2026/9/15
平塚駅の南口で実施されている神奈中バスの自動運転の実証実験は、日本の中でもかなり最先端を走っています。
トヨタからも平塚市に対して、平塚で自動運転の実証実験を行いたいとの申し入れがありました。
また、平塚にはトノックスなど、自動運転のハードウェアに関わっている企業もあります。
茅ヶ崎でも松風台と市民病院の間で自動運転の実証実験が行われました。
湘南は、日本でも自動運転で先頭グループを走っています。
私はこの地域から自動運転を実用化していきたいと思って、様々な取り組みを後押ししています。
今年上半期(2026年1月-6月)の交通死亡事故件数は905件でした。
それを第一当事者(自動車運転者)の年齢層別にみてみると、20歳未満、20―29歳、70―79歳、80歳以上のカテゴリーで、免許保有者数の割合を超えた死亡事故件数の割合になっています(表参照)。
特に免許保有者数の割合でいくと4%しかいない80歳以上の免許保有者が、死亡事故の12%を起こしていることがわかります。
| 年齢階層 | 死亡事故件数 | 割合% | 運転免許保有者数 | 割合% |
| 20歳未満 | 21 | 2% | 762,731 | 1% |
| 20-29 | 129 | 14% | 9,716,204 | 12% |
| 30-39 | 84 | 9% | 11,610,593 | 14% |
| 40-49 | 112 | 12% | 14,844,297 | 18% |
| 50-59 | 176 | 19% | 17,169,376 | 21% |
| 60-69 | 136 | 15% | 13,290,333 | 16% |
| 70-79 | 141 | 16% | 10,818,137 | 13% |
| 80歳以上 | 106 | 12% | 3,298,698 | 4% |
この数字を見るまでもなく、免許を返納すべきかどうか悩んでいる高齢者も多いと思いますが、免許を返納してしまうと次の日から買い物や通院などに困ってしまうという方も少なくないでしょう。
しかし、もし自動運転が実用化され、自動車に乗って行き先を言えば、そこに自動的に連れて行ってくれるようになれば、免許の返納で悩む必要がなくなります。
先日、ある大学教授が、事故を起こさない自動運転の技術が開発されるのはまだまだ先だから、自動運転の導入は当分の間はありえない、という発言をされていました。
たしかに事故を起こさない自動運転の技術の開発は、まだまだ先かもしれません。
でも、絶対に事故を起こさない技術の開発が自動運転の導入に必須でしょうか。
もし、自動運転の方が今の人間の運転よりも安全になるならば、自動運転に切り替えるべきではないでしょうか。
高齢者が運転するよりも自動運転の方が統計的に安全ならば、自動運転の導入を認めるべきではないでしょうか。
高齢化が進む日本だからこそ、自動運転の技術開発を積極的に進めなければなりません。
しかし、現状では日本の技術は他国と比べて遅れています。
外国では何年も前からいくつもの都市で無人タクシーが縦横無尽に走っています。
日本ではやっと来年から、同じ無人タクシーが始まる予定です。
自動運転の初期の技術に「ルール・ベース」というものがありました。
交通規則をプログラム化して、それに基づいて自動車を走らせるという技術です。
平塚市の南口で行われている神奈中バスの自動運転の実証実験もその技術からスタートしました。
しかし、なかなかうまくいきません。
例えば、人間が運転しているときに、片側一車線の道路脇に自動車が停まっていたらセンターラインを越えて追い越すことはよくあります。
ところが自動運転の車は、センターラインを越えて追い越しをするのが苦手です。
片側一車線の道路脇に自動車が停まっていると、自動運転の車はセンターラインを越えてその車を追い越すことができず、そこで止まってしまうということがしばしば起きます。
そうなると、「万が一のために」乗っている人間の運転手が介入して、センターラインを越えて停まっている車を追い越さなければならなくなります。
そのままでは、いつまでたっても万が一のために運転手を乗せた実証実験が続くだけです。
ところが最近、人間が自動車を運転する様子をAIにインプットし、そのデータに基づいて人間が運転するようにAIに運転させる新しい技術が広がっています。
この方式だと、道路脇に停まっている車を人間が運転する車がセンターラインを越えて追い越していくデータがAIにインプットされるため、AIが同じように運転していきます。
私がこの技術で動く自動運転の自動車に試乗したときは、東京の赤坂の狭い通りを、朝の出勤時間帯に、路上駐車している車や横断歩道以外をわたる人間、狭いところに突っ込んでくる自転車を避けながら人間の運転と同じように走っていきました。
東京オリンピックの選手村で、自動運転で走行していたバスが軽い接触事故を起こしました。その後、延々と警察によるその事故の捜査が続き、日本の自動運転の開発にブレーキがかかりました。
自動運転の技術がいくら進歩しても、事故をゼロにすることはできないにもかかわらず、一度事故が起きれば、運転手がいない自動運転の自動車の事故の責任が自動車メーカーにかかってくるならば、メーカーとしてそんなリスクを取ることはできないので、自動運転の開発を中止する、そんなことになりかけました。
これではいけないということで、デジタル庁が主導して、自動運転の車が事故を起こした時のルールを明確化しました。
一、人間が運転していない自動運転の車が事故を起こしても、自動運転のシステムがルールに適合してきちんと機能していれば、開発者の過失責任が問われないことが明確にされた
二、事故の被害者は、保険などで十分に補償される
三、事故の原因を調査する事故調査委員会が設置され、事故の原因を調べて、必要な改善策が自動車メーカーや自動運転のソフトウェア会社の開発に確実に反映されるようにする
日本における自動運転の開発をスピードアップするために、たとえば、西暦XXXX年には、X歳以上の運転を禁止するという法律を作ることも考えられます。
そうなれば、日本国内に自動運転の大きな市場ができることになり、それに向けて自動車メーカーだけでなく、さまざまな企業が自動運転の技術開発に大きな投資をするでしょう。
その結果として、自動運転の技術が進み、コストも大きく削減されていくことになります。
高齢者が乗っている車に、後付けできる自動運転用のAIカメラとソフトウェアをセットにした自動運転システムが安く売り出されれば、運転免許を返納しても、今までと同じ車で免許なしで買い物や病院に行くことができます。
道路も今よりも安全になるでしょう。
自動運転は、高齢化が進む日本社会にどうしても必要な技術です。
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