2026/4/16
4月14日に、先日行われた参議院内閣委員会(3月24日)の大臣所信聴取に対する質疑を行いました。
大臣所信とは、各省のトップである大臣が、国会の委員会などで自らの担当分野の基本方針や課題認識、今後の施策の方向性をまとめて述べる公式の演説を指します。
「総務委員会であれば総務大臣」が、「厚生労働委員会であれば厚生労働大臣」が各委員会で行います。
しかし、現在、塩村あやかが所属している「内閣委員会」は、他の委員会とは少し状況が異なります。
先述したように、総務大臣、厚労大臣のように内閣委員会の専門の担当大臣はいません。
「内閣委員会なので、内閣大臣?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
内閣委員会は、内閣府や内閣官房など内閣に関する法律案、予算所管事項をなど専門的にそして幅広く審査する委員会です。
内閣の基本方針、行政組織、経済安全保障、消費者行政など幅広いテーマについて質疑・審議が行われ、そのため、内閣委員会の所管大臣は複数名もいるんです!
2026年4月15日現在、
・木原 稔:内閣官房長官、沖縄基地負担軽減担当大臣
・松本 尚: 行政改革担当、国家公務員制度担当 、サイバー安全保障担当大臣
・あかま 二郎:国家公安委員会委員長、領土問題担当、海洋政策担当大臣
・黄川田 仁志:食品安全担当、男女共同参画担当、アイヌ施策担当、共生・共助担当、 女性活躍担当、共生社会担当大臣
・城内 実:経済財政政策、日本成長戦略担当、賃上げ環境整備担当、スタートアップ担当、全世代型社会保障改革担当、感染症危機管理担当、経済財政政策担当、規制改革担当大臣
・小野田 紀美:外国人との秩序ある共生社会推進担当、経済安全保障担当大臣
・赤澤 亮正:中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣
のなんと7大臣も所管担当大臣がいるのです。
さらに、最後にご紹介した赤澤大臣は、
「内閣委員会においては」中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣ですが、メインは「経済産業大臣」です。赤澤大臣は、その他にも原子力経済被害担当、GX実行推進担当、産業競争力担当、原子力賠償損害・廃炉等支援機構担当大臣を兼務されるなどを兼務されています。
これは、60を超える「大臣としてのポジション(肩書き)」があるにも関わらず、内閣法において、国務大臣の数は、十四人以内とする。
ただし、特別に必要がある場合において は、三人を限度にその数を増加し、十七人以内とすることができる。
と定められているからなんです。
先月の3月24日に、この7大臣が「大臣所信」を委員会室で述べられました。


【女性特有の健康課題、痛くない乳がん検診、更年期障害治療HRTなど】
まずは、質疑に入る前に、「中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣の赤沢国務大臣から所信を聴取後、副大臣、および政務官のいわゆる”政務三役”から発言がありました。その後、塩村あやか委員による質疑が、10時05分頃より始まりました。





動画はこちらから
*当日の質疑の概要は以下の通りです。
【塩村委員】
一番最初に城内国務大臣にお伺いをしたいと思います。
全世代型社会保障についてでございます。
こちらの改革工程(全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋)
というものを読ませていただきました(リンク参照)。
これを見ますと、介護現場の生産性の向上や業務の効率化が示される一方で、
制度を支える人材やサービス提供の体制を重視して、
人材の確保・育成や処遇改善が重要であるということが明記されています。
また、将来世代の安心を保障して個人の幸福と共に社会全体を幸福にすることが、
全世代型社会保障の基本理念としても掲げられています。
まさにその理念に立てば、私は効率化だけではなくて、
実際に地域で介護を担う人をどう確保していくのか、これが重要だと考えています。
そこで”公務員介護士の復活”を提案したいと考えております。
2040年に向けて介護人材の不足が深刻化する中、人口減少が進む地方では民間事業者のみに
介護基盤を委ねるということは既に限界が見えています。
しかも地方では、若い世代が地元・地域に残りたくても安定した雇用が乏しいため、
地域を離れざるを得ないという現実もあります。
であるならば、地方自治体が介護職を公的に位置づけて、
安定した雇用と処遇のもとで確保していくということは、
介護のインフラを守るということだけではなくて、
若者に地域で働き・暮らし続けられる仕事を作り、地域への定着を後押しすることにも
つながるのではないかと私は考えています。
大臣は全世代型社会保障の観点から、地方の若者を地域に定着させ、
合わせて介護基盤も安定させる方策として、地方における公務員介護士の復活について
どのようにお考えかお伺いをしたいと思います。
【城内国務大臣】
塩村委員から、介護士を公務員とすべきという趣旨のご質問をいただきました。
まず、全世代型社会保障の構築におきまして、介護につきましては、
令和5年に閣議決定されました改革工程に基づきまして、介護人材を確保していく観点から、
介護現場における生産性向上や働きやすい職場環境作り等に
取り組んできているところでございます。
塩村委員ご指摘の点も含めまして、介護事業を所管する厚生労働省と連携をしていきます。
【塩村委員】
昨年の参議院本会議で私は、高市総理に質疑を行いました。
高市総理のご答弁、更年期のしんどさを本当にご自身の言葉で語っていただいて、
私はちょっとグッとくるものがありました。どれだけ大変だったんだろうということが
ご答弁からも分かりました。しんどい思いをして、そして社会の理解もやっぱり十分じゃなかった旨を
答弁されたわけなんですが、当事者の痛みを知る高市大臣のもとでこそ、
この課題に国を挙げて取り組むべきだと私は考えております。
更年期障害による年間の経済損失なんですが、約1.9兆円。
これ経産省が出している試算(2ページ目・リンク参照)だと思うんですが、
”更年期障害”の両隣を見てみてください。婦人科系がんの経済損失が約6000億円、
そして婦人科がんも約6000億円の損失。更年期障害による経済損失の1.9兆円。
もはや個人の問題ではないと私は思うんですね。女性政策であると同時に就労継続であり、
社会、そして経済政策でもあると思います。黄川田大臣にお伺いをいたします。
更年期障害は政策としてしっかり政治が解決すべき「国家的な課題」だと思うんですが、
大臣のご認識はいかがでしょうか。
【黄川田大臣】
委員ご指摘の更年期障害、この対応をしっかりと進めていくことは
大変重要であると認識しております。
更年期に関する理解の浸透、また医療機関での早期発見と治療、
そして治療と仕事の両立支援、これらを促進することが必要であると考えております。
更年期前後からの健康支援が重要であると考えております。
【塩村委員】
質問通告にも書かせていただいたんですが、先ほどもお聞きしました。
更年期障害対策のための政策は、
「国家的な課題」であるという認識でよろしいでしょうか。
一言でお答えください。
【黄川田大臣】
私はこの更年期障害の問題、大変重要であると考えておるということでございます。
【塩村委員】
よくわからないご答弁だったんですが、
「国家的な課題」であると私は捉えておりますので、
ぜひそういうつもりで取り組んでいただきたいと思っております。
続いて、仁木厚生労働副大臣に来ていただいております。
45歳から59歳の女性1340万人のうち、更年期障害がある方は415万人(31%)。
一方で実際の受診者は26万人(6.2%)にとどまっているんですね。
症状を自覚しても、94%ぐらいの方が受診すらしていないという状況です。
更年期障害、受診をした後に治療が始まっていくわけなんですが、
HRTというものがありまして、これはホルモンの補充をする療法をHRTと言いますが、
世界的にかなりポピュラーなものになっています。
更年期に低下をするホルモンを補って症状の緩和を図る治療なんですが、
このHRTの普及率、日本では最新のものを調べてみると大体4%ぐらい。
一方、オーストラリアだと56%、アメリカやフランスは38%程度。
イギリスはも30%を超えてまして、日本は諸外国に比べて著しく低い。
つまり、更年期の皆さん、苦しい症状を抱えたまま、
(我慢をして)日常生活を送ってお仕事をしているということになるんですね。
どうしてこんなに日本はこのHRT療法が遅れているのか、
立ち遅れている原因を厚労省としてどのように分析をしているのか伺います。
【仁木厚労副大臣】
更年期障害の方々に起こりうる症状緩和のためのホルモン補充療法、
いわゆるHRTは有効な治療の手段であると考えております。
これは特にエストロゲン製剤が1961年に保険適用されて以来、
現在も保険の診療においてHRT療法が行われているという認識でございます。
塩村委員のお示しの資料もありますが、
ただ一方で、日本における1万5019人の女性を対象にした研究では
HRTの使用経験者の割合は13.8%と報告されている一方、
米国における1万3058人の女性に対する研究ではHRTの使用経験者の割合は
4.7%と報告されており、感覚としては私自身も医者をやっていましたから
塩村委員のお示しのようなデータの感覚もあるんですけれども、
アメリカの方がむしろHRTを使用している経験者は少ないというデータになっています。
厚生労働省としましても、医療機関への受診、そして治療の重要性を含め、
女性の健康に関するさらなる情報発信の強化を進めたいと思っておりますし、
これ診断が除外診断でもありますし問診が大切なわけでございますけれども、
結構診療にも時間がかかったりします。その上での治療の選択肢において、
漢方であったり、抗不安薬や抗うつ的な薬物療法もありますけれども、
やはりHRT療法が良いということもありますので、
いろんな背景を加味した上で取り組んでいくものだと思っております。
【塩村委員】
ありがとうございます。今の副大臣の答弁(政府見解)それこそが、
恐らくこのHRTの療法を日本が阻んでいる原因じゃないかなと今お聞きして思いました。
「日本で13.8%の更年期障害を抱えた女性がHRTを受けた」
と副大臣お答えになりましたが、どの報告ですか?
【仁木厚労副大臣】
Journal of Epidemiology
(論文名:Prevalence of the Use of Oral Contraceptives and Hormone Replacement Therapy in Japan: The Japan Nurses’ Health Study:一般社団法人 日本疫学会)
で2022年に報告がされています。
【塩村委員】
その報告の対象者(HRT使用経験者)は、看護師さんなんですよね。
看護師さんはやはり一般の方より医学的知識も意識も高い。
一般的な群(グループ)の調査を、国として捉えなければならないし、
逆に、意識の高い看護師さんたちであってもわずか13.8%なんですよ。
アメリカでは時間をかけて行う複雑な診療が評価されておりまして、
イギリスでは更年期政策は、国家戦略のもとでアクセス改善や医療者の教育、
職場支援まで進められて、国が更年期は放置すべきでないと明言をしているんですね。
オーストラリアでも専門的な更年期診療を支える体制がございます。
とにかく原因が更年期にあるということを突き止めるためには時間がかかるので、
このような制度・仕組みが海外は整っていて対策が練られているということになるんです。
一方で日本では、医師が患者に丁寧に時間をかけるほど赤字になっていきまして、
時間をかける診療に”ペナルティ”が出てしまう、そういった構造になってしまっています。
現場の医師の善意に依存をしているのが実態でありまして、
これでは更年期を熟知する女性ヘルスケアの専門医
(医師全体のわずか0.4%しかいないと聞いていますが)が増えるはずもないんですね。
やればやるほど赤字になるみたいな感じなので、構造的な欠陥を放置している。
これが日本の現状だと思っています。
つまり日本が立ち遅れている原因というのは、当事者の理解不足だけではなくて、
政府が今の答弁のような認識を持っているということと、
治療につながりにくい制度設計となっている点にあると考えています。
国立成育医療研究センターの調査では、更年期障害が重い母親ほど、
思春期の子どもとの関わりに難しさを抱えるということになるんですね。
子ども自身の孤独感、不安、抑うつ、
インターネット依存の傾向もより強く示されたということなんです。
中でも母親の更年期症状のうち、「心理症状」が
子どものメンタルヘルスと最も強く関連しているという調査結果になっています。
是非、子ども担当の黄川田大臣にも心の中に留めておいていただきたいなと思っています。
つまり更年期症状の適切な対応というのは、本人の健康を守るということだけでなく、
働く力を守り、生活の基盤を回復させて、
家族への悪い影響を軽減することにもつながっていくということです。
放置による損失はあまりにも大きくて、
治療によって改善しうる価値は極めて大きいと私は考えています。
このまま放置をして生じ続ける労働損失の大きさと、
適切な治療によって取り戻し得る価値の大きさ、
どのように受け止めておられるか副大臣にお伺いをしたいと思います。
【仁木厚労副大臣】
重要なご指摘でございまして、更年期障害の治療管理に関する
診療報酬上の評価について、令和8年度診療報酬改定に向けて関係学会のご提案も踏まえ、
中医協の医療技術評価分科会等において検討を行ったが、
現時点では評価すべき医学的な有用性が十分に示されていないという結果が出ております。
この間の議論の方でやはり経済的損失が1.9兆円あるとか、今おっしゃったような形もあります。
社会全体でこの更年期障害が重要であると踏まえて(もちろん男性の更年期もございますので)、
医療機関への受診ができるような体制づくり、
そのための知識の啓発等々も国を挙げてやっていくべきであると思っております。
【塩村委員】
やはり経済的な損失って大きいわけですよね。
何事も経済的な損失だけで語るのは良くないと私は考えているんですが、
両方ともハッピーになるんだったらきちんとこの政策を前に進めていくべきだと思う中で、
経済的な損失の面からも認識を政府、特に厚労省にしていただきたいなと思っています。
経産省の管轄になってくるから連携が取れていなくて
バラバラになってるんじゃないかという認識を受けておりますので、
しっかり横串を通して考えていただきたいと思います。
明確に有効な治療だということが確認できたと思うんですが、
であるならば次に問われるのはこれを進めていく制度だと考えます。
女性の知識不足だけが原因ではなくて、
最大の壁は日本の医療制度そのものになると考えています。
更年期障害の診断は多様な症状の除外がとても複雑なんですね。
頭が痛いとか腰が痛いとか色々な症状があって、
それをちゃんと適切に診断していくということが時間がかかるんです。
HRTを始め治療には専門知識と丁寧な問診と説明が不可欠になってまいります。
しかし現在、更年期診療に特化した診療報酬上の管理料というものがこ
の”HRT治療には存在していない”わけなんですね。
初診料は2880円、その後の継続診療に対する医師への対価は再診料の730円のみ。
これでは、更年期障害に特化した医師、病院の維持が困難です。
厚労省には後押しをしていただきたい。
【仁木厚労働副大臣】
ご指摘の更年期障害の治療管理に関する診療報酬上のさらなる評価については、
関係学会から意見や科学的根拠を踏まえ、引き続き中医協の方で議論してまいりたい。
【塩村委員】
関係学会や関係する皆さんの声を受け止めて前に進めていただきたいと思っています。
私は業界の代弁をしているわけではなくて、人口の半分は女性であり、
若くなっていく人はいない中、みんな更年期を迎えていくわけなんです。
働く女性たちや、家庭生活の中でしんどい思いを抱えながら家事や育児をしているお母さん、
妻が笑顔になれば、家族の笑顔も増えていくと考えておりますので、
ぜひ政府には積極的に前に進めていただきたいと考えています。
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