2025/6/12
私が生まれ育ち、今も住んでいる「猿喰」の海は元々かなりの遠浅で干潮時には相当広い干潟が現れます。
地元の偉人、石原宗祐翁は江戸時代にこの干潟を干拓して猿喰新田を作られました。
平成16年には、市が干潟を利用して人口海浜を整備しました。
しかし、設計通り上手くいかずに砂浜の砂が波に流されて定着せず、対策として防波ブロックを設置すると水が滞留してしまい、土壌がぬかるんで緩くなってしまい、安全面から堤防からの立入りが禁止されました。
議員1期目の時から、本会議や委員会などで状況の改善を求め、平成28年に堤防の柵が撤去されたものの、ぬかるみは解消されず、砂浜の手前に新たな柵が設けられました。
この、ぬかるみを解消しようということで、3年前から地元有志の皆様が市の許可を得て、土壌を改善する力を持つ牡蠣殻を細かく砕いて固めて素焼きした、通称「すやっきー」を大量に手作りし、袋に詰めて数ヶ所に設置しています。
今日はその経過報告をするため、市の環境局職員の皆様にも現地にお越ししていただきました。
浜辺では真っ黒だったぬかるみ部分が砂地に戻っていたり、以前は見られなかった多くの動植物を見ることができました。
中には、レッドデータリストに絶滅危惧種として記載されているコアマモやオサガニ、アマモについたコウイカの卵など、珍しい生き物をたくさん目にすることができました。
環境局職員の皆様のおかげで、その稀少さを知ることができ、地元の皆様と驚きの連続でした。
これらのことが「すやっきー」の効果なのかについて、今後検証するのにも力を貸していただくという話にもなりました。
また、砂地に戻るのは、人間から見れば見た目や安全性の面からは良いことですが、海辺の生物からすると、泥の方が良い場合もあるというお話も伺い、「環境とは?」と改めて考えさせられました。
今後も日常的な一般解放は簡単ではありませんが、だからこそ絶滅危惧種と共生できるビオトープとしての可能性も感じました。
背後地にある猿喰新田の歴史や継続性、そして生物の多様性も含めて、環境教育にはうってつけな地域となり得ることに期待が膨らみました。
その後は、まだ日が落ちていませんでしたので、実家の田で田植えの準備を手伝いました。
綺麗な海、生物の多様性を保つためには、川や山、そして農地を守ることも重要です。
米作りはもとより、猿喰新田の歴史や景観と共に海や生き物を守る。
地域だけでなく、我が国の根底に関わることだなと、百姓の誇りと責任を改めて実感しました。
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