2025/11/27
新宿区が、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の区としての購読を取りやめる方針を表明しました。
背景には、区議から職員に対して政党機関紙の購読を勧誘する行為が長年行われていたこと、さらには管理職の約85%が勧誘経験を持ち、その6割以上が「心理的圧力を感じた」と回答している現状があります。
これは共産党に限った話ではなく、政党・議会と行政組織の健全な関係という観点から、改めて考え直すべき問題です。
まず、行政組織としての購読です。
新宿区では秘書課が「赤旗」「赤旗日曜版」をそれぞれ3部ずつ購入していたとの説明。しかし、行政の“情報収集”として機関紙の購読は否定されるものではないにせよ、幹部職員がこぞって購読する必要は全くありません。
情報収集が目的であれば、
購入すれば十分。これは行政運営の基本です。
ところが今回のアンケートが明らかにしたのは、情報収集というよりもむしろ「議員からの勧誘に応じた結果として、管理職が購読する構造が長年続いていた」という実態でした。
情報収集の必要性ではなく、政治的関係性や圧力が、行政職員の購読行動を歪めていた。
ここが問題の本質です。
吉住区長は議会答弁の中で、
と説明しました。これは「違法ではないからOK」という問題ではありません。
行政組織に対して議員が物理的・心理的影響力を行使しうる立場にある以上、業務時間中の庁舎内での勧誘・集金行為は、公務の中立性や職員の自由意思を損なうリスクが極めて高い。
議会と行政は、適度な距離を保って健全な関係を維持すべきです。この距離が曖昧になるほど、行政職員は「議員に逆らえない」という空気に飲まれ、なし崩し的な慣習が固定化します。
私は今回の決定は、行政の情報収集体制をより健全な形へと整備する好機だと考えます。
政治的中立性を求められる行政組織にとって、「職員が心理的圧力を感じつつ、特定政党の機関紙を購読し続ける」という状況は望ましくありません。
情報収集という目的から考えても、
と整理できます。
行政の購読ルールを透明化し、「必要性」ベースで媒体購入を決める仕組みへと見直していくことが求められます。
区は今後、職員が心理的圧力から解約しづらい場合のケアやルール整備も検討するとのこと。これは大切です。
行政組織で最も優先すべきは、「職員が政治的影響を受けずに公務ができる環境」です。
これは自治体でも国でも、行政組織が公正であるための最低条件と言えます。
今回の問題は、長年の慣習がもたらした“グレーゾーン”を正面から見直す、良いきっかけです。
赤旗に限らず、政党機関紙の購読が行政職員の「暗黙の義務」になっていた地域は他にも存在するとされます。
どこの政党であれ、行政に対して不必要な圧力がかかる構造は放置すべきではありません。
この当たり前の関係を保つためにも、新宿区の取り組みが自治体全体の健全化につながることを期待しています。
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