2023/3/19
一昨年前、2021年夏の横浜市長選挙では、IRカジノ誘致が争点の一つとなり、反対派の山中市長が誕生しました。IRカジノ誘致という重要案件について反対と賛成で市民の意見は二分され、市長選がきっかけとなり本市のIRカジノ誘致計画が中止になったことは記憶に新しいです。まさに「選挙で、民意で、政治は変わる」ということを体感することになった市長選であったと私は思っています。
因みに過去のIR誘致を巡る経緯としては、前々回の2017年の市長選では当時の林市長は「IR誘致は白紙」として3選を遂げ、その後の2019年8月に本市へのIR誘致を正式表明されました。
その後、2020年12月には法定数の3倍超に当たる19万筆以上の署名を集めた市民団体が住民投票条例制定を求める直接請求を行い、2021年の横浜市会第1回定例会においてIR誘致について住民投票を実施するか否かの論戦がありましたが、この条例案は議会で否決されてしまいました。その結果、2021年の市長選までIR誘致に向けての準備が進んでいました。こうした流れを踏まえても、2021年の市長選は転換の起点になっていると言えます。
私は、横浜市会において民意を反映していくための「代表民主主義」の機能は適切に働いているとは思っています。しかし、その前提はあったとしても、横浜市長や横浜市会議員の選挙と選挙の合間にこうした重要且つ緊急的に民意を二分するような案件が生じたり、選挙戦の際には課題や争点とならなかった市政に関する重要案件が今後生じないとも限りません。2019年4月の統一地方選挙でも、IR誘致は大きな課題として取りあげられておらず、ほとんどの市会議員候補者がその賛否を明らかにせず選挙が行われました。その結果、その後のIRの賛否について市会議員の多くが政党の考え方に依存してしまい、民意を代表するよりも政局としての取り扱いに終始しました。
そこで、横浜市も川崎市や広島市などの他の政令指定都市に倣い、常設型の住民投票条例の制定を検討していくべきであると私は考えます。議会という民意を反映する機能に加えて条例が制定されれば、より一層の住民自治及び住民参加の促進による民主主義の強化が期待できますし、多数の民意を反映した安定性の高い政策決定と行政運営が実現するものと確信しています。それに、常設型住民投票条例を制定している他の自治体が横浜市の議会のように民意を反映する機能が弱いとも思えません。議会は議会としてその役割を果たしていくと共に、民意反映の追加的な強化策として、急速な社会環境の変化の中でもより的確に住民の意思を踏まえて政策決定や市政運営を行っていくために、横浜市も条例制定の方向に進んでいくべきだと考えます。そうした方向性になっていくように私も議会で提言していきたいと思います。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>二井 くみよ (フタイ クミヨ)>「住民投票条例の制定で住民自治と民主主義の強化を!」