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牧島 かれん ブログ

こどもDX、保育DX、保育ICT、こども家庭庁、こどもまんなか

2026/5/11

「こどもDX政策勉強会」では保育DXを突破口に、一般社団法人こどもDX推進協会、社会福祉法人日本保育協会青年部、一般社団法人保育ICT推進協会、小田原市等からもヒアリングを行い以下提言を取りまとめました。小倉まさのぶ顧問と向山じゅん事務局長と共に、津島淳副大臣に提言を手交しました。

こども DX 政策勉強会 提言

~保育 DX を突破口とした「こどもまんなか社会」の実現に向けて~

令和 8 年 5 月 11 日

自由民主党こども DX 政策勉強会

我が国は、急速な少子化と人口減少という、国力の根幹を揺るがす深刻な事態に直面している。政府の「こども未来戦略」に基づく「加速化プラン」が着実に進展する中、その効果を最大化し、一人ひとりのこどもと子育て家庭に安心と幸せを届けるためには、デジタル技術を活用した「こども DX」の着実な推進が不可欠である。本勉強会では、「こどもまんなか社会」の実現のためのデータ活用・DX について、その議論を深める入口として、まず保育分野に焦点を当てた検討(以下、保育 DX)を行ってきた。保育現場は、全国約 3.7 万施設において就学前児童の過半数(55.7%)にあたる約 270 万人の乳幼児が日々利用する、地域に根づいた子育て支援拠点であり、我が国における重要な社会インフラである。また、地域のこども・子育てにおける結節点たる保育施設には、登園や活動記録、発達記録や健康データなど極めて重要な社会的資源となるデータが蓄積されている。

保育分野において国の統一基盤とのデータ連携が本格的に開始する中で、今後、こどもDX は、従来の施設や行政関係者の業務効率化という視点を超え、デジタルの恩恵をこども・保護者に直接還元する「こどもまんなか社会」実現のための DX に昇華させていくことが求められる。官民の強力なパートナーシップによって、こども DX を抜本的に加速させるべく、政府に対して下記の施策および取組を強力に進めるよう提言する。

1.課題の所在と目指すべき施策の方向性

これまでの取り組みにより、保育施設・行政関係者の負担軽減、業務効率化を目的とした保育施設のデジタル化(フェーズ 1)や、政府のデータ連携基盤の整備(フェーズ 2)は着実に進展してきた。一方、フェーズ 1、2 は「関係者の業務負担軽減」に重点が置かれており、最も重要な当事者であるこどもの成長支援や保護者の安心・利便性向上といったベネフィットが政策目標として十分に可視化されていない。こども DX の本来の目的は、デジタル技術を通じた「こどもまんなか社会」の実現、すなわち、全てのこども・若者たちが身体的・精神的・社会的に幸せな状態 (ウェルビーイング)で生活を送ることができることにあり、その原点に立ち返った将来の絵姿としてフェーズ 3 を明確に位置付けることが求められる。それぞれのフェーズにおける課題と目指すべき施策の方向性は以下の通り。

フェーズ 1:現場のデジタル化と活用促進の徹底

保育所は「量の確保」から「質の向上」への転換期を迎え、保育士に求められる業務は一層多岐にわたり、現場には生産性向上が強く求められている。一方で、施設内の業務デジタル化は、地域や施設規模、施設ごとの方針などによる導入格差・活用格差が依然として大きい現状がある。その背景には、現場の ICT 活用に対する心理的な障壁やリテラシー不足、施設内で活用を推進する人材の不在、デバイスの整備・更新に伴うコスト負担などの障壁が挙げられる。現場の ICT 活用を促進のためには、制度や補助内容について、現場の実態に即して不断の見直しを行う必要がある。

フェーズ 2:政府システムへの連携促進

自治体職員や保育施設にとって、給付や監査に係る業務負担軽減は喫緊の課題であり、政府システムによる「保育業務ワンスオンリー」等への期待は極めて高い。令和 8 年度より本格稼働する「保育業務施設管理プラットフォーム」や「保活情報連携基盤」等の政府システムの実効性を高めるためには、自治体・保育施設の参加、および政府システムと民間システム間の円滑な連携が不可欠である。しかし、施設が希望しても自治体のシステム未利用により連携が叶わない等の制度的課題が生じているほか、民間システム側においても、接続に伴うシステム改修に対するインセンティブが乏しい実態がある。また、政府システム連携に際してのセキュリティ基準等が明示されておらず、民間システム側に委ねられている状況である。自治体ごとに独自の基準や複雑な事務プロセスが根強く残る中、政府システムの全国展開に向けて、一部の地域や施設が取り残されることのないよう、自治体・施設・民間が足並みを揃えて連携を推進するための施策を実現する必要がある。

フェーズ 3:データ利活用による「こどもまんなか社会」の実現

保育現場のデジタル化により蓄積されるこどもの成長や学びのデータは、医療・教育・福祉等の他分野との連携を通じて、支援を必要とするこどもや家庭の早期発見、ライフステージの移行期における切れ目のない成長支援、さらには保護者のニーズを先取りしたプッシュ型支援の実現など、こどもと保護者が直接恩恵を受けられる具体的な課題解決に繋がるものである。「業務負担軽減」の成果を堅持しつつ、政策の軸足をこうしたデータ利活用による当事者の課題解決へと広げ、その活用を通じて「こどもまんなか社会」を実現することを保育 DX 政策の「フェーズ 3」として明確に位置づける必要がある。また、保育データを活用した連携事例は現時点では限定的であり、十分にデータを活用できているとは言い難い。保育データのみならず教育・福祉・療育・医療等こどもに関わる他分野データの連携も促進し、こどもまんなか社会の実現にあたってこども・保護者に対する具体的便益を可視化し、政策ビジョンや KPI を明確化することが求められる。また、こうしたデータ連携の促進にあたって、課題となるデータの標準化や個人情報保護のあり方を整備する必要がある。

2.各フェーズにおける具体的取組

上記3つの各フェーズにおける施策の方向性について、それぞれ具体的な取り組みを以下の通り提起する。

フェーズ 1:現場のデジタル化と活用促進の徹底

〇財政支援の強化:これまで実施されてきた ICT4 機能(登降園管理、保護者連絡、計画・記録、キャッシュレス)に対する導入補助金を継続するとともに、補助金の対象機能や要件等について現場の実態に応じて見直しを検討すること。特に計画・記録機能については、施設ごとの帳票フォーマットにシステム側が対応できず導入が進まない実態を鑑み、独自帳票への対応など現場に寄り添った柔軟なシステム設計を求めるような制度とすること。また、キャッシュレス機能については、決済手数料の負担が導入障壁となっている実態を鑑み、公的支援スキームの導入も含めて支援の在り方を見直すこと。加えて、新設される公定価格上の加算(保育 ICT 推進加算(仮))においては、現場の実態やニーズに合致する制度設計を第一に、政策目的の達成を図ること。

ICT 活用に資する人材育成に向けた取組の拡充:現場職員一人ひとりの ICT リテラシー底上げを図るため、指定保育士養成施設での教育カリキュラムにおける ICT 科目の必修化や保育士試験の試験内容における ICT 科目の追加、職員への定期研修の実施など、ICT 活用がベースとなるよう教育・研修制度を抜本的に拡充することを検討すること。また、施設内で ICT 推進の中心となる人材の育成・配置や、外部の専門家による伴走支援を促進することにより、保育施設が自走してシステム利活用を推進するための体制整備を支援すること。

ICT 活用に必要な端末配置の促進:データ入力のボトルネックとなっている端末不足の解消に向けて、現場ごとの実情を踏まえた上で、ICT・IoT 活用に必要な端末配置台数について、自治体や施設による端末導入・更新及び活用に係る環境整備に資する財政支援を講じること。

フェーズ 2:政府システムへの連携促進

〇自治体・施設に対する普及啓発:施設・自治体がデータ連携の恩恵を享受できるよう、広報周知等により施設・自治体双方に対し政府システムの利活用を促すこと。また、政府システムが対象とする給付・監査業務は、自治体や担当者ごとに異なる基準や通知解釈のバラつき(ローカルルール)や都道府県・市町村間での重複が多分に存在する。そのような業務であることを鑑み、これを是正するため提出様式、提出頻度、判断基準など標準的な運用・項目、及び、都道府県と市区町村の役割分担等を示すこと。

〇民間事業者のシステム連携を促すインセンティブ設計:保育 ICT システム等を提供する民間事業者の投資意欲を喚起し、政府システムとの連携を加速させる財政的支援または制度的措置を講じること。同時に、政府システムとの連携におけるセキュリティ基準を明確化し、基準をクリアした連携事業者の一覧公表等により調達の透明性を高め、自治体等が安全かつ最適にシステムを選択できる市場環境を整備すること。また、政府システムと民間システムの役割分担を明確化し、連携に必要なデータ項目・仕様の標準化を推進することで、官民で持続可能なシステム運用を進めていくこと。

フェーズ 3:データ利活用による「こどもまんなか社会」の実現

保育現場で蓄積されるデータは、こどもの発達や家庭の状況を把握し、個別最適化された子育て支援を実現するために極めて有効な社会的資源である。この保育データを起点に、医療・教育・福祉等の他機関が保有する情報とのデータ連携を実現できれば、例えば、以下のような当事者への直接的な価値提供が可能となることが想定される。

• 複数の情報源を横断的に分析することで、支援を必要とするこどもや家庭を早期に検知し、問題が深刻化する前に適切な支援につなげる。

• 保育から教育へのライフステージの移行期において、こどもの成長記録を切れ目なく引き継ぐことで、一人ひとりに最適化された成長支援が可能となる。

• 保護者のニーズや状況を先取りしたプッシュ型の情報提供・支援により、制度の利用漏れを防ぎ、真に必要な支援をタイムリーに届けることができる。

分野横断的なデータ利活用の促進を通じてこども DX の目的である「こどもまんなか社会」を具現化するため、以下の取組を推進すべきである。

〇こどもデータ連携による先端事例の創出促進:保育現場に蓄積されているこどものデータの利活用において、どのようなデータが何の目的で活用できるのか等、具体的な便益を可視化すること。その上で、保育データ・電子母子手帳データ等も活用したデータと連携で当事者への直接的な価値還元を図る先端事例を創出すべく、補助支援や実証事業の実施を検討すること。加えて、各事例において政策ビジョンや解決すべき課題、当事者が得られる具体的なベネフィット、及びそれを測定する KPI を明確に設定すること。

〇データ利活用促進に向けたデータ標準化・法的整備等の推進:上記のデータ連携を進めるにあたり、データ標準化や個人情報保護の在り方など、障壁となる課題を速やかに抽出した上で、必要な制度見直しや運用改善を含めた対応を実施すること。

以上

 

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著者

牧島 かれん

牧島 かれん

選挙 第51回衆議院議員選挙 2026年 (2026/02/08)
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神奈川17区 106,966 票 [当選] 比例 南関東ブロック 自由民主党

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