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横須賀市の終活支援を視察。「父の看取り」と「介護離職」が教えてくれたことを松戸市へ

2026/6/4

横須賀市の終活支援を視察。「父の看取り」と「介護離職」が教えてくれたことを松戸市へ

松戸市議会議員の岡本ゆうこです。 
私はこれまで、松戸市議会の中でも特に「人生の最終段階」に関わる領域を専門としてきました。 
火葬場、相続、空き家、孤独死、死後事務、エンバーミング等のフューネラルビジネス。 
どれも“誰かがやらなければならないこと"です。 
私がこの分野に強い使命感を持つ理由は、単なる政策的関心ではありません。 
父の看取りを経験し、その過程で介護離職も経験したことが、私の政治家としての原点だからです。 
介護と仕事の両立に悩み、最期の時間をどう支えるか葛藤し、 
「人は誰しも、人生の終わりに不安を抱える」 
「その不安を少しでも軽くするのが、社会の役割ではないか」 
と痛感しました。 
あの経験があったからこそ、私は議員として“人生の出口”に関わる政策を専門にし、現場を歩き、制度の穴を見つけ、改善提案を続けてきました。

そんな私にとって、今回の横須賀市視察は、まさに“必然”ともいえる学びの場でした。

◆横須賀市が直面した「身元が分かるのに無縁」という衝撃 
横須賀市では1990年代後半から、身元が分かるにもかかわらず、引き取り手のない遺骨が急増しました。 無縁納骨堂で遺骨を扱う職員が、骨壺を開けるたびに“市民の名前”を目にする。 その現実が、終活支援の原点だったといいます。 
背景には、全国共通の構造的変化があります。 
• 単身世帯の急増 
• 親族の遠距離化・高齢化 
• 携帯電話普及による「連絡不能社会」 
• 地域コミュニティの希薄化 
特に携帯電話の普及は決定的でした。 
固定電話番号を基にした「104照会」が機能しなくなり、行政は親族に連絡が取れないケースが急増。 横須賀市のデータでも、携帯電話契約数が固定電話を上回った2000年前後から、無縁遺骨が急増しています。

この“社会構造の変化”を真正面から受け止めたのが、横須賀市の終活支援です。

◆第1の事業「エンディングプラン・サポート(ES事業)」 
ES事業は、低所得・身寄りなしの市民を対象に、葬儀・納骨までの死後事務を支援する制度です。 しかし、この制度の本質は「死後の支援」ではありません。 
生前から死後まで、行政が切れ目なく寄り添う仕組み これこそがES事業の核心です。 
• 本人は生前に費用を前納 
• 市と協力葬祭事業者が死後事務委任契約を支援 
• 毎月の安否確認、家庭訪問 
• 死後は市職員が火葬・納骨まで立ち会う 
この制度により、無縁化を防ぎ、本人の希望に沿った葬送が実現されています。 登録者のうち約2割が、死後に意思が尊重されており、数字としても効果が表れています。 
さらに、市民後見人の活用も進み、元気なうちから本人を知る「準専門家」が後見人候補として関わる仕組みが構築されています。 これは、全国的に増加している「首長申立て」の課題にも対応するものです。

◆第2の事業「わたしの終活登録」“生前の不安”に寄り添う行政の覚悟 
ES事業は対象が限定的であるため、横須賀市は2018年に「わたしの終活登録」を開始しました。 
こちらは、所得や家族構成に関係なく、希望する全ての市民が登録できる制度です。 
登録できる情報は最大11項目。 
• 緊急連絡先 
• かかりつけ医・アレルギー 
• 葬儀の生前契約先 
• 遺言書の保管場所 
• 墓の所在地 
• エンディングノートの保管場所 
• 臓器提供の意思 
これらを市が預かり、緊急時には病院・警察・消防・福祉事務所が市に照会できます。 
特筆すべきは、電話一本で登録できる手軽さです 
コロナ禍では申請が倍増し、市民の「倒れたらどうなるのか」という不安に行政が応えた結果だといいます。 
実際、終活登録証を携帯していた高齢者が救急搬送時に適切な連絡先につながり、命を救われた事例も紹介されました。

◆松戸市が進むべき方向 ➡️ “死後”だけでなく“生前”を支える行政へ 
松戸市では「死後事務サービス支援制度」が始まりました。 これは市民の不安に寄り添う重要な施策だと思います。 
しかし、今回の視察で痛感したのは、松戸市の制度はあくまで「死後の出口支援」であり、 市民が最も不安を抱える「生前の不測の事態」には十分対応できていないという点です。 
• 認知症で意思が伝えられない 
• 救急搬送時に家族と連絡が取れない 
• スマホのロックで連絡先が分からない 
• 遺言書やエンディングノートが見つからない 
• 生前契約した葬儀社が分からず、契約が無駄になる 
これらは松戸市でも日常的に起きている問題です。 
横須賀市の「わたしの終活登録」は、これらの課題に対する極めて現実的な解決策です。 
行政が情報のハブとなり、緊急時に公的機関が連携して本人の意思を確認できる仕組みは、市民の安心感を大きく高めます。

◆松戸市で導入すべきと考える仕組み(提案) 
私、岡本ゆうこは、今回の視察を踏まえ、松戸市として以下の点を検討すべきと考えます。 
1. 生前の意思決定支援制度(終活登録)の導入 
2. 緊急連絡先・医療情報・葬送希望などの登録と照会システムの構築 
3. 市民後見人の活用と、元気なうちからの関係構築 
4. 孤立防止の観点から、地域コミュニティとの連携強化 
5. 携帯電話普及による「連絡不能」問題への対策 
6. 行政が“情報のハブ”として機能する仕組みの整備 
松戸市は人口規模も大きく、多様な市民が暮らしています。 だからこそ、年齢や障害の有無に関係なく、誰もが自分の意思を託せる仕組みが必要であり、そしてこの対策を急がねばなりません。

◆「父の看取り」と「介護離職」が教えてくれたこと、そして松戸市へ 
視察を通じて最も感銘を受けたのは、ご説明をしてくださった、北見万幸氏の「誰一人取り残さない」という強い覚悟でした。 
孤独死は完全には防げません。 
しかし、尊厳を守ることはできる。 
本人の意思を生前に預かり、必要な時に確実に届ける。 
その姿勢は、岡本ゆうこが目指すべき方向性と一致しています。 
そして私は、父の最期をそばで見届け、その過程で介護離職を経験したことで、 「人生の最終段階にこそ、行政の支えが必要だ」 と痛感しました。 
だからこそ、今回の視察で得た学びを松戸市政にしっかり反映し、 市民の皆さんが安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。

✅松戸市死後事務サービス支援制度 
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kenko_fukushi/seikatsushien/chiikifukushi/shigojimu.html

✅横須賀市エンディングプラン・サポート事業 
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2610/syuukatusien/endingplan-support.html

✅横須賀市わたしの終活登録 
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2610/syuukatusien/syuukatutouroku.html

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著者

岡本 ゆうこ

岡本 ゆうこ

選挙 松戸市議会議員選挙 (2022/11/20) [当選] 2,469 票
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