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日本語で囲い込まれている特許やノウハウなど日本独自のデータを日本独自の生成AIで徹底的に活用する。

2024/10/13

経済は科学技術の創造性を超えては発展しない

1994年に日本で初めて行われたインターネットの見本市「インターロップ」を幕張メッセで見たとき、これで世界は変わると確信したことを今でも鮮明に覚えています。その翌年、私は転職し、生命保険会社の営業職としてインターネットで保険を販売するサイトを立ち上げました。それは当時としては時期尚早でしたが、引き合いがあったことを思い出します。2023年1月、チャットGPTにいくつかの問いを入力してみた際、1994年と同じインパクトを感じ、再び「これで世界が変わる」と実感しました。新たな時代が始まり、次の秩序形成に向けて世界は動き出しています。

私たちの国の優位性とは

理化学研究所を訪問し、人工知能の研究者と意見交換を行いました。その中で、私たちが様々なデータを提供し問いかけを繰り返すと、私たちの情報や思考パターンといった知的財産がChatGPT側に吸収されてしまう恐れがあることに気づき、日本に根ざした独自の人工知能の必要性を強く意識しました。

さて、海外から帰国すると、日本の良さを改めて実感します。清潔、親切、安全、美味しい食事、豊富な自然環境など、解決しなければならない社会問題もありますが、この良さをさらに大切にしたいと思います。特に、日本語は私たちの国に残された数少ない貴重な資産です。

日本語データ(国立国会図書館が鍵)、アニメや浮世絵、着物などの意匠データ、J-popや演歌を含めた幅広い音楽データ、さらに大学や研究所、企業に眠っている特許やノウハウなど、あらゆる日本文化を蓄積し、それらを処理・提供する人工知能(生成AI/大規模言語モデル)を構築することが重要です。これにより、日本の知的財産の主導権を握る戦略を推進することが、我が国の優位性を保つことにつながると考えます。

例えば、日本は国民皆保険で、国民全員の医療情報を持っている数少ない国です。そのデータを新薬の開発に活かすことで、新しい価値が創造されます。また、ものづくり企業が持っている特許やノウハウを、その企業に限定した生成AIに覚え込ませ、学習させて新製品開発や特許出願に利用する会社も出てきています。従って、日本語という限られた空間に閉じ込められた豊富な技術データや文化データを生かすことで、新しい世紀をリードできる力を日本は持っていると考えます。


さて、Googleが提供する100GBのストレージ(記録容量)の年間利用料2,500円を支払いましたが、その振込先は「Google Ireland Limited」であり、アイルランドの口座に入金されました。また、ChatGPT 4.0に申し込んだ際、月々の支払いは「円」ではなく「ドル」でした。

私たちの国はこれまで、食糧やエネルギーの輸入に頼らざるを得ない状況にありましたが、デジタル分野でも海外企業に依存せざるを得ない状況になっています。Apple Storeでのアプリのダウンロード、NetflixやHuluで映画を観る、Airbnbを利用した民泊など、普段何気なく利用しているサービスの購入が、そのまま海外への送金となり、2023年のこの分野での赤字累計額は5兆5,000億円を超えています。この5年で赤字額が倍増したことを考えると、今後さらに増加することが予想されます(原油の輸入額は10兆円です)。

私もそうですが、使用しているOSはWindowsやiOSで、仕事ではOfficeを使用し、データベースソフトウェアはFileMakerを愛用しています。クラウドはiCloudとGoogle Driveを利用し、映画はNetflixで視聴し、地元で購入できない商品はAmazonで買い物をしています。選挙区内の移動にはGoogleマップのナビが欠かせません。最近では、ChatGPT 4.0を利用するために毎月20ドルの使用料を支払っています。これらすべてが、日本に本拠地を置いていないサービスです。

私たちが利用しているネット通販の利用料や、政府や民間企業が利用するクラウド(データセンター)使用料、インターネットのバナー広告利用料も、ほとんどが海外の企業に送金されています。

日銀がデジタル赤字のマネーの動きを集計しているため、5兆5,000億円という数字がどのように集計されたのかを確認しました。事業者は、1回あたり3,000万円以上の海外送金について、その都度内容を日銀に届け出ます。その集計額をもとに全体の推計が行われるそうです。

インターネット取引はサーバー設置国で課税

政府は、ガバメントクラウド(データセンター)として、Amazon、Google、Microsoft、Oracleの4社を起用し、それぞれの日本法人と契約しています。年間利用料は150億円と見込まれています。4社とも日本法人との契約であるため、売り上げは国内で計上され、法人税を日本政府に納めた後の利益が海外に送金されます。(政府クラウドのあり方については、本レポート2023年05号を参照ください。私のHPにアップしています。)

税金を納めたくない企業は、法人税が軽減される国を選ぶことになります。その例として、2016年にAirbnb社をこのレポートで取り上げました(私のHPには「検索機能」を用意していますので、「Airbnb」と入力して検索できます)。インターネット取引では、サーバーを置いている国が事業を行っている国と見なされ、その国で課税されることが国際ルールで決まっています。Airbnb社の場合、売上の15%の手数料はサーバーを置いているアイルランドで法人税が課税され、日本では課税されません。

先日、国土交通省に確認しましたが、8年経ってもこのルールに変更はありません。各国もこのビジネスモデルに疑問を抱き、現在、147カ国で徴税に関する条約案の協議が進められています。しかし、米国との調整が難航しており、合意の目処は立っていないようです。

EU(欧州連合)に追随せざるを得ないのか

米国と日本でシェアが高いiPhoneでは、アプリケーションの購入がApple Storeに限定されており、競争が働いていません。その結果、購入代金の30%がApple社の手数料となっています。EU(欧州連合)はこの競争の欠如を問題視し、iPhoneユーザーが希望すれば他のストアを利用(インストール)できるようにしました。この動きを受け、2024年の通常国会で法改正が行われ、2025年12月以降、日本でも同様のことが可能になります。

1987年にマッキントッシュを使い始めて以来、Appleの洗練されたグラフィカルユーザーインターフェイス(PC画面のデザインや操作性)に慣れ親しんできた私としては、Apple Storeのままでも構わないのですが、日本発のおしゃれなストアが登場したら、ぜひ利用してみたいと思います。競争が導入されることで、私たちの選択肢が増えるのは良いことです。

EUはヨーロッパの27ヶ国を束ね、4億5,000万人の人口を擁しているため、米国のAppleやGoogle、MEGAなどと対等に交渉できる力を持っていますが、人口1億2,000万人の日本一国では、デジタル規制に関してEUに追随せざるを得ない面もあります。この分野では、今後もEUとの協調が必要となってくるでしょう。

一方で、META(旧Facebook)など米国の主要IT企業は、ChatGPTに代表される人工知能サービス分野で、開発とサービス提供を優先し、EUの規制を無視して進む可能性があります。その結果、EUが規制を強化すれば、EU域内では最先端のサービスが利用できなくなる恐れがあります。米国とEUとの規制のせめぎ合いは、今後も注視していく必要があります。 

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著者

大島 あつし

大島 あつし

選挙 第51回衆議院議員選挙 2026年 (2026/02/08)
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埼玉6区 81,509 票 比例 北関東ブロック 中道改革連合 [当選]

肩書 衆議院議員
党派・会派 中道改革連合
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