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9月10日は山形市長選挙!選管サイトの使い勝手を検証して分かった改善ポイントとは?(データアナリスト 渡邊秀成)

2023/9/7

渡邊 秀成

渡邊 秀成

利用者が選挙結果ページに迷わず進めるように

2023年9月10日に山形市市長選挙が予定されています。前回の山形市長選挙の結果を知ろうと思い、山形市選挙管理委員会の選挙結果ページを閲覧すると、前回の市長選挙結果が掲載されていませんでした。

市長選挙結果のみならず、前回の市議会議員選挙結果についても掲載されていませんでした。

いくらなんでも前回までの選挙結果は掲載されているだろうと思い、山形市役所ウェブサイト内を検索すると、選挙結果はオープンデータ、市政情報の項目内にPDF形式でデータが公開されていました。

参照サイト= https://yamagata.ficsc.info/yamagata/search.htm?key=選挙結果

地方選挙結果を調べる際は、公的機関が公表する数値で確認する人が多いと思います。そして多くの人は選挙管理委員会サイトを訪れ、そこから選挙結果を知りたいと思う人が大半だと思いますので、オープンデータとして他の場所に掲載されている場合には、その場所へのリンクを貼るなり、選挙結果がある場所へ誘導する目印となるものがあると便利だと思いました。

オープンデータサイトから選挙結果が公開されていることがわかりました。

CSVやExcel形式で公開すれば利活用度アップ

次はデータ形式について観察します。

ここでは令和元年9月8日執行(PDF21.2KB)について観察します。

選挙結果がPDF形式で公開されています。この点をCSV形式、Excel形式もデータ公開されているとデータの利活用がしやすくなると思います。

PDF形式でのデータ公開はデータ改竄がなされにくい、印刷媒体とほぼ同じ状態でWebサイトに公開できる等の利便性がありますが、データ利活用を考えると好ましい状態ではありません。

総務省はオープンデータでの機械判読しやすさのランクづけを公開しています。

参照サイト= https://www.soumu.go.jp/main_content/000353999.pdf

こちらのページを参照すると、PDF形式でのデータ公開は最も利用しにくい形式として掲載されています。

選挙管理委員会に限らず公的機関のデータ公開担当者には、総務省が公開するこの表を参考に使い勝手が良いデータを公開して欲しいと思います。

またデジタル庁も1. オープンデータ基本指針について掲載しています。

これらの指針にしたがったデータ形式で山形市選挙管理員会にもデータ公開をお願いしたいと思います。

選挙結果を一覧形式にすると、利用者も職員にもプラス

それでは選挙結果データについて観察していきます。山形市長選挙結果はこのような形式で公開されています。

上記のような表組みになっています。

山形市長選挙データのみですので単体の選挙結果を人間の目で見るぶんには問題がありません。

ただ、この選挙結果データを自身で分析しようと思うと、PDFファイルからコピー等をする必要があります。また過去の選挙結果を比較したい場合は、一手間ふた手間が必要となります。

そのような場合には東京都足立区選挙管理員会が公開している方法が一つの手本になると思います。

足立区選挙管理委員会が公開している方式ですと、ファイルが一つで済むのでデータ管理しやすい、他の期日に執行された選挙結果についてもすぐに知ることができるという特徴があります。特に投票所ごとの投票率を情報を必要とする人が誰でも知ることがオンライン上でできます。

選挙結果情報を知りたい人は選管に問い合わせをすることなく、そして選管職員の方はデータに関する問い合わせに対応することがなくなるので、両者にとって作業効率が上がります。

または総務省形式にしたがった形式でデータ公開することで、過去から現在までの選挙結果を一覧形式にすることも考えられます。

提案図(筆者作成)

このような方式で山形県内市町村がデータ形式を統一すれば、県内全市町村の投票率比較、候補者別得票数、得票率を瞬時に計算することができますので、選挙管理委員会の業務課題の一つとなっている投票率向上のための施策をするための投票率が高い地域、低い地域を把握することがしやすくなり、人事異動等で担当職員が異動しても、業務引き継ぎがしやすくなると思われます。

正確な記録を将来的に使い勝手の良い形式で残していくことも官公庁に課された役割ではないでしょうか?

総務省、デジタル庁等で誰もが利用しやすいデータ形式での情報公開を官公庁に呼びかけていますが、公開されるデータを見る限り、これらのルールが現場レベルにまで浸透しているようには見えません。

内閣府の公文書管理制度のページには「公文書等(国の行政文書等)は国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録であり、国民共有の知的資源です。 このような公文書等を適切に管理し、その内容を後世に伝えることは国の重要な責務です。」との記載があります。

この責務を官公庁が果たすためには、官公庁職員の職員研修だけではなく、公務員採用試験等でデータ作成形式についての出題も必要ではないでしょうか?

官公庁はデータ分析に力を入れていますが、データ分析以前に使い勝手の良いデータ作成、公開には、それ以上の力を入れて欲しいと思います。

今回は市長選挙が迫る山形市選挙管理委員会データを観察した上で、改善点について提案をしてみました。

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渡邊 秀成

渡邊 秀成

有価証券報告書等のテキスト解析から有権者投票傾向等、 幅広いデータを各種プログラム言語を用いて視覚化、調査をしています。 またデータ活用がしやすいキレイなデータ作成方法を提供しています。 選挙関連のデータはこちらです。 https://datastats-election.info

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