2026/6/7
国家情報会議設置法案①【5.26内閣委員会】内閣総理大臣に対する質疑
松戸市議会議員の岡本ゆうこです。
2026年5月26日、私は参議院内閣委員会の傍聴席に足を運びました。
午前10時の開会から、午後0時4分に休憩に入るまでの前編の模様を、自治体議員としての視点を交えてご報告いたします。
【内閣総理大臣に対しての質疑】
◆ 立憲民主党・杉尾秀哉議員の質疑
『情報の公正性と権限集中への懸念』
最初に注目したのは、立憲民主党の杉尾秀哉議員による質疑です。杉尾議員は、選挙時のネット動画に関する疑惑の追及から入り、政治の誠実さと管理責任を厳しく問うた後、法案の核心部分へと切り込みました。
✅質疑と答弁の概要
杉尾議員は、情報部門が政策部門の意向に忖度し、情報が歪められて政策決定が誤る懸念や、内閣情報官などの人事権が総理の一存に委ねられることによる「権限の集中・肥大化」を指摘しました。
これに対し高市総理は、「政策部門と情報部門は相互に分離、峻別されている」「組織が肥大化したり総理の独裁に繋がったりする仕組みではない」と答弁し、客観的な分析が担保されると主張しました。
✅自治体議員・岡本ゆうこの視点
地方自治の現場でも、行政が扱う情報の中立性と公正さは大前提です。特定の政治的意図やトップへの忖度によって情報が歪められるようなことがあれば、市民の信頼は一瞬で失墜します。チェック&バランスの機能が国会や法制度の中に明確に組み込まれていなければ、情報のブラックボックス化が進み、巡り巡って地方自治や市民生活への不当な干渉に繋がりかねないという強い危機感を覚えました。
◆ 日本共産党・大門実紀史議員の質疑
『大量の個人情報処理と市民監視のリスク』
日本共産党の大門実紀史議員が、より具体的な「個人情報・プライバシー保護」の観点から鋭い質疑を行いました。
✅質疑と答弁の概要
大門議員は、アメリカの国防防諜安全保障局(DCSA)による自動データ照合を用いた広範な監視体制を例に挙げ、日本でも同様の国民監視に繋がるのではないかと懸念を表明しました。
さらに、大量の個人情報をプロファイリングして市民監視に悪用されていると人権団体等から強く批判されている米「パランティア・テクノロジー社」のシステムに言及。同社のシステムは2023年にドイツの連邦憲法裁判所で「違憲」と判断されている事実を指摘し、総理が同社創業者と会談した意図を厳しく追及しました。
高市総理は、会談は先端技術分野の意見交換であり、現時点で同社システムの採用が決まっているわけではないとしつつも、情勢に応じたセキュリティ・クリアランスの見直しなどの重要性を述べました。
✅自治体議員・岡本ゆうこの視点
この質疑には、私も深く考えさせられました。
松戸市をはじめとする基礎自治体は、住民票や税、福祉など、市民の極めて機微な個人情報を膨大に預かっています。国がAIやビッグデータ解析を駆使した巨大な情報機関を作る際、これらのデータが吸い上げられ、市民のあずかり知らぬところでプロファイリングや過剰な監視に使われるリスクは否定できません。「一般市民のプライバシーは本当に守られるのか」という懸念は、地方に生きる私たちにとって極めて深刻な問題です。
◆ 個人情報と政治的中立性をめぐる「共通の懸念」
今回の審議では、公明党の窪田哲也議員からも、「個人情報やプライバシーが無用に侵害されたり、特定党派の利益を図るような情報収集が行われたりはしないか」という国民の懸念が代弁されていました。
窪田議員は、中長期的な情報活動の推進方策文書において、これらを防止するための具体的方策をしっかりと書き込むべきだと主張し、総理もその点について議論する姿勢を示しました。
【傍聴席での実感】
党派を問わず、多くの議員が「市民の権利が脅かされるのではないか」という点に強いこだわりと懸念を持っていることが浮き彫りになりました。それだけ、この法案が持つ影響力は大きく、慎重な議論が必要とされているのです。
午前中の審議は緊迫した空気のまま進み、審議の締めくくりとして提出された「立憲民主党による修正案」の具体的な中身と、そこに込められた重要性については次のブログにて書きたいと思います。
国家情報局設置法案②【5.26内閣委員会】第三者機関の監視の目を求めて〜立憲民主党の修正案提出…に続きます。

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