2023/3/12
横浜市は昨年、戦後初めて人口減少に転じました。今後の総人口は将来大きく減少することも見込まれており、人口減少はすなわち生産年齢人口と納税者の減少を意味します。その結果、住民税が減ることになるので「市が得られる収入が減っていく」ということを意味しています。市が得られる収入が減ってしまうと、これまで行ってきた行政サービスが維持できなくなってしまう可能性もあります。
ところが、横浜市の市税収入の特徴としては「市民税の割合が多い」と言われています。例えば東京都内は会社の本社機能が多いので法人住民税が横浜市よりも多く入ります。現状として住民税の割合が多い横浜市にとって、人口減少は今後の本市の行政サービスの量や質の低下に直結しかねない切実な問題です。
そこで、横浜市会では昨年6月に財政ビジョン特別委員会が開かれ、財政を土台に持続可能な市政が進められるよう、中期的な財政方針として「横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン」が策定されました。
ざっくり申し上げますと、「中長期的な横浜市の厳しい財政状況に対してきちんと見通しを立てた上で横浜市の施策や事業に取り組んでいきます。そうしないと財政状況が逼迫してお金がなくなって事業が行えず、市政運営ができなくなってしまいます」ということです。「財政ビジョン」では、持続可能な財政運営の実現に向けて、今後は「2030年度までに500億円程度の歳出削減をする」という厳しい目標の達成に向けて取り組んでいくことになっています。後7年後には年間予算を現状よりも500億円ほど削らなければいけないということですが、それでは現状の既存の行政サービスや事業から何を削り何を圧縮していくべきなのかということを真剣に議論しなければなりません。でも、この500億円という数字はかなり大きいです。
今後は更なる高齢化も進んでいく中で、この歳出削減の改革によって市民への必要な行政サービスの質や量が低下することは絶対に避けなければなりません。今後、行政の各部局で一つ一つの業務内容を点検して無駄を省く業務改革を行うとともに、市の施設や関連団体の将来的な在り方や事業構造の根本的な見直しを行い「真に必要な行政サービス水準を堅持」するために、市役所は一丸となって取り組んでいかなければなりません。
そして、私たち市会議員はその取り組みに対してきちんと確認や提言を行っていかなければなりません。
将来の横浜市がイキイキと子どもが育ち高齢者の方々が安心して暮らせる、誰一人として取り残さない魅力的な横浜市の街づくりのために、財政にも目を配りながら全力で取り組んでいきたいと思います!
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ホーム>政党・政治家>二井 くみよ (フタイ クミヨ)>「行政サービスの質や量の低下を招かない歳出改革に取り組みます!」