2025/12/31
【ライター自己紹介】
赤羽根美乃(あかばねよしの)です!大学4年生で、地域公共交通の活性化に関係人口が関わる意義や可能性をテーマにした卒論を書きました!フルートを中学の頃から続けていて、先日サークルの演奏会に出演しました^^
あ:あきらさん
よ:よしの
よ:ゼミで地域公共交通の維持や活性化について学んでいるのですが、陸前高田の交通事情について、現状と課題を教えてください。
あ:木の幹の交通(一次交通)と枝葉の交通(二次交通)があって、BRTが一次交通、二次交通がバス・デマンド交通・グリーンスローモビリティです。
陸前高田の強みは二次交通に力を入れられていることです。グリーンスローモビリティは15人乗りの比較的小さいバスで、これをなるべくすみずみまで動かせるようにお金を使っています。また、福祉の予算として免許を持たない後期高齢者にタクシー券の補助を行っているので、手厚いと言えると思います。
今は地域公共交通が「交通弱者交通」になっていて、車を持たない人への最低限の困りごとを解決するものになっています。でも僕が描いてるのは、「もっとみんなでたくさんバスに乗ったら、バスの便を増やせて1台が2台になるかも…」というものです。バスの利便性を高めて、観光にも役立つ発想の転換ができていないのが課題ですね。
よ:交通弱者の方だけじゃなくて、自家用車がある人にも公共交通を使ってほしいですよね。
あ:そうですね。
市内経済の活性化の視点で言うと、飲み会帰りの代行代金が高いから飲みに行かない人もいます。代行も経済を回していますが、もしバスが22時に1本走っていたら、みんな来るからお店も開くし、観光客の人も来るという循環に乗せられないかと考えています。交通は高齢者にとってだけのものではないからです。
よ:移動手段によって店が開くという、良い循環が理想ですね。
「公共交通に乗ってください!」では乗りづらいので、どうしたら楽しく知って乗ってもらえるのかというのを、私のゼミでも考え続けています。
あ:それは汗をかくしかないですね。僕はずっと「とにかくログインしてください」って言っています。1回目は面倒くさいですが、1回すればいいのです。ログインしてもらうのは本当に大事なので、それをしてもらうためには、乗ることによってインセンティブを付与するとか、1回目をどう作るかが一番大事です。
市内約17,000人いる中で、バスに乗ったことない人は9割5分ぐらいいます。高校生、高齢者、障がいをお持ちの方は乗りますが、他の人は乗る必要がないのです。
自分の例で言うと、10月の初週にはバスの乗車体験会をして、70世帯くらいが住んでいる町内会に1枚の回覧板を回しました。「乗りたい人は一緒に乗って買い物に行こうね、僕が案内するから」と企画しました。
そうすると、ほとんどの人から「初めて乗った」や「忘れてた、こうやって乗るんだ」「200円でいいの?」という声がありました。そういうことをする必要があると思います。


【乗車体験会の様子】
周知することやダイヤをわかりやすく書くことでは実際あまり乗車人数が増えていないので、実際に乗ってもらうということが大切です。僕は、そこに予算を掛けて良いと思っています。
例えばチラシ配りに稼働1時間かかるとして、体験会13時~16時で3時間です。「時給1,000円で合計4,000円払いましょう」というのも良いですね。それで、バスに乗ったことがある人を何割にも増やしていく事が大事だと思います。
行政全般的には、PDCAサイクルがありますが、Dまでたどり着かない事が多いんです。
DがまわらなければCにたどり着かないし、サイクルがまわらないと改善できません。これはいろんな施策でもそうですね。
民間だったらテストマーケティングのように、「使ってくれたら商品券3000円渡します」ということをやっています。これはPDCAにお金をかけていると言えますね。これは意味があるから続けているのです。Dにお金を掛けてサイクルを回すことを頑張るということが大事です。

【PDCAサイクルの図】
よ:話は変わりますが、大学のゲストティーチャーであきらさんが来てくださった際に「移住」の話をしてくださったのが印象に残っています。
Uターン政策で今やっていることや、これからやりたいことを教えてください。
あ:「限られたお金」をどこに使うか考えたときに、僕はもっと市民に使うべきだと思うのです。
Uターンにお金を掛けるべきということを3年くらい主張しています。そこに発想の転換をしてもらうのを今、やってもらっています。
行政がやるべきと思っている取り組みは、「転出者とお互い連絡を取る」ということです。どの町もそうですが、Uターン者が何をしているのか、どう思っているのかもわからないのです。
ですから、市のLINEを登録してもらって情報を流したり市についてどう思っているのか教えてもらう等、出来ることはあると思うのです。
全国的にUターン潜在者は数千人規模になります。町を出る前は全員名前がわかるから、陸前高田だと一学年150人くらいを行政側としてちゃんとリストにして、誰がどこ行っていつか戻りたいって思っていることをデータベース化して、
「陸前高田もちゃんと頑張ってるんですよ!Uターンしなくていいけど、夏休みは戻ってきてね」と、そういう施策を打っていく必要があるかなと思います。
よ:お互いに連絡をとることってすごく重要ですね。
自分が今いる場所でがむしゃらに活動していると地元のことが置いてきぼりになりがちだから、帰省したときに地元とふれあって、地元から活動するフィールドに戻ってきてもどこか片隅に地元があるのがよいのかなと思いました。
あ:おっしゃるとおりです。
僕が想像している話ですが、「なんで今までUターン政策が生まれなかったか」というと、「できないと思ってるから、課題にすらならなかった」からだと思うのです。
「Uターンが大事」って言うけれど、「出ていくのなんて当たり前」とか、Uターンすることにネガティブな印象を持っている現状があります。「20代の陸前高田の女性が、地元は好きだけど、東京で暮らす。戻ってくるとしたら離婚した時かな」と言っていたのが印象的です。
僕は引き続き困ったときに戻ってくる人もいて良いし、挑戦しに戻ってくる人がいても良いと思います。
よ:移住者もいろんな理由があるように、Uターン者もいろんな理由があっていいですよね。
あ:だから、「どうせ戻らない」で思考停止しているところから、僕は「地元出身者に関わり続けていただくには」という問いに設定し直しています。
成人式で「どんな場所でも活躍できる、頑張って」と言うまでは簡単です。「その人たちに選ばれるまちになるからぜひ戻ってきてくれ」と言うのは僕はあって良いと思うし、その上でどこへ行こうが自由ですから。
地元出身者に関わり続けてもらうために、地元出身者を「関係人口化」したいと考えています。
考えているのは、地元出身者を招いて講演してもらうことです。
僕は出身地の東京・板橋が好きで、「木村くん活躍してるみたいだから講演しに来てよ」って言われたら行きますね。Uターンするわけじゃないけど、板橋にできることを考えたいです。そこをしていく先にUターンのきっかけがあるんじゃないかなって思います。あるいは、活躍した人が陸前高田にふるさと納税するかもしれないし…。このようなきっかけが必要だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=dDcSwehEkgs
【令和7年第4回陸前高田市議会定例会一般質問⑫ 木村聡議員 R7.12.4】
【ライターコメント】
私自身が興味のある公共交通や関係人口についてのお話を聞きました。どれも頷ける話ばかりで、人を動かすためにはまず自分が動くことが重要なのだと感じました。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。みなさま良いお年をお迎えください!
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