2026/7/11
【実現報告】直す力を、まちを良くする力へ。
JR櫟本駅「泊まれる駅舎」オープン
本日、JR櫟本駅にて、JR西日本エリア内で初となる「泊まれる駅舎」がオープンしました。
明治31年竣工、128年の歴史を持つ櫟本駅。
その歴史ある駅舎が、「CÉUEU(セウエウ/逍遥)櫟本駅」として、一棟貸しの宿泊施設に生まれ変わりました。
始発前の静けさ。
行き交う電車の音。
踏切の音。
そして、終電後に訪れる深い余白。
駅には、誰かの出発と帰着が積み重なっています。
その時間の記憶ごと味わえることが、駅舎に泊まるという特別な体験です。
今回、運営を担われるのは、京都で町家のゲストハウス活用などに実績を持つ立志社さんです。
「夜行列車の気分で、駅舎に泊まる」というコンセプトのもと、歴史ある駅舎に新しい役割が与えられました。
もともとは、並河健 天理市長のもとへ伺った際、空き家などの有効活用について意見交換をする中で、無償譲渡された歴史ある櫟本駅舎の有効活用についてご相談をいただいたことが始まりでした。
天理市にとっても20年来の課題であり、その課題を共有させていただいたことが、この取り組みのスタートでした。
建築士として、また大工棟梁として現場に立ってきた“直す力”を、ものづくりからまちづくりへどう活かせるか。
その視点から、駅舎の有効活用について提案・伴走させていただき、FUJII DESIGN ROOMとして、
・基本構想
・デザイン監修
・施工
を担当させていただきました。
また、FUJII DESIGN ROOM共同建築研究所として、東京藝術大学大学院で保存修復建造物を学ぶ甥の横内稀人にも、歴史ある建物の再生を現場で考える機会をつくり、一部ブラッシュアップを担ってもらいました。
次の世代の感性と、歴史ある建物を未来へつなぐ視点を加えながら、駅舎に新しい息吹を吹き込むことができたことを嬉しく思います。
また、立志社の奈良開発担当であり、同級生でもある山田正樹にも、現場と地域をつなぐ面で支えていただきました。
「直す力を、まちを良くする力へ。」
壊れたものを直す。
駅として使われ続けてきた場所に、もう一つの役割を重ねる。
そして、その場所から人の流れと地域のにぎわいを生み出していく。
これは、図面の上だけで考えるまちづくりではなく、現場で手を動かし、素材を見て、空間を整えながら積み上げていく、ものづくりから始まるまちづくりでもあります。
今回の改装では、快適に過ごせる一棟貸しの宿でありながら、駅舎らしさや鉄道の記憶を大切にし、遊び心のある空間づくりを心がけました。
さらに、一棟貸しの宿泊施設だけでなく、
待合室は地域の賑わい拠点として。
パブリックトイレは多機能トイレとして。
地域の皆さまや駅利用者の皆さまにも、より快適に利用していただける駅へと生まれ変わっています。
また、飛鳥未来高校の皆さんが制作された「櫟本おさんぽ観光マップ」も設置され、地域を歩き、歴史や文化、お店に触れるきっかけづくりが始まっています。
宿泊だけでは終わらない。
駅からまちへ。
人の流れが広がる仕掛けも、このプロジェクトの大切な魅力です。
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議員の藤井まさととしても、この取り組みには大きな意義を感じています。
全国で歴史ある駅舎や公共空間の維持が課題となる中、行政だけに頼るのではなく、民間の知恵や技術、地域の想い、そして若い世代のアイデアを掛け合わせることで、持続可能な活用の道が開けると考えています。
櫟本駅の挑戦は、駅舎の保存・活用だけではありません。
地域資源を磨き、観光を育て、人の流れを生み、地域経済を循環させる。
その可能性を示す、大きな一歩になったと感じています。
運営を担われる立志社の皆さま、JR西日本、天理市、飛鳥未来高校の皆さま、地域の皆さま、そして本日まで関わってくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
駅は、通過する場所から、目的地となる場所へ。
櫟本駅から始まる新しい物語が、多くの人に愛され、地域のにぎわいへとつながっていくことを願っています。
FUJII DESIGN ROOM
Basic Concept|Design Direction|Construction
藤井まさと|Masato Fujii
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