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■参議院山口補選の結果とネット選挙的視点での分析

2013/4/24

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いよいよ東京も春の装いとなってきましたが、みなさんのところはいかがでしょうか。

さて、4月はとにかく選挙が多く「ミニ統一地方選」などと呼ばれています。先日の日曜日だけで100を超える選挙が行われました。現在も気が遠くなるような数の選挙が行われています。私はきっちりした仕事が苦手なので、選管に問い合わせてデータを送ってもらい、それを根気強く入力していく作業はできません。ひたすら、うちのスタッフにお願いして頑張ってもらうしか無いわけです。いつも感謝しているよ~

その「ミニ統一選」で参院山口補選が行われています。投開票日は4月28日です。「7月の参院選の前哨戦」などと言われていて、自民も民主も気合の入った応援を行なっています。自民党にとっては安倍首相のお膝元ですし、民主党は与党時代の元法相である平岡氏が出ているわけですから、ぜひ勝ちたいところでしょう。

結論から言うと、平岡氏側から見ると、良くてダブルスコアで負け、悪くてトリプルスコアで負けます。

今、手元に『ザ選挙』と提携している株式会社グリーンシップの行った調査結果があります。今回は別のところからの依頼だということなので、いつものようにこれを公表することはできないのですが、会員の皆さまには一部だけお伝えします。

データは4月14日調査のものです。投票先を聞いたところ、自民党公認で公明党推薦の江島きよし氏は約55%。無所属で出馬し、民主党とみどりの風が推薦で社民党支持の平岡秀夫氏は約20%。「まだ決めていない」のは20%弱です。「まだ決めていない」がすべて平岡氏に行くことは考えられませんから、最終的にはさらに差が広がることが考えられます。

このデータの信憑性という問題もあります。これがネット調査であれば実際は逆だということもありえますが、オートコールの電話調査なので、実際に選挙に行く高齢者が中心になります。つまり実際の結果とかなり近いと考えられるわけです。今から形勢が逆転するとは考えにくいので、江島氏や安倍首相の大スキャンダルでも出ない限りは、このままの結果となるでしょう。

これは民主党にとっては相当痛い結果となります。平岡氏は無所属とはいえ、元民主党政権の法相。保守王国山口でも何度も勝ってきています。

民主党のウェブサイトを見てもその力の入れようがわかります。
http://www.dpj.or.jp/

かたや自民党。本当に山口で参院補選やっているの?という感じ。
http://www.jimin.jp/

選挙の結果が出た時、民主党は「安倍首相の地元でもあり、平岡氏は無所属だから」という言い訳をしてしまうのでしょうか。それにしては、この政党サイトの力の入れようはどうなのでしょうか。選挙後には参院選の戦略を一から見直すくらいのことをやらないと、もう手遅れではないかと思います。

少しネット戦略的な話をすると、「ネット選挙は民主党の圧勝」などと書いてあるブログもあるのですが、まったくの頓珍漢な意見であり、そんなことはありません。それは、普通に考えればわかることなんですよね。

私達が選挙に行く場合、今回のような参院補選があるとしたら、まず何を見るでしょうか。候補者のウェブサイトですよね。これは以下のようになっています。

江島きよし
http://www.ejima-kiyoshi.jp/

平岡秀夫
http://hiraoka-hideo.jp/

こちらは、細かいことを言えばいろいろありますが、両方ともまあ過不足無く手堅い作りです。

次にFacebookを見てみましょう。

江島きよし
https://www.facebook.com/kiyoshi.ejima

平岡秀夫
http://www.facebook.com/pages/%E5%B9%B3%E5%B2%A1%E7%A7%80%E5%A4%AB/507542422614729

江島氏は友達が何人いるかわかりませんが、江島氏をフォローしているのは282人です。というとおそらく友達はもっと多いでしょう。平岡氏の方はFacebookページで、「いいね!」が36人です。

平岡氏の方は、決起集会で「エイエイオー」とやっている写真と自己紹介のアップのみで、他には何もありません。公式サイトへのリンクも入っていない。まったくの無駄です。江島氏の方は個人のページなので、公示以降もコメントや動画のアップが本人以外からされています。本人による投稿も、駆け込みではありますが、写真や文章でいくらか入っています。

Twitterは以下になります。

江島きよし
https://twitter.com/AGP1957

平岡秀夫
https://twitter.com/hiraoka01

フォロワーは、江島氏2,742に対し、平岡氏285です。フォローが江島氏2,948で平岡氏52ですから、江島氏がフォロワーを増やそうと努力していた形跡が見えるのに対し、こちらも平岡氏はただ「作ってみました」というだけのものです。ツイートも江島氏2,809に対し平岡氏139。本人がやっていなくても、これだけの差を付けられていると、平岡氏の完敗です。

いったい、このどこが「民主党はネット選挙圧勝」なのでしょうか。民主党が本気で平岡氏を勝たせようとネット選挙を意識しているのであれば、少なくともこれらの数字で圧倒的に差をつけるように仕掛けていかなければダメです。

ソーシャルではボロ負けでも、公式サイトでは互角のように思えますが、まず平岡氏のサイトはトップページにTwitterとFacebookを掲載していてこれですから、おそらくアクセス数もほとんど無いでしょう。動画も、たとえば「アベノミクスについて」という関心を持たれそうな動画の再生回数は16回。民主党サイトの細野幹事長の応援メッセージですら161回です。他のビデオもこんなもんです。

政治家として江島氏が平岡氏よりも優れているという話はまったく聞こえてこないので、江島氏への支持というのは自民党や安倍首相への支持がそのままスライドしてきたものだと思います。その点では平岡氏は可哀想としか言いようが無い。

では、民主党はどうしたら良かったのか。

ネットだけで平岡氏を勝たせることは不可能です。現時点では数%挽回するくらいでしょう。ネットをきっかけに、少しでもリアルの支持を広げるようにするしかありません。

まずは集中です。「みんなの力をひとつに。」などという意味のないサイトを作るお金と暇があるのであれば、それを平岡氏のソーシャルメディアに集中すべきです。民主党、社民党、みどりの風、未来の党、そして労組や組合などの名前をずらずら並べても、一体どれだけの有権者の気持ちが動かせるのか。

動画は、本人だけのインタビューではなく地元の有名人、それが叶わなければ政治家でもいいので、応援している人との対談にします。

「みんなの力をひとつに。」
http://gather-together.jp/

次にソーシャルでの拡散です。「みんなの力を集める会」なるものが本当にあるのであれば、そこから10人でもいいのでチームを組んで、平岡氏をおっかけてひたすら写真を撮ってFacebookでタグ付けしていきます。現在はまだ公選法改正となっていないので、直接関係者がサイトを更新することはできません。でも、自分のページを更新してそこにタグ付けするだけであれば違反になりません。

情報量が増えたからといって、それがそのまま平岡氏の票につながるかというと、残念ながら「Yes」とは言えません。しかし、「みんなで担いでいる」という空気を作って行かないと、それは広がって行きません。「みんなの力をひとつに。」は名前だけ。

今回の平岡氏のネット戦略は、誰が立てているかわかりませんが、古いタイプのやりかたにアリバイ的にソーシャルを加えただけのものであり、江島氏側も決してお手本にはなりませんが、完全に負けてしまっています。

このソーシャルの数字や動画の再生数を見るだけでも、支持が伸びていないことがわかります。残念ですが、完敗でしょう。

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