2025/11/20
草加市の生活保護の最新データから、コロナ禍を経て一時的な変動が落ち着いた今、生活保護の現状や構造的な課題を分析しました。
まず、生活保護世帯と人数の推移を下の表にまとめました。
新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年度から2022年度にかけて、収入減少や失業などにより生活保護世帯及び人数は増加しました。その結果、2022年度の生活保護率は1.64%まで上昇しました。
しかし、2023年度以降は、雇用情勢の改善などにより減少に転じました。2024年度の生活保護率は1.60%に減少しています。
生活保護率は減少傾向に転じたものの、高齢化や単身化により、1世帯当たりの人数は2020年度の1.24人から2024年度には1.20人まで減少が続いています。これは、支援が必要な世帯が、より単身の高齢者にシフトしていることを示唆しています。
生活保護率が減少傾向の一方、その内訳である「世帯分類」を見ると、社会の高齢化に伴う構造的な変化が鮮明です。
2020年度と比べて、傷病世帯や母子世帯は減少した一方、高齢者世帯や障がい者世帯が増加しています。
以下のグラフは、2020年度と2024年度の世帯分類ごとの内訳を示しています。
被保護者(生活保護受給者)のうち、75歳以上の高年者が30.4%を占めています。生活保護が、コロナ禍の「失業対策」から、「高齢者・障がい者の生活を支えるセーフティネット」としての役割を強めていることがわかります。
※注:外国人生活保護受給者は112世帯(171人)で、上記の各世帯分類のなかでカウントされています。
生活保護費(扶助費)は、主に生活扶助、住宅扶助、医療扶助などに分けられます。その推移を表にまとめました。
現在、被保護者の延べ82.3%が医療扶助を受けており、その総額は38億円近くにのぼります。
この5年間で5億円近く増加し、一人当たりの年間医療扶助費は約115万円の水準まで上昇しています。
市の分析によると、高齢者世帯の増加による日々の医療費増に加えて、突発的な体調の変化により、救急搬送され手術をおこなうことや長期入院が増加していることも要因となっているとのことです。主な病気として、大動脈解離や心筋梗塞などの心疾患が多くみられます。
草加市の生活保護の現状は、景気の波だけでなく、高齢化社会という避けられない構造的課題に直面していることを示しています。
「高齢者・障がい者世帯の増加」と「医療扶助費の増大」に目を向け、セーフティーネットとしての適正な事業運営に加えて、市民の置かれている厳しい状況をより深く分析し議論していく必要があります。
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