
7月25日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、中道改革連合代表の小川淳也衆院議員をゲストにお迎え!党首討論で話題になった「メモ」発言の真意と与党の数の力で押し切ることへの警戒感とは?そして3党合流についての考え方について、MCの産経新聞編集長・水内茂幸記者が深掘りインタビューします。
MC水内記者:ちょっと普段の党首討論の話を振り返っていただきたいんですけど、(中略)そこで1点、皆さん気になっている、「メモに目を落としているが実際は読んでいない」とお答えになった部分がすごく切り取られて回っていますけれど、あれは改めてどういうことだったんですか?

小川氏:まず玉木さんが先頭バッターだったでしょう。あの時、高市さんがメモも何も持たずに答えている様子を、私は後ろから見ていたんですね。私が質問に立った瞬間にメモを読み始めた。もうちょっと本質を言うと、官僚の書いた作文を朗読し始めたんですよ。それは勘弁してくれと。私もポイントを忘れないように手元にはメモを持っていました。ただ、映像をご確認いただけるとお分かりいただけるように、それは要点を頭に入れるためのメモで、ちゃんと高市さんの目を見て自分の言葉で語りかけているんですね。それに対して官僚の書いた作文を読み上げ始めたので、「それは勘弁してください。せっかくの党首討論の場だから」という趣旨でした。
MC水内記者:あの時確か、その直前に取り上げていた話が皇室典範と衆議院定数削減の話だったと思うんですよね。皇室典範の話は確か衆参両院の議長、正副議長が取りまとめた話で、その後政府に「法案を作ってくれ」と言った時に、政府から返ってきたものの中が衆参議長の取りまとめに入っていないものもあったので苦渋の決断だったと、そう言ったお話をしていました。それに対して「もう読んでいるだけだ」ということに対してお話をされたということですよね。
小川氏:それもそうだし、定数削減もそうだし、官僚の書いた作文を読んでいるんですから、それは勘弁してくださいという趣旨だったんです。
MC水内記者:あの時にやっぱりお話ししたかったことというのは、そこの衆参両院の正副議長と政府が返したものの間で差があった部分というのは、「高市総理の思いが反映されているんじゃないんですか」とおっしゃりたかったのでしょうか?
小川氏:一番は皇室の問題と定数の問題、つまり民主主義の根幹は数の力で押し切っちゃいけませんよということの二大テーマの一つですよね。だってそれで国会、ひいては国民が分断されることは皇室にとっても不幸でしょう。国民にとっても不幸でしょう。だからこれ以上にいわば丁寧な合意形成が求められるテーマは他にないというぐらい、政治・民主主義の根幹に関わることは、数の力で多数派だからと言って押し切っちゃいけないというテーマなんですね。それを振り返っていただいてどうですか。現に分断され、我々もいろんなことを含んで苦渋の賛成をしたものの、きれいには納得はしていないわけですよ。こういう状況を作り出していることの責任、現にその後支持率も急落しているわけでしょ。そういうことも含めて「よく自省してください、振り返ってください」という趣旨でした。
MC水内記者:なるほど。あの場でまさに党首同士議論をぶつけ合うということと、本音を聞き出すというのがあると思うんですけども、僕のような記者の端くれみたいな感じで尋ねている時に、本音を引き出すというのがなかなか難しいと思うんですよね。例えば皇室のことであるならば、事前に委員会の答弁とか色々なものも含めながら官房長官含めて話している部分があって、それ以上のことというのがなかなか総理からも返ってこないんじゃないかなと思う中で、代表として気持ちを引き出す仕事もあったわけじゃないですか。この難しさというのはどう思いますか?
小川氏:気持ちを引き出す努力はしなきゃいけない。ただ政権党の側に立つと、容易に野党から聞かれたと言って白日の下に晒してはいけない本音もあるわけで、そこがまさに攻防ですよね。それで言うと、多党化が進んでいることもあって持ち時間が10数分前後なんで、なかなか一つのテーマに関して本音を深掘りする場にはそもそもなりにくいですよね。あの時も皇室典範でしょう、定数削減でしょう、補正予算が白紙であること、消費減税をどうするのか、国会対応が十分でないことも含め政治的な資質、五つのテーマを10分内で問うているので、ちょっと本音を引き出すというのは本当は望ましいんですけど、なかなか限界のある制約はあるという前提でも、どれも聞き落としてはならないテーマなので、終盤国会を迎えるにあたって結果としてはそちらを優先することになりました。
MC水内記者:大きな塊を作っていきたいということで、連日ずっと合流の話をされていると思うんですけれども。7月に入って、中道改革連合、立憲民主党と公明党の3党で合流の協議体ができて、今4つの案と言われているものを軸に話が出ています。ただ、僕が取材をしていても、特に参議院の立憲民主党の人たちなんかからすると、この前の衆院選の時に合流したことで逃げた票があるとか言って、なかなか公明党の皆さんと一緒になることを嫌がる人たちも結構多いんじゃないかと思うんですよね。まず今の現状と、これをどういう風に代表自身は見ていますか?
小川氏:政治勢力を頼りがいのある力強いものにしていかなきゃいけないというのは、もう国家的な大義なので、個別の利害を乗り越えるのが基本だとは思ってます。ただ一方、今のようなお話含めて、慎重意見があるのは当然のことなので、丁寧な議論を進めなきゃいけない。
ただ、3党が今のように片輪走行を続ける状況そのものは持続可能性がないので、速やかにどこかのタイミングで結論を出さなきゃいけない。三つの兼ね合いです。

MC水内記者:そうですよね。今の中道側にとって参議院で自民と維新の与党が過半数を取っていないっていうことが一番の強みでもあるし、立憲民主党は参議院の野党第一党の立場でもあります。だったら、その力を強くするためにも、やっぱり衆参で意思が違っているのは絶対ダメだと思うんですよね。合流を本当は今国会中にやれたらいいなと多分思われていたと思うんですけれども、いつ頃までに、というお気持ちはありますか?
小川氏:3党でどういう形であるかは別として、秋までに新体制ということは大筋合意しているので、やっぱり秋ぐらいには一定の結論がないといけないと思いますけどね。
MC水内記者:立憲の人たちが言っている「昔のお客さんが離れたのではないか」という話があるじゃないですか。やっぱり中道ができた時に現実的な安全保障、現実的なエネルギー政策というのを掲げて、少し昔の立憲民主党から本当に政権を取るために乗り越えるものは乗り越える、ということがあったと思うんですよ、僕から見てみると。それは3党合流しようとする時も、これを小川代表としては主軸に据えながら「この旗のもとに集まってくれ」という風にやってるんじゃないかと僕は思うんですけども、こうした考えはどうですか?
小川氏:やっぱり外交安全保障政策もエネルギー政策も、現実的な運びが求められるテーマであり分野であるということは紛れもない事実なので、それが基本ですよね。
ただ一方、例えば防衛政策・防衛装備なんかにしても、私が軸として加えなきゃいけないと思っているのは、「現実的ではあるが抑制的である必要はある」と思っています。近隣諸国含めて際限なく軍拡競争をしていくことを誰が望んでいるんだと。だから「現実的かつ抑制的」じゃなきゃいけないというもう一本の価値軸はあって然るべきだと基本的に思っているんですね。
エネルギー政策だって現実的じゃなきゃいけない。だけど、「じゃあこの先200年、300年、原発・原子力エネルギーに頼ります」ということが現実的か。こういう問いだって立てなきゃいけない。そうすると、どこかで化石燃料や原子力発電も厳格な安全管理のもと一定の再稼働は当然やむを得ないと思ってますけど、ウラン燃料だって100%輸入ですからね。核融合型のいわゆるフュージョンエネルギー、今それに体重をかけることは現実的か。ウラン燃料の輸入に100年、200年、300年依存することは現実的かと、という問いも立てなきゃいけない。
そうすると、この気候変動の夏も酷暑でしょう。中東が風邪を引くと日本は重症になるわけでしょう。これが現実的かと。油を海外から買い、ウランを海外から買い、最終廃棄物を含めて目処が立っていない。これは現実的か。
そうすると、やっぱり再エネを中心にエネルギーの国産化を進めていくことの方が現実的じゃありませんかと、いうような問いも立てなきゃいけない。だから、その「現実的」という言葉は極めて慎重に使わないと、かえってイデオロギー的になりがちな言葉でもあるんですよね。そこは注意したいと思ってます。
MC水内記者:なるほど。そこは裏返すと、イデオロギーの名のもとで考えを止めるというわけでは全くないと。
小川氏:そういうこと。極めて柔軟に、それこそ短期的にも現実的じゃなきゃいけないけど、長期的に見ても現実的であるという解を求め続けなきゃいけないんですね。
MC水内記者:そこはもう一歩言うと、例えば安全保障で言うと中国とかロシア、北朝鮮が今こんなことをやっているというものにはしっかり対峙していく体制は作りながら、ということではあるわけですね。

小川氏:だけど、無制限な軍拡競争は望まないでしょう。それが現実的かと。半分は対話をしなきゃいけないわけですよね、どういう状況であれ。今、中国と対話のチャンネルが閉ざされているわけでしょう。これ現実的かという問いを合わせて立てなきゃいけないですよね。
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