2026/2/1

本日、木村誉愛媛県議会議員とともに、八幡浜市に事務局がある愛媛県高次脳機能障がい者を支援する会「あい」の代表の方から現状の課題などお話を伺いました。
高次脳機能障害は、交通事故や転倒、脳出血・脳梗塞などによる脳の損傷が原因で起こります。外見からは分かりにくく、「気付きにくい障がい」とも言われていますが、記憶力や注意力、感情のコントロール、段取りを考える力、言葉の理解や表現などに障害が現れることがあります。
そのため、本人の努力や性格の問題と誤解されやすく、当事者や家族が苦しい思いを抱え込んでしまうケースも少なくありません。
高次脳機能障害の症状は多岐にわたります。
疲れやすい、集中が続かない、イライラしやすい、やる気が出ない、言葉がうまく出てこない、同じことを何度も聞いてしまう、段取りが立てられない――。
こうした症状は、日常生活や仕事、人間関係に大きな影響を及ぼします。しかし、周囲からは「怠けている」「性格の問題」と受け取られてしまうことも多く、当事者が孤立してしまう要因にもなっています。
理解されない状況が続くことで、当事者は自信を失い、不安や抑うつ、無気力といった「二次障害」を抱えてしまうケースもあります。
本人自身も「なぜ以前のようにできないのか分からない」状態に陥りやすく、家族もどう支えればよいのか悩み、次第に孤立してしまう現状があります。
高次脳機能障害は外見から分かりにくいこともあり、医療の現場においても十分に理解が行き届いていないケースがあると指摘されています。医療圏の中でさえ、症状の特性や生活上の困難が正しく共有されず、適切な支援につながらないことも少なくありません。
その結果、当事者や家族は「どこに相談すればよいのか分からない」「理解してもらえない」という思いを抱え込み、支援からこぼれ落ちてしまうことがあります。
だからこそ、高次脳機能障害への理解を医療・福祉だけでなく、社会全体で深めていくことが、回復に向けた環境づくりの第一歩になると考えます。
こうした当事者や家族の声を受け、2025年12月高次脳機能障害者支援法が成立しました。
この法律は、高次脳機能障害を「個人や家族だけの問題」とせず、社会全体で支えていくべき課題として位置づけた点に大きな意義があります。
支援法では、
自立と社会参加の確保、社会的障壁の除去
医療提供から地域での生活支援、社会参加支援に至るまで、切れ目ない支援の実施
地域生活、教育、就労、家族などへの支援
相談支援・研修担う「支援センター」設置
患者と家族、学識者、医療・教育・労働など関係機関から構成される地域協議会の設置
などが、国や自治体の役割として示されています。
高次脳機能障害をめぐっては、長年にわたり制度の谷間に置かれ、十分な支援が受けられない状況が続いてきました。
こうした現状に対し、公明党は1998年に政府へ質問主意書を提出したことを皮切りに、高次脳機能障害への支援充実に一貫して取り組んできました。
当事者や家族の声に寄り添いながら、国会で課題を繰り返し取り上げ、医療・福祉・就労をつなぐ支援体制の必要性を訴え続けてきました。
その積み重ねが、今回の支援法成立につながり、患者・家族の悲願が制度として形になったと言えます。
支援する会「あい」では、支援法の趣旨を現場で生かすため、当事者や家族が安心して話せる交流の場づくりや個別相談、自立や社会参加に向けた支援を続けています。
同じ悩みを持つ人と出会い、経験を共有できることは、当事者や家族にとって大きな心の支えになります。支援の輪が広がることが、回復に向けた環境づくりにつながっていきます。
高次脳機能障害は、誰もが事故や病気をきっかけに当事者になる可能性のある障害です。
支援法が成立した今こそ、その内容を実際の支援につなげ、地域の中で理解が広がる契機にしていくことが重要です。
行政や医療、福祉だけに任せるのではなく、地域社会全体で支え合い、当事者や家族が孤立しない環境を整えていく必要があります。
今回伺った当事者の声と、支援法に込められた思いを、今後議会でしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
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オオタ ユキノブ/59歳/男
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