2026/7/17
北方領土対策特別委員会道内調査2日目後半の日程は次の通りです。
②元島民(根室市)との意見交換
③1市4町・関連団体との意見交換
②元島民との意見交換
元島民からの意見です。
・元島民の平均年齢は90歳を超えた。一刻の猶予も許されない。
・ウクライナの戦争が終わったらロシアと毅然と話し合ってもらいたい。
・世界に向けた発信を。
・四島交流事業の再開の見通しが立っていない。墓参だけでも再開してほしい。
・10年前に勇留島(ゆりとう)ワゴン会には元島民の方がたくさんいて、財産権の問題が叫ばれた。啓発のことはまだ後からである。財産権の補償問題は語っていかなければならない。
・語り部ラボを立ち上げ活動し、聞き手に伝わる語り部を追求している。島での思い出をSNSで発信する事業や高校生のプレゼン大会を行っている。後継者の不足が課題である。
・ナショナルセンターの設置を目指し事業計画されており、実現したい。
・後継者希望者に語り部登録していただき全国で活動しているが、2世・3世の現役世代は仕事などで動けない。
・広島の原爆伝承者制度を参考に語り部のベースづくりを行っている。
・シナリオ付きのPPT資料を作成した。これに10分程度自身の話を加えて講話できるよう伝承者に活用していただきたい。
・学校教育の現場での機会の充実を。
・北対協の融資制度について、元島民は90歳で、返済できる年齢ではない。返還運動を引き継ぐ若者にも適用していただきたい。
意見交換・質疑応答です
Q 語り部の育成を系統だてること。学校教育については根室では行われているが、それ以外では年1回あるかないか。学校や教育委員会としっかり協議していただきたい。
A 根室支部では教科書の採択について教育庁中心に行われ、北方領土の記載が多いものを選んでいる。竹島や尖閣諸島と併記されているものもある。探究活動では地域ごとの探究をすることができ、地域の特徴を出すことができる。語り部活動を深められる形にしたい。学習指導要領に則って、小学校で知識を、中学校で実践できるよう取り組んでいきたい。
Q 北方四島に本籍を持っている人の状況について。
A 戸籍は把握していないが、調べて連絡する。
Q 北方領土ときくと本州の人には人ごとに聞こえる。愛着のある名前にする動きはあるのか。
A サンフランシスコ講和条約で千島列島を放棄したが、南千島を含めないように北方領土という名称にした。ぼやっとした呼び方に違和感を感じる方もいる。
Q ナショナルセンターについて。いつから要望されている?どこの範囲で打合せされている?
A 各島民の会、国後島民の会でナショナルセンターの拠点構想を掲げた。総会で事業計画を精査し、国への要望事項としてあげていく。北方館が老朽化しているが、その機能を変えていくときに盛り込むことも。場所は定まっておらず、どこに設置とは掲げていない。
A 昔から、国が責任を持つよう訴えてきた。領土に関する庁や省をつくって国が返還運動をする人を育てていただきたい。語り部の施設として、広島や沖縄ではそのシンボル的な施設があるが、北方領土については拠点となる施設がない。2世3世の語り部は仕事があるからできないので、国が雇っていただきたい。
意見交換の後の雑談でこのようなことを話しました。
Q 財産権の話があったが、登記や相続の状況について
A 当時は登記されていないことも多く、2割程度。しかし、(登記のあるなしに関わらず)全体の問題としていきたい。
③1市4町・関連団体との意見交換
首長、議長、地域の関連団体等の意見です。
・戸籍を北方領土にしている人は148名(前の時間の意見交換への答え)
・後継者の育成はこれまで以上に重要。
・地域における生活安定と経済活性化が求められている。基金の取り崩しが可能になったが十分な水準にたっしておらず、一括交付金制度など安定資金が必要。具体的な検討に至っておらず、道議会のみなさまの支援をお願いしたい。
・別海町では、洋上慰霊に参加できないような方が参加できるようにということで、独自に遊覧船による洋上慰霊をR3からおこなっている。
・S57に北方領土を見て感じることができる施設である別海町白鳥台に別海北方展望塔を建設した。その後、道の駅機能も持たせた。来館者は11万人で過去最高。さらなる展示の充実を図りながら領土問題の魅力向上に取り組みたい。
・隣接地域の環境整備が大事で、整備されないとロシアに誤ったメッセージとなる。
・中標津空港では近年、利用が伸び、昨年は24万人。駐車場が狭くなっており、道立公園を臨時駐車場として使っているのが常態化している。
・持続可能な地域医療について。中標津病院では4割の患者が近隣他町から来ている。いま12億円ほど超過しており、現在の診療報酬ではやっていけない。経営安定に向けて支援していただきたい。
・マインクラフトを授業に取り入れた。ゲーム感覚で勉強できる。領土問題について、子どもたちが入りやすい手法での学習の場所を押し上げていただきたい。
・漁業が基幹産業で、中間線の手前までしか漁ができないが、向こうでは浅い所でもトロールで根こそぎ獲る。スケトウダラが1/20になり、産卵場も荒らされている。資源管理について交渉しなくてはいけない。シャチやクジラは中間線なしで行ったり来たりしている。
・アピール行進は2007年から始まった事業で今年20年目となる。議会中で調整が難しいが、全国に発信していただきたい。
・交流事業の再開を信じてやるべきことがある。訪問事業の参加枠の拡大、墓地の場所の確認、墓地の場所までのアプローチ、ロシア人の日本語学習とともに我々もロシア語を学ぶこと、SNSで#北方領土問題などハッシュタグをつけて投稿することなど。
・若い人にどうやって北方領土問題を広げるかが課題。子どもたちが地元で研修できる仕組みを。
・アピール行進について。年々、関心が薄れている。立ち止まって見てくれるひとは稀。北海道をあげて運動するのだという想いでご理解とご協力を。
・北方領土館について、以前は7~8万人の高校生が訪れていたが今は1/10以下。(バスが止まれるような広い)駐車場がなく、耐震性がないので修学旅行に行けない。
・国は漁業問題について解決済みという姿勢だが、補償されないままである。これは国内の問題である。早期に解決することが必要である。
・根室は一大水産業・観光の拠点として発展してきたが、外交が冷え込み経済が遮断され、行き止まりの町になった。根室の経済基盤を国が責任もって再構築すべき。防衛投資としても具体的な施策が必要である。漁業の財政、技術支援、ダークツーリズムなど、北方領土隣接地域を経済特区にしていただきたい。
・領土問題を次世代に引き継ぐために、強い経済基盤が必要。道立自然公園の国定公園化、水産ブランドの価値向上、広域的な販路拡大など。地域の雇用を守るために地域では限界があり、柔軟な支援をお願いしたい。
・領土問題の啓蒙に観光は大きな役割を果たせる。交通が貧弱なので少しでも解決し宿泊税を活用し交通ネットワークの足りない部分の施策として考えていただきたい。オーバーツーリズムとは無縁で、まだまだ交流人口を増やしたい。
意見交換・質疑応答です
Q お金を払ってガイドしている人は何人いる?ガイドの育成している?
A ネイチャーツーリズムなどいま組織が4つ。人数は把握していない。
Q ダークツーリズムのガイドはいる?
A 語り部がそのひとつ
Q 財源対策協議について
A 財源対策が何もない。北方領土、海、林業も奪われた中で、何もないこの地域で特別な振興を図ってくれということで、国80%、道20%で100億円の利息を運用するというスキーム。その運用益が1%を切り、再度要請をした結果、年間4億円取り崩しが可能となった。しかし、それでも足りず、根本的な法律の後押しが必要である。
北方領土について、北海道議会では主に啓発活動などに関することは多く取り上げられていますが、融資制度、拠点施設の設置(ナショナルセンター)、省庁の設置、まちづくり、交通や観光など、啓発以外の様々な観点からのご意見もたくさんいただき大変有意義な意見交換となりました。このことは翌日の北海道新聞、釧路新聞にも掲載されました。


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