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2020/10/13
日本維新の会から新人で政治に挑戦することを決めた加来(かく)たけよしさん。
加来さんは、神戸大学在学中に司法試験に合格し、20代で弁護士の道へ。その後も、金融庁勤務、外資系戦略コンサル勤務、上場スタートアップ企業勤務、起業と、様々な職業に挑戦してきました。
加来さんは、現在41歳の働き盛り世代、そして3児の父で子育て世代でもあります。
どのような想いで日本維新の会から政治に挑戦することを決めたのか、今後どのようなことを実現していきたいか、加来さんにお話を伺いました。子どもの未来のために政治家を志した加来さんの想いには、多くの有権者の方の共感を得られると思います。
選挙ドットコム編集部(以下「選挙ドットコム」)
これまでの経歴を教えてください。
加来たけよし氏(以下「加来氏」)
私は、大学卒業後、弁護士としてキャリアをスタートし、その後、法律の専門家として金融庁の任期付職員を務めました。弁護士では、会社法務、民事から刑事事件まで幅広い事案を担当しました。暴力団からのベンツの回収や殺人未遂の案件などもありました。
金融庁では、半沢直樹でも少し知られたかもですが、金融検査官という金融機関の業務を検査する仕事をしておりました。
その後、金融庁での経験や出会いから、ビジネス業界にチャレンジしたいと考え、ボストン・コンサルティング・グループという外資系戦略コンサルティングファームの門をたたき、その後、上場スタートアップの役員、起業などを経験しています。
現在は41歳になり、3人の子どもを持つ父親でもあります。
選挙ドットコム:
すごい経歴ですよね?なぜ、政治家を志したのですか?
加来氏:
理由は様々ありますが、自分の子どもたちの将来を考えはじめ、その未来に絶望を覚えたのが大きなきっかけとなりました。
今年、中学生になった長女、2歳の長男、3月に生まれた0歳の次女の将来を考えたとき、この子たちが20才、30才になったら、この国はどんな国になっているのかな?果たして、誇りをもって日本に生まれて育ってよかったといえる日本になっているのかな?
と考えたとき、昭和から進化しない日本の将来に対して、不安とあきらめを強く持つようになってきました。
現に、周りの経営者でも、子どもたちを小さいうちから海外に留学させている方も多くいますし、優秀な研究者なども中国などが破格の報酬を支払い海外に流出していっています。
このままだと、資産家や優秀な若者が海外にどんどん流出し、明らかに日本は先進国から脱落していきます。
もちろん、家族を守るだけなら、自分自身の努力で何とかなるかもしれない。
自分自身も、海外に脱出する選択肢もあるかもしれない。
しかし、やはり、自分は日本が大好きですし、やり方次第でまだ可能性がある。日本の未来をあきらめず、未来を担う子どもたちのため、自分のキャリアを活かして政治を変える助力になりたいと思い、政治家への転身を決意しました。
選挙ドットコム:
政治を変えられるのではと思ったきっかけは?
加来氏:
簡単に今の政治を変えられるとは思っていません。
政治家という仕事は当然、責任も伴いますし、一人でできるものでもない。
合理的ではなく、理不尽なこともいっぱいあると思っています。
自分なら変えられる。もちろん、こうした自信もありますが、まったくこれまでの経験を活かすことができないかもしれない。
しかし、やったことがないからこそ、やる価値があると思っています。
私自身、人生の節目でなんども大きなキャリアチェンジをしています。
変わることは不安もすごく大きいし、失敗もしやすい。でも、そうした中で、自己改革を重ねたり、何かに挑戦することが好きなのです。
1時間睡眠で血尿出してまで何とか合格した司法試験の結果である弁護士というキャリアを捨てビジネスに転身しましたが、結果としてはすごく成長できたと思っています。
今、この国をコントロールしている政治家は、昭和の日本が強かった時代をひきずって変わることをおそれ、改革への挑戦をしない方々ばかりではないでしょうか。
グローバルで社会構造、産業構造が目まぐるしく変わっていくこの時代に、変化をおそれる政治家にこの国を任せていては、ジリ貧による停滞がずっと続く国になってしまう。
だからこそ、政治経験はなくとも、変化をおそれず様々な業界でキャリアを積んできた私のような人間が改革に挑戦することが何かのきっかけになれるのではないかと思っています。
人生は一度しかないから、困難な課題であっても後悔なくチャレンジしたい。
そういう気持ちを持っています。
選挙ドットコム:
今の政治の課題は何だと思いますか?
加来氏:
大きな目線では、変化することができない、現状維持・微修正型のしがらみだらけの政治の構造が最大の課題であると思っています。
政治と官公庁や民間との関係、国と地方との関係なども、昭和のように人口ボーナスがあり、産業構造でも日本が世界をリードできていた時代のままです。
例えば、予算一つとっても、まず、何年で何兆円という枠組みを政治主導で決め、その後に、官公庁がこのおカネを何に使うかを考えている。
しかし、この予算設定が果たして適切であったのか、予算は意味のある内容に使われたのか、などの検証もほとんどされていません。
民間のビジネスの世界で考えると、大型プロジェクトをやるときに、検証もなく、多額のお金をじゃぶじゃぶ垂れ流すなんてありえないと思います。
また、これまでの政治は、目の前の選挙やイシューだけを取り上げて、中長期的に日本をどのような国にしていくのか、そのビジョンを提示できていません。
日本維新の会が公表している日本大改革プランでは、目の前の課題だけではなく、10年後、20年後、50年後の日本のあり方を見据え、ビジョンを定めた上で逆算して議論しています。
もちろん、私から見ても、まだまだ粗削りだと思いますが、こうしたビジョンを提示し、国民の皆様と議論をしてブラッシュアップしていくプロセスが重要と思っています。
国民の皆様が「日本」という家に住んでいるとする状況に例えると、その家は、もうボロボロになりつつあり、柱が傾いたり、屋根から雨漏りがしている。
しかし、そのような状況を、国民に伝えることなく、板を打ち付けたり、テープをはったりして胡麻化している。しかも、その修繕方法は、相場に比べても極めて高額。
日本維新の会は、しっかりと、国民が置かれている状況や修繕方法を透明度を高くして、お伝えし抜本的なリフォームを行っていく。
あるべきゴールを明確にし、それに向かって目の前に小さな課題をひとつひとつ解決していくスタンスです。
「最終的にどんな国になるのか?どんなゴールを見せられるのか?」という逆算の考え方は、ビジネスにおける考え方に非常に近いと感じています。
選挙ドットコム:
これまでのキャリアでどのような思考をされてきたのですか?
加来氏:
20代で法律家、30代でビジネスの分野を経験しており、「積上げ」と「逆算」、両方の思考方法を経験してきました。
大学を出てすぐの20代の頃は、法律家として弁護や金融庁の仕事に携わっていました。
「法律」に関わる仕事では、結論ありきではなく、案件ごとに詳細にヒアリングや証拠集めを行い、事実を固めます。その事実を法律という規範にあてはめ、結論を導き出します。
また、判例など、過去の事例を調査することも重要です。
いわば、地道な「積上げ」の作業の連続です。
そして、30代から経験したビジネスの分野の思考方法は全く逆です。
ボストン・コンサルティング・グループ(以下、BCG)に転職し、ビジネスマンとしてキャリアを積んだ際には、コンサルタントとして企業の海外進出サポートや、中期戦略策定、新規事業の立上げ支援などに携わっていました。
ビジネスの世界は「逆算思考」で、まずあるべきゴール、なりたい姿を設定して、そこからやるべきことを逆算していきます。
20代の弁護士時代と、30代のビジネスマン時代の思考方法は、真逆そのものでした。
法律はボトムアップの地道な「積み上げ」。ビジネスの世界では「逆算」。
法律家時代には「積み上げ」思考が染みついていましたが、BCGの先輩からは、「これまでの思考方法をいったんアンラーン(今まで学んだことを忘れる)してください」と言われて、自己改革で苦労しました。
ただ、結果として「積み上げ」と「逆算」、その両方の視点を持てるようになったことが私の強みになったと思っています。
選挙ドットコム:
日本の政治に必要な思考方法は?
加来氏:
もちろん、「積み上げ」と「逆算」、両方の思考が必要なはずです。
例えば、浦和駅から移動するとします。
その際、どこに行くかもわからない状態では、どの電車に乗ればいいかもわからない。
急いで楽に東京駅に行きたいなら、東京上野ラインのグリーン車に乗るかもしれない。その途中で、川口に寄る用事があれば、京浜東北線かもしれない。沖縄に行くなら、バスで羽田空港に行くかもしれない。
ゴール(目的)があって、はじめてプロセス(手段)が決まってきます。
そして、プロセスが正確でないとゴールには近づけないと思っています。
今の日本の政治では、中期計画や長期計画、「10年後や50年後にどういう国でありたいか?」の議論がなされていない、現政権でもまとまっていないと思っています。
それがあって、はじめて、いまやるべきこと、5年間でやるべきこと、30年かけてやるべきことが決まってくると思っています。
ビジネス現場においても、ミッション、ビジョンやパーパスといった企業の目標があって、それを実現する5年間の中期計画があって、単年度の予算が練られます。
こうした当たり前の思考方法を、政治の世界でも実現していきたいと思っています。
選挙ドットコム:
「民間感覚」が活かせる改革とはどのようなものがありますか?
加来氏:
まずは、「ムダな支出をなくし、この国を成長させる」というシンプルなことがベースです。
企業でも、一般家庭でも、当たり前ですが、ムダな支出は抑えるはずです。
それが、この国では、特定の企業団体とのつながりや既得権、選挙対策の観点から、まったく合理的でない関係で、ムダな支出を繰り返しています。
先日も、コロナ対策の名目で12兆円という大金の多くが何に使われたかわからない、その検証もしないということが問題になりました。
この金額は、国の消費税歳入の半分にもなる金額です。
民間ではありえないし、あまりにも放漫すぎて、税金を払っているのがバカバカしくなりますよね。
選挙ドットコム:
国の予算の使われ方はチェックされていないのでしょうか?
加来氏:
「行政レビュー」という、第三者が政治を評価する機会がありますが、
レビューをするのは大学の教授や弁護士、会計士、といった、専門分野の方々。
国の予算を使う事業であるにもかかわらず、事業経験のない方が予算の使われ方を評価しているのが現状です。
レビュー結果を見ても、ほとんどが判で押したような内容ばかり。
まあ、あえて、検証できる人を入れていないのでしょうが…
政治家や官僚は、ビジネスの世界はわからない。
その前提を政治家も官僚も自認したうえで、政策を考える必要があります。
もう、昭和型の社会構造、産業構造は終わったのです。
選挙ドットコム:
今後、どのようなことを実現していきたいですか?
加来氏:
大きなビジョンは、「次世代のための日本を創る」ことです。
そのために、構造全体の改革と、政治家の新陳代謝が必須であると考えています。
少し具体的にいうと、税金のムダをなくし、働く世代の可処分所得(手取り)を引き上げ、経済を上昇気流に乗せる。
そして、必要なところ、特に、子育てや教育に適切に使われて、子どもたちの数や教育水準をあげる。さらに、規制緩和により、民間によるイノベーションを邪魔せずに、グローバルで通用する産業を生み出す。
当たり前すぎますが、これをしがらみなく、着実に実行していくことが未来につながると考えています。
また、経済対策だけではなく、国防についても、しっかり向き合っていくことも重要です。
国防は、防衛力という物理的なものだけでなく、サイバー戦、情報戦、法律戦など多岐にわたっています。
今の国際情勢では、覇権主義国家がどのような行動に出るかはまったくわからない。
国民の生命や財産、国土を守るためにも、国防を強化し、戦争に巻き込まれず平和主義を貫ける体制が必要と考えています。
選挙ドットコム:
日本維新の会から政治に挑戦する加来さんから、想いを一言お願いします。
加来氏:
私は、ただ単に政治家になりたいわけではありません。
政治家になることはゴールではなく、プロセスです。
政治家がゴールならば、お金もあって、組織力もある政党から出馬するほうがよかったかもしれません。
次世代が誇れる豊かな日本になれるように、断固として改革を進める力になりたい。
そんな思いを胸に、政治家を目指しています。
【加来たけよし氏のプロフィールページはこちら】
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