操作方法を身に付けることができるようになっている。
訪問支援を希望していない学校や、時間の都合で対面での研修が受講できない教員に対しては、この動画を積極的に視聴するよう声をかけていきたいと考えている。
続きまして、生成AIについて触れていきたいと思います。
そもそも生成AIとは、さまざまなコンテンツを生成できるAIのことです。サービスは多岐にわたり、代表的なものとしては「ChatGPT」が挙げられますが、従来のAIが決められた行為の自動化が目的であるのに対し、生成AIはデータのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成することを目的としています。
この生成AIを活用して教員の業務の負担軽減を行う動きが始まっています。
文部科学省のHPにおいても、生成AIを活用する上での基本的な考え方や生成AIの性質や限界について教員が学ぶことができる研修動画が公開されています。
教科書の内容を学習した生成AIが、小テストを作成するサービスを展開予定の民間企業や、ちょうど昨日も、長野県の小学校で仕事の効率化や授業の充実のための「生成AI」についての職員研修が行われたことが報道されておりました。
それでは本市においてはどのように考え活用に取り組んでいるのか、現状をお聞かせください。
3 教員による生成AIの活用状況は
本市では、令和5年10月に「生成AIの教職員の利用に関する規約」を策定し、教職員による生成AIの試験運用を開始した。
運用にあたっては、校長の許可を得た教員が、授業準備を含む校務において生成AIを利用できるようにし、昨年度は小中学校あわせて246名の教員が生成AIを利用した。
年度末に行ったアンケートでは、家庭に配付するお便りの校正や学習発表会で使用する挿絵を作成するなど様々な場面で生成AIを利用した事例が報告された。
実際に生成AIを利用した教員からは、「アイデアの幅が広がる」とか「業務の効率化につながる」といった肯定的な意見が聞かれた一方で、「発想力が失われる」とか「どのようなリスクがあるのかまだ分からない」といった否定的な意見も挙げられた。
このように、生成AIを学校で利用することについては、メリットとデメリットの両方が挙げられている。
デメリットに対してどの様なことに注意すべきかを明らかにするため、本年度も希望する教員による生成AIの利用を引き続き行っている。今後、より多くの教員から声が収集できたところで試験運用を終え、学校教育での生成AI活用の方向性を探っていきたいと考えている。
子どもたちは、生成AIを活用して学ぶことが当たり前の時代になりました。
例えば英作文の添削を生成AIで行うサービスや、自由研究をAIで支援するサービスを大手企業がすでに始めており、子どもたちを指導する立場にある教員は、理解して向き合っていく必要があります。
性質を理解し、活用する視点を持って学習に取り組む循環ができれば、飛躍的に学習効果を高めることもできますが、残念ながら使い方を間違えれば思考停止や学びの妨げになることも可能です。
教員の働き方改革に向けた活用や、授業の充実に向けた利用などメリットを生かした活用方法を模索していくと同時に、教員の皆さんが性質やリスクをしっかりと理解した上で子どもたちに向き合うことができるよう、引き続きお願いいたします。
続きまして、これまでお伺いしてきた、教員のICT活用指導力向上に対する研修の成果について、
また、GIGAスクール第二期のタブレット端末の更新も目前となっておりますが、これまでの導入の成果や課題を踏まえて今後はどのように考えているか、お聞かせください。
4 研修の成果は
研修後に行ったアンケートでは、ICTの活用に苦手意識を持っていた受講者が「今後、いろいろなICTを試してみたいと思った」とか「授業でICTを利用するポイントが分かった」といった意欲的な回答をする姿が見られている。
また、「スクールタクト」の利用状況は、児童生徒一人当たりの平均アクセス回数が令和3年6月には0.5回であったのに対し、令和6年6月には4.8回と3年間でおよそ10倍近くに増加し、タブレット端末等のICTを活用した授業が、各学校において着実に定着してきた。
令和5年度に実施した全国学力・学習状況調査でも、子供たちが自分で調べる場面や考えを発表・表現する場面で、ほぼ毎日タブレットなどのICTを使っていると回答した学校の割合が、全国や愛知県の平均よりも高くなっている。教員のICT活用指導力の向上が、「主体的・対話的な学び」への授業改善につながっている。
なお、今後も継続して教員のICT活用指導力の向上を図るためには、ICT環境整備を着実に進め、それに合わせて研修の内容や実施方法をブラッシュアップしていくことが重要となる。とりわけ、GIGAスクール第2期のタブレット端末の更新に向けては、端末の設定や運用方法に関するアンケート調査を実施するなど、実際に授業でICT機器を活用する教員の声を聞きながら進めていきたいと考えている。

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