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田島 まいこ ブログ

参議院本会議 代表質問 全原稿

2024/2/6

参議院議員の田島麻衣子です。先週金曜日は、参議院の代表質問に立たせていただきました。NHKで中継されたこともあり、今も多方面より多くの反響を頂いています。私の代表質問の原稿をここに載せます(配布資料ベース)。

第213回国会 政府四演説に対する代表質問

2024年2月2日

立憲民主・社民 田島麻衣子

立憲民主・社民の田島麻衣子です。会派を代表し、質問をいたします。

 

冒頭、能登半島地震において、犠牲となられた方々に、心よりご冥福をお祈りいたします。またご遺族に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災されました方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

 

震災復興

 

まず震災復興について、総理に伺います。

 

人として生きるために必要なものは、水です。石川県の発表による水道の復旧時期の見通しは、今も珠洲市の一部地域や七尾市街では4月以降とあります。これから2ヶ月以上も水道が使えない暮らしを、我々は想像ができるでしょうか。総理は能登半島地震への支援について「『できることはすべてやる』との考え」と仰いました。少なくとも年度内には被災地全ての水道を復旧させるべきではないでしょうか。いま一度、政府の水道復旧にかける決意を、総理に伺います。(総理)

 

災害救助や復興支援の要諦は、被災地・被災者へのアクセス確保です。今回の能登半島地震でも多くの孤立地区が発生し、「まだ道路は、修復されないのか」との声が相継ぎました。県が独自でできることには限りがあります。国道249号線などの主要道路の復旧について、県から国への権限代行の依頼が石川県から出されず、総理の現地入りした1月14日まで、権限代行の総理指示、及び国と県との調整が、始まらなかった理由は何でしょうか。また、道路に関する国の本格的な災害復旧の代行の決定が、1月23日まで時間を要した理由は何か、総理、お答えください。(総理)

 

震災復興に与党や野党は関係ありません。各党の皆さまと共に、立憲民主党は復興支援に貢献して参ります。

 

大阪・関西万博

 

次に大阪・関西万博について伺います。

 

能登半島地震の被災地はいまだに深刻な状況にある一方で、大阪・関西万博の工事では、建設スケジュールの大幅な遅れが指摘されています。万博の関連工事により震災復興に必要な人材・資材・機材が不足し、震災復興が遅れてしまうことはあってはなりません。能登半島地震の助かった命を守ることを最優先し、被災地の支援事業をまず最優先させるべきではありませんか。総理の見解を伺います。(総理)

 

費用が増え続ける万博には、いまだ厳しい国民の目が向けられています。総理。今後、万博に関する国費負担が更に増えるような事はないと、この場で我々にお約束ください。(総理大臣)

 

昨年、西村前経産大臣は参議院の経産委員会で、大阪・関西万博の運営赤字を、国が穴埋めすることはない、と明言しました。万博の運営費に赤字が出た場合、国は補填しないという従来の方針は、大臣が交代しても変わりはない、とこの場で明言頂けますか。総理、お答えください。(総理)

 

政治改革

 

次に、総理が主導する、あまりに不完全、そしてあまりに甘い「政治改革」について質問いたします。

 

国民は今、怒っています。「聞く力」をアピールされてきた総理に伺います。国民はなぜ、今の政治資金問題に関する一連の報道について、驚き、落胆し、怒っていると考えていますか。総理ご自身の見解をお聞きします。(総理)

 

これまでも岸田政権では、多くの閣僚が辞任をしてきました。

 

旧統一教会の問題などでは、山際経済再生担当大臣や秋葉復興大臣が、失言問題では葉梨法務大臣が、政治資金問題では寺田総務大臣が辞任をしました。公職選挙法違反では柿沢法務副大臣が、また税金の滞納では神田財務副大臣が辞任をしています。鈴木総務大臣、宮下農水大臣、西村経産大臣、松野内閣官房長官も辞任されました。まさに異次元とも言える、交代の数です。

 

加えて一昨日には、安倍派の小森総務政務官と加藤復興政務官が突如、辞任をしました。あまりに辞任が多いのではないでしょうか。総理が政権を担われた2年4ヶ月の間に、これだけ多くの政務三役が辞任をしています。改めて、総理の任命責任について伺います。(総理)

 

総理、現在、岸田内閣を支える政務三役は全て、政治資金関連の問題とは無縁であるとの理解で正しいでしょうか。今後、総理は、岸田内閣を支える政務三役に、脱税や政治資金関連の問題が指摘された場合には、それぞれにどのような責任を取らせ、またご自身はどのような責任を取られるか、お答えください。(総理)

 

「裏金」の定義について伺います。総理は昨年11月21日の衆議院予算委員会で、派閥による政治資金パーティーの収入不記載を問われ「裏金うんぬんという指摘は当たらない」と答弁されました。しかし今年に入っては「裏金ということの定義は、しっかり確認しなければなりません」と答弁を変えておられます。総理が考える裏金と、国民が考える裏金の意味が異なっては、問題解決は不可能です。裏金とは、何を指すのでしょうか。違法に貯めたお金であっても、銀行口座に残っていたり、事務所の金庫に保管されていれば、裏金とは言わないのでしょうか。昭和57年1月20日に坂田道太国務大臣が答弁したように、今回も「裏金の定義はわからない」とは仰らないでください。ご自身も国会で使用された「裏金」の定義について、総理に明快な答弁を求めます。(総理)

 

総理。検察は、この社会で正義を実現してほしいという国民の願いに、正面から応えられているでしょうか。国税庁の報告によれば、令和4年における国民の平均年収は458万円と言われています。収支報告書に記載のない、いわゆる裏金が4000万円以上の議員本人は起訴され、収支報告書の不記載額が例えば2000万円以上や1000万円以上の議員は、検察に起訴されないという現実は、一般の市民感情にかなっていると総理はお考えでしょうか。(総理)

 

総理に伺います。自民党政治刷新本部の中間とりまとめに、政策活動費の廃止はありません。私も若手役員の一員として議論した立憲民主党の政治改革案は、政策活動費の禁止をうたっています。総理は政策活動費の廃止を決断しない理由として、1月29日の衆議院予算委員会で立憲民主党の階議員に対して「政策活動費については、政治活動の自由そのものに関わる問題であります」と答弁されました。憲法21条1項で認められる政治家の政治活動の自由とは、政治家がお金の使い道を明らかにしない自由も含むのでしょうか。総理、お答えください。(総理)

 

昨年の今頃、国会は旧統一教会と政治家の癒着の問題に揺れていました。旧統一教会との関係が指摘された山際大臣や秋葉大臣が辞任したのは、皆さんの記憶にも新しいと思います。その時に総理が繰り返した言葉を、覚えておられますか。それは「説明責任」という言葉でした。「各議員がその接点につきまして説明責任を果たしていく(中略)これを地方にも徹底をさせる」こうした総理ご自身の言葉は、その後どれだけ旧統一教会と関係を持った議員によって、誠実に実行されたと考えておられるのか。総理、お答えください。(総理)

 

その上で、今回の「政治とカネ」の問題において、今後どのように党所属議員や政策集団に説明責任を総理は全うさせるおつもりか、ご答弁ください。(総理)

 

皆さん、裏金政治はもう終わりにしませんか。疑惑が指摘される一人一人に、裏金の実態の解明を求め、その検証の上で、各党でしっかり協議し、本物の政治改革案を作る必要があるのではないでしょうか。

 

立憲民主党は、1月26日「本気の政治改革実現に向けて」と題し、他党の提案とも通じる、政治改革案を発表しました。

 

まず①私たちは、政治家本人の処罰を強化します。すなわち、会計責任者のみに罪を着せない、いわゆる「連座制」を導入し、政治家による政治資金隠匿罪を新設します。

 

そして②私たちは、政治資金の透明性を確保します。これまでの時代錯誤とも言えるPDF形式による収支報告書の公開をやめ、すべての国会議員の関係政治団体、そして政党及び政策集団・派閥の政治資金報告書を、検索可能な形でデジタル化し、オンラインで提出するように義務付けます。

 

加えて③私たちは、一部の党幹部に50億円近くも支出されてきた政策活動費を禁止し、政策を歪める可能性のある企業・団体の政党及び政党支部に対する寄附を禁止します。

 

各党の皆さま。そして国民の皆さま。今年こそ、国会から裏金政治を一掃しようではありませんか。なんとしてもこの国会で、金が力を握る政治に終止符を打つ政治改革を実現しようではありませんか。

 

皇位継承

 

先日、喜ばしい報道がありました。それは天皇皇后両陛下のご長女、愛子さまが大学卒業後、就職されるというニュースです。能登半島の震災被害に心を痛める中で、愛子さまに励まされ、希望を取り戻す国民も決して少なくないのではないでしょうか。

 

2017年に国会が附帯決議を通じて政府に要請したのは、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」でした。しかし、2021年の有識者会議報告書では、それが「皇族数の確保」に変わりました。

 

総理に伺います。政府の報告書では、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する一方で、配偶者の夫と子は一般国民のままとする案が示されました。国民統合の象徴であり国政上の権能を有さない、天皇·皇室の憲法上の地位と、その皇室を構成する女性皇族が、参政権を含めて国民としての自由·権利を保障される配偶者及び子と1つの世帯を営む制度は、果たして整合性を持ち得るのか。見解を伺います。(総理)

 

加えて総理は、2021年の総裁選を含めSNS等でも「皇室の歴史や伝統、そして国民の皇室に対する見方などを考えれば、女系天皇は考えるべきではありません」と述べておられます。総理が指摘される皇室の歴史の中で、男系男子の天皇はいつからの伝統なのか、総理のご見解を伺います。(総理)

 

選択的夫婦別姓制度・女性活躍

 

1996年に法制審議会が選択的夫婦別氏制度の導入を含む民法改正を答申してから28年。以降、国会での議論は全く進まず、いまだ法改正の見通しは立っていません。

 

先日、仕事である方とラインを交換させて頂きました。彼女のラインの第一声は「私のアイコンについて、職場では旧姓使用のため、表示は戸籍名と旧姓の併記になっています」でした。日本の約95%の夫婦は女性が改姓しています。女性の活躍を全力で後押しするという総理は、毎回、初対面の仕事相手に、こうした説明をしなければならない全国の働く女性たちの苦労と負担を、総理はどのように考えていますか。(総理)

 

女性活躍に関連して伺います。麻生元総理が、上川外務大臣について「俺たちから見ても、このおばさんやるね」「そんなに美しい方とは言わんけれども」と、年齢や容姿に関連するコメントを行いました。上川外務大臣に伺います。大臣は日本外交のトップとして、ジェンダー主流化や、女性・平和・安全保障、いわゆるWPSを推進するお立場にあります。私は以前、貧困撲滅や人道支援のために、アジア・アフリカ・ヨーロッパで働いて参りました。職場では容姿や年齢に関するコメントはタブーとされ、そうしたコメントを耳にした事は一切、ありませんでした。上川大臣。大臣は、1)「おばさん」と年齢を揶揄するかのような発言、および 2)容姿を揶揄するかのような発言を公の場でされた事を、問題だとお感じになっていますか。

 

こうしたコメントについて、大臣は「ありがたく受け止める」と返されていますが、同調圧力の強い日本社会で、同じ境遇にある女性たちも、大臣と同じような対応をしなければならない、と感じてしまうリスクはないでしょうか。上川大臣、問題があるとすればそれが何であるか、そしてなぜ大臣は抗議をされないのか、それぞれお答えください。(外務大臣)

 

総理に伺います。一般論として、職場で同僚や部下に対して、年齢や容姿を揶揄する発言を行う事は、許されるのでしょうか。行政府の長として、政府見解を総理に伺います。(総理)

 

DV・性被害

 

DVや性被害は、明らかに、この国の大きな課題の一つです。

 

配偶者暴力相談支援センターに寄せられた、配偶者からの暴力に関する相談件数は、令和4年度は女性が約12万件、男性が約3000件と、12万件をこえました。また性犯罪・性暴力被害者のために設けられたワンストップ支援センターに寄せられた相談件数は、令和4年度に6万件を超えています。

 

こうした大きな問題であるにも関わらず、総理の施政方針演説に、成人に対する性被害やDVへの対応について述べられた箇所が、一切なかったのはなぜでしょうか。総理、理由をご説明ください。(総理)

 

各自治体の日常生活支援事業など、ひとり親家庭への生活支援の起点は、いまだに離婚の時点、とする自治体があると言われます。こうした自治体では、離婚調停中の実質ひとり親家庭は受給要件の対象外となり、支援を受けることができません。国はすでに実質ひとり親家庭の定義を広げる通知を出していると理解しますが、全国市町村への周知徹底が不十分なのではないか、こども担当大臣のご見解を伺います。(こども担当大臣)

 

いつまで経っても国民が変わった、と実感できないDVや性被害の諸課題、児童虐待への対応、子どもの貧困対策、奨学金返済に苦しむ若者たちへの対応、望まぬ妊娠をした女性たちへの支援、そして医療的ケア児や多胎児も含めた子育て支援。総理。パーティー券が売れない分野や、企業・団体献金の集まりにくい分野は、いつも予算や制度面での支援が後回しになると指摘されているのをご存知ですか。(総理)

 

この国の政策立案や運用のあり方は、岸田政権下では、党や政治資金団体への献金やパーティー券購入の多寡で歪められた事はなく、今後もないと明言ください。(総理)

 

最後に

 

英国では2009年に、政界を大きく揺るがした経費不正請求事件がありました。経費不正請求の中身は、鳥小屋の設置、ガーデニング用肥料、自宅プールの清掃費、果ては有料動画の視聴料まであったと言います。

 

これによって、下院議長、閣僚6人、政務次官4人が相次いで辞任し、数十人もの議員が罷免され、140人以上の議員が次期選挙への不出馬に追い込まれたと言います。

 

それに比べ、我が国の裏金問題では、裏金を受けたと言われる議員の多くは、十分な説明責任を果たしていません。派閥幹部は、議員辞職もしなければ、離党すらしません。責任の取り方に関して、甘すぎる認識ですが、総理、いかがでしょうか。(総理)

 

今の自民党に、政治改革は、無理ではないでしょうか。総理のご見解をお伺いします(総理)

 

国民の皆さまは、今まさに、政治の浄化を求めています。自分の政治資金を大事にする政治から、国民生活を大事にする政治へ。数千万円単位の献金ができなくても、苦しむ一人一人の声がきちんと国政に届く政治へ。我々が変える必要があります。

政治改革を実現しようとする野党の皆さま、そして今の政治とカネの問題にうんざりしている良識ある公明党や自民党の皆さま、ぜひとも我々と共に、裏金政治を、今年こそ終わらせようではありませんか。

人へ、未来へ、まっとうな政治へ。

国民の皆さま、どうかともに立ち上がってください。立憲民主党はあなたとともに、政治を変えます。ご清聴ありがとうございました。

 

 

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著者

田島 まいこ

田島 まいこ

選挙 第27回参議院議員選挙 (2025/07/28)
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