2025/8/24
「夏休み明けに増える子どものSOS」~不登校ジャーナリストの「石井しこう」氏に聞きました。
多治見市議会議員の片山たつみです。
間もなく夏休みが終わります。学校が再開するこの時期は、子どもに変化の現れやすい時期です。
とくに「学校へ行きたくない」と言い始めたら・・・。そんな時にどうすればよいか。先月多治見市に来ていただいた、不登校ジャーナリストの石井しこうさんにインタビューした公明新聞の記事を紹介します。
【2025年8月20日 公明新聞より】
「学校に行きたくない」は助けてほしくて出る言葉
学校の夏休みが明ける8月下旬~9月上旬は、子どもの不登校が増加し、自殺も多い傾向にある。学校に行きたくないという子どものSOSにどう向き合えば良いか、不登校の子どもや保護者など、400人以上の当事者に取材を重ねてきた不登校ジャーナリストの石井しこう氏に聞いた。
■「休むことも必要」と理解を
――夏休み明けは不登校や子どもの自殺が増加する。
夏休み中に何かがあったわけではなく、それ以前に学校で傷ついた経験などがあると、学校が始まる前に恐怖感が募ってしまう。この時期の子どもの「学校に行きたくない」という言葉は、助けてほしくてやっと発せたSOSだと言える。
不安を感じている子どもたち、周囲の大人に伝えたいのは、学校だけが全てじゃない、休んでも大丈夫だということだ。日本の首相も「学校を休むことも必要な場合がある」と言っている。
■登校させる“魔法の言葉”ない
――子どもが「学校に行きたくない」と言った時に親など周囲の人は、どう向き合うべきか。
子どもを直ちに学校に行かせられるような“魔法の言葉”はない。まずは、子どもの意思を尊重して受け止めることだ。「なんで行けないの」と問いただしたり、子どもを前向きにさせようと「あすだけ頑張ってみよう」などと言っても追い詰めることにしかならない。
■結論は急がず、先送りで良い
「今後どうするか」の結論は急がず、“先送り”にするくらいで良い。SOSを受け取った時には、「ああ、そうなんだ」など曖昧な“生返事”で返しておく。反応を保留しておくと、その後、子どもから自分の気持ちを話し始めることが多いからだ。
親に感情を発散して、学校に行けるようになる子もいる。逆に深刻な悩みを抱えていることが分かることもある。そうした場合には「少し休もうか」などと声を掛けてあげることが大切だ。
子どもを休ませていいのかと悩んだ時には、精神科医監修の下、民間企業と共同で作成した保護者向けの「チェックリスト」【表参照】なども参考にしてほしい。
■相談先は学校だけでない
――学校への「行き渋り」が続いた時には。
早めに適切な相談先につながることが大事だ。相談先は学校だけとは限らない。“小さくたくさん”を心掛け、状況に応じて相談できるようにしておく方が良い。
子どもの心身の状態をケアする児童精神科やカウンセリングのほか、地域の教育相談センターや不登校経験者の「親の会」、フリースクールなどがある。特に、教育相談センターには、学校でも把握していない不登校支援の情報などが集まっている。
――子どもの不登校によって「5人に1人の親が仕事を辞めざるを得なかった」との調査もあるが。
保護者が仕事を辞めて、同伴登校や家での生活を見守ったとしても子どもが学校に行けるようになるわけではない。逆効果の場合もある。
保護者は、「私が頑張らないと」という考えを捨てて、子どもと共にどう幸せに過ごすかを考え、さまざまな支援やサービスの利用も含めて、行動してほしい。
■不登校、小学校は10年で5倍
文部科学省の調査によると不登校の児童生徒数は、2023年度で小中学校合わせて過去最多の34万6482人に上った。特に、小学校の不登校者数はこの10年間で約5倍に増加している。
こうした状況について石井氏は、いじめの低年齢化やコロナ禍による環境の変化などが要因に挙げられるとして、「教室に入りづらいなど不登校傾向にある子どもは全体の1割いるといわれる。現在の数字は氷山の一角。今後、さらに増えていくのではないか」と指摘する。
■公明、居場所づくりなど支援強化訴え
不登校の子どもらへの支援強化に向け、公明党は取り組みを進めている。
22年3月には、党内に不登校支援プロジェクトチーム(座長=浮島智子衆院議員)を設置。従来の学校とは異なる教育課程を編成できる「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」の設置促進や、クラスに入りづらい生徒の居場所として「スペシャルサポートルーム」の拡充などを訴え、政府の不登校対策(COCOLOプラン)に盛り込ませた。
今年5月の政府への提言では、フリースクールなどと協働した多様な居場所の確保を求めるなど、さらなる支援の強化を訴えている。
いしい・しこう 1982年東京都生まれ。「不登校生動画甲子園」などSNSを活用したイベントを企画・運営。近著に『小学生不登校 親子の幸せを守る方法』(KADOKAWA)など。

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