第9回選管アワード月間最優秀賞は、岡山県鏡野町 選挙管理委員会に決定いたしました!
鏡野町では、3月31日に町議会議員選挙が行われました。(町長選挙は無投票当選)3月26日の告示日にはホームページ上に立候補者情報を掲載、有権者に向けて情報を提供しました。
各立候補者の名前には振り仮名がつけられ、有権者に対する細かな配慮が感じられます。また選挙結果の投票結果掲載についても、当日有権者、投票者数、投票率といった基本的情報に加え、立候補者人数と定数も明記されています。また今回、編集部が注目したのは、開票結果ページに、得票数とともに当選者に当選の鈴がつけられていたことでした。(実際のホームページ上では、鈴は左右に揺れています)
数字の羅列に偏りがちな情報の中、「選挙」に対する親しみやすさを感じさせるデザインでした。
鏡野町総務課・課長補佐の武本吉正(たけもとよしまさ)さんに、お話をうかがいました。
「小さな町でスタッフも少ないのですが、出来る限りの情報発信を心掛けています」との言葉の後に、「合併後の各地区における情報伝達網に差があるため、それぞれの地区にあった告知に努めています」とお話しいただきました。
鏡野町は、2005年に奥津町、富村、上齋原村、鏡野町の2町2村が合併して出来た自治体です。その中の1町2村は光ファイバー網が整備されており 、ケーブルテレビや屋内外拡声器による選挙公報がなされていますが、残る1町には 整備がされておらず、選挙告知についても選挙公報の配布、広報車での 選挙促進アナウンスなどを併走して行う必要があるとのことでした。振り仮名入りの立候補者情報の掲載については、有権者からの意見により、今回初めて掲載したとのこと。また当選の鈴については、担当された女性職員の案によるものだそうです。
今回の鏡野町の選挙情報掲載について私たち編集部が感じたのは、武本さんはじめ選挙に携わる方々が、有権者の目線から選挙を見ていこうとする、一貫した強い意識でした。そして実際に武本さんのお話しをうかがいながら、「選挙」というひとつの行事を通じて、合併後の「鏡野町」を一つにしていこうという強い意識を軸にした、自治体と住民の方々との心の通ったコミュニケーションのあらわれが、あのような丁寧で温かみのある掲載内容につながったのではないかということでした。「情報」の内容は数字であっても、「伝達」は「人から人に伝える」行為であることを、改めて教えていただいた取材でした。
これは、十分で適切な選挙情報の公開を促すために、『ザ選挙』編集部が、優れた情報発信を行っている自治体の選挙管理委員会を勝手に称えようというものです。
この賞は、自治体そのものの優劣を決めるものではありません。インターネット上の選挙情報の掲載方法に関して、何かしらのヒント、アイディアの一助になればと思います。
選管が的確な情報を素早く出すということは、選挙の質そのものを向上させ、有権者にとっても非常に有意義であると言えます。この賞は、もしかしたら日本で一番地味かもしれません。しかし、あまり日の当たることの無い縁の下の力持ちの努力を、ほんの少し意識することで、よりよい選挙が実行されるようになると考えています。(『ザ選挙』編集長 高橋茂)
『ザ選挙』編集部では、毎月選管アワードを発表していきたいと考えています。
その月の末日までに投開票のあった選挙を選考対象とし、厳正かつ公正な(一応)判断のもと、選挙情報をインターネット上で発信し、かつその内容が充実している自治体へ贈られます。ユニークな取り組みには、特別賞を贈ることも考えています。
毎月上旬には発表できるようにいたしますので、お楽しみに!
2013年2月度 月間最優秀賞 茨城県城里町
2013年1月度 月間最優秀賞 福岡県北九州市
2012年10月度 月間最優秀賞 山口県周防大島町
2012年9月度 デザイン賞 神奈川県真鶴町
2012年8月度 ソーシャルDE賞 北海道中標津町、鹿児島県宇検村
2012年7月度 月間最優秀賞 宮城県名取市選管
2012年6月度 月間最優秀賞 東京都港区選管
2012年5月度 月間最優秀賞 東京都福生市選管
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