【酒田市長選】元職と現職の対決に|元職 阿部寿一氏 VS 現職 丸山至氏
2019/08/31
5月31日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、日本の選挙制度である「供託金」と「選挙公営制度」を早稲田大学政治経済学術院教授でデモクラシー創造研究所所長の日野愛郎氏と選挙プランナーの松田馨氏が徹底解説!世界一とも言われる供託金の高さの背景には、手厚い選挙公営制度との「セット運用」である点、そして現行制度が抱える課題についても、諸外国の事例を交えて分かりやすく解きほぐします。MCの選挙ドットコム編集部・山中貴士がお話を伺います。
松田氏:海外の選挙制度はG7や、いわゆるOECD 諸国の中でよく比較をされますけども、 実際日本の供託金はやっぱり世界一高いんですかね?
日野氏:供託金の額だけを比べると実際、相対的に一番高いというに言われてはいます。ただ一方で、高いからにはそれなりの訳があるっていう話も同時にあります。選挙に出る時に様々な公費、つまり税金による負担も非常に充実している。これは一般的に「選挙公営制度」と呼んでいるものですけれども、選挙に出る時に必要な様々なものが自腹で賄う必要がなくなっているというところもセットで考えなければいけない問題かなと思います。
松田氏:(中略)今、日野先生におっしゃっていただいたことは非常に重要で、単純に金額だけを比較すると、日本の供託金は高いんですよ。これは間違いありません。世界一高いですねと。ですが、この供託金の話をする際、選挙制度の研究者や実際の選挙管理委員会の方にお話を聞くと、日本には供託金を納める代わりに「公営制度」という仕組みがあるということです。
これはどういうものかと言うと、例えば一番わかりやすいのが選挙ポスターです。ポスターの制作にかかる費用、デザインも印刷も含めてですが、ほとんどの選挙で基本、候補者の自己負担ゼロでできます。また、証紙を貼って配布する「証紙ビラ」についても、サイズによって枚数は違いますが、この費用に関しても基本的に公費負担があります。 さらに、選挙ハガキの郵送費も公費で出してくれますし、選挙カーのガソリン代などもです。こういった形で、候補者が自己負担をせずに、業者側が候補者と契約して契約書を選管に出し、最終的な請求書を選管に送るという仕組みなんです。候補者は自己負担をせずに、全員平等に認められた選挙運動の一定部分に関しては税金で賄うという仕組みとセットになっているんです。
MC山中:この公営制度が時代に合っているのかという疑問があります。今の選挙で言うと、SNSが主力になってきたり、ショート動画を出す方がどんどん増えていると思うんですけど、そうしたSNS時代への対応は進んでいるのでしょうか?
日野氏:そもそも選挙公営制度はSNSやインターネット選挙を想定していないものです。平等性・公平性を担保するということにおいて、ビラ、ハガキ、ポスターの数、(政見放送の)放送時間、選挙公報の枠のサイズを含めて、一定の平等性を考えて作られています。上限を設けることで一人の候補者が伝える分量を同じにしているわけです。 そういった平等性を中心に作られているのが選挙公営制度ですが、方やインターネットの世界においてはどれだけ投稿しても特に上限はありません。そこの天井が全くなくなった世界で、公営制度をどうするべきかはまだまだ議論が始まっていない状況です。選挙公営制度は、「公営で認められているもの以外には、公費やお金を使ってはいけない」ということも意味しています。インターネット選挙を展開していく上で、当然それが主戦場になっていけば行くほど、そこに必要な経費というものも出てきうる。でも、それは認められていないので、実態が制度と乖離していくのではないかという懸念が当然あろうかと思います。
インターネット選挙を展開していく上で、必要な公営制度的なものはどうあるべきか。例えば時代や技術的な変化の下で、20世紀初頭は選挙カーというものはない状態で、選挙運動の中で「車上運動員」にお金を使ってもいいというルールが認められていったように、時代の変遷と共に、インターネット選挙で必要な経費についても一定の公費負担を認めるのか。様々な意見があるとは思いますが、議論をしていかないと、制度と実態がどんどん乖離していくのではないかと懸念しているところです。
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