2026/9/10
昨日は、本会議終了後に決算特別委員会が開かれました。
会計管理者による概要説明で、40分ぐらいの会議となりました。主な事業のところは一旦おいておいて、財政全体の状況を確認しておきます。
一般会計は、歳入494億2,897万9千円、歳出481億3,540万円。翌年度への繰越財源を差し引いた実質収支は8億8,247万円となりました。
実質収支は前年度から約50%減少していますが、この数字自体を特に問題視しているわけではありません。物価高騰などの社会情勢を受け、財政的に苦しんでいる自治体が多くある中で、実質収支がプラスである時点で、上出来であると受け止めています。
令和7年度は、小中学校体育館への空調設置など、必要な投資を行った年度でもあります。
教育費は前年度比25.4%増、性質別に見た投資的経費も54.0%増となっています。特に、小中学校体育館への空調設置には7億5,438万1千円を投じています。
体育館への空調設置は、こどもたちの教育環境を改善するだけでなく、災害時の避難所環境の改善にもつながるものです。一度整備すれば一定期間にわたってその効果が続くことからも、必要性の高い投資であったと考えています。
単年度の収支だけを見れば実質収支は減っていますが、必要な投資を行った結果としての減少であり、8億円を超える実質収支も確保しています。
歳入の中心となる市税は256億5,447万1千円で、前年度比1.4%の減となりました。
ただし、主な要因は、前年度に株式等譲渡所得が著しく高額であったことによる市民税の反動減です。一方、固定資産税は1.2%増、都市計画税は1.4%増となっています。
したがって、市税が1.4%減少したことをもって、芦屋市の歳入構造そのものに大きな変化が生じたとは考えていません。
経常収支比率は98.4%となり、前年度から上昇しています。
数字としては高い水準ですが、このことだけをもって財政が危機的な状況にあると評価するものではありません。
近年は、扶助費や人件費、物件費などの経常的な経費が増加する傾向にあります。一方で、地方自治体の歳入は急激に増やせる性質のものではありません。
こうした状況を考えれば、経常収支比率が高くなることは、昨今の地方自治体にとってある程度は構造的なものでもあります。
もちろん、まったく問題がないという意味ではありません。経常的な経費が大きくなるほど、新たな政策に使える財源の余地は小さくなります。
一時期よく言われた「スクラップ・アンド・ビルド」は、単なる行政改革の方便ではなく、今後ますます重要になる考え方だと思います。新しい政策を行うのであれば、既存事業の目的や効果を確認し、何を優先し、何の優先順位を下げるのかを不断に見直していく必要があります。
令和7年度末の一般会計基金残高は214億8,321万4千円となり、前年度末から約18億4千万円増加しました。
一方、市債残高は382億9,185万8千円となり、前年度末から約39億円減少しています。また、将来負担比率も3.5%となっています。
今後はJR芦屋駅南地区再開発事業の工事が本格化し、基金を活用する場面も増えてくるものと思います。その前段階として一定の基金を積み上げていることにも合理性があります。
基金は多ければ多いほど良いというものでもありません。必要な備えを確保しながら、今の市民生活を改善し、将来にも効果が残る投資には適切に財源を使っていくことが重要です。
芦屋市は、市税が歳入の約52%を占めています。その中でも個人市民税は約141億円と、大きな割合を占めています。
そのため、財政の健全性を維持することはもちろん大切ですが、財源を使わずに貯め込むことだけが正しい財政運営だとは考えていません。
「芦屋市は住みにくい」「別のまちに住みたい」と思われるようになれば、将来的には税収基盤そのものにも影響します。教育、子育て、防災、都市基盤など、今の生活の質を高める投資は、現在の市民にとっての利益であると同時に、将来にわたって芦屋市が選ばれる自治体であり続けるための投資でもあります。
令和7年度決算について、財政全体を見れば、現時点で特段大きな問題があるとは考えていません。むしろ決算審査では、財政全体の数字を必要以上に問題視するのではなく、個々の事業について、投じた経費に見合った成果があったのか、今後も継続する必要があるのか、さらには事業そのもののあり方や政策判断が適切だったのかという点をしっかり確認していくことが重要だと考えています。
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