2026/3/2
奈良県における特定外来生物対策について、県議会の一般質問で取り上げました。
近年、全国的に外来種問題が深刻化していますが、奈良県でも例外ではありません。とりわけ、桜や梅、桃などの樹木を枯死させる「クビアカツヤカミキリ」の被害が拡大しています。
クビアカツヤカミキリは、幼虫が樹木の内部を食い荒らし、最終的に枯死に至らせる極めて侵略性の高い外来昆虫です。
奈良県では令和元年以降、県内28市町村で被害が確認されています。生駒郡内でも発生しており、さらに今年は吉野山の千本桜でも被害が確認されました。
吉野山は日本を代表する桜の名所であり、奈良県の重要な観光資源です。しかし、問題は観光だけではありません。梅や桃などの果樹も被害対象であり、農業への影響も懸念されています。被害が拡大すれば、地域経済や農家の営みにも直結する重大な課題です。
あわせて取り上げたのが、水生外来植物「ナガエツルノゲイトウ」です。
この植物は極めて繁殖力が強く、水田や農業用水路を覆い尽くすことで農業被害を引き起こします。近畿各地では定着が確認されており、関西広域連合でも議題となっています。
現在、奈良県内での定着は確認されていないものの、再侵入への警戒が必要な状況です。一度定着すれば駆除は非常に困難とされており、早期発見と予防的対策が重要になります。
私は県議会において、奈良県としての対策強化を求めました。
第一に、早期発見体制の強化です。被害は初期段階で対応すれば拡大を抑制できます。情報共有の迅速化と監視体制の強化が不可欠です。
第二に、市町村との広域連携です。外来生物は行政区域を越えて拡大します。県主導での広域的な防除体制構築が求められます。
第三に、民有地を含めた支援策です。特に吉野山では、県有地だけでなく民有地の桜も多く存在します。県有地のみの対策では景観全体を守ることはできません。面的対策と財政的支援の制度化が必要です。
県からは、被害確認マニュアルの整備、被害情報の地図上での一元管理、防除講習会の実施などの取り組みが示されました。
また、民有地を含めた多面的な対策については「防除効果を高める上で重要と認識している。今後、市町村と連携しながら支援の在り方を検討する」との前向きな答弁がありました。
しかし、「検討」にとどまらず、具体的な制度設計と予算措置にどうつなげていくかが今後の焦点です。
奈良は歴史と自然が共存する地域です。吉野山の桜は日本の原風景の象徴であり、梅や桃は地域農業を支える重要な資源です。
特定外来生物の問題は、単なる環境問題ではありません。観光、農業、地域経済、そして次世代に引き継ぐ景観の問題です。
県として何を優先し、どのような財政措置を講じるのか。今こそ、全庁横断での本格対策が求められています。
今後も奈良県議会での議論と現場の状況を丁寧にお伝えしながら、奈良の自然と産業を守るための取り組みを続けてまいります。
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